GOD EATAR 〜血と意志を継ぐ者〜   作:?BOX

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はい、ものすごく久々にしれっと更新します。

更新するする詐欺が多くてごめんなさいm(__)m

やっぱり趣味でやってると飽きがくるとダメですね。申し訳ないです。

そんな感じでも読んで頂けるならありがたいです。
また、唐突に更新が来なくなるかもしれませんが、その辺りはご容赦を…

別作品も投稿していくつもりなので更新は確実に遅くなります。これを最後に更新しないことはないように努力します。できなかったらごめんなさい。

はい、覚えている人はいないと思いますが、前回の続きからどーぞ!!
久々に書いたので途中から書き方変わってるかもしれませんがよろしくお願いしますm(__)m


No.016 死神と呼ばれる由縁

「ソーマさん‼救援信号が‼」

 

ソウルが叫ぶとソーマが空を見上げ、携帯端末で位置を確認する。

 

「チッ…いくぞ」

 

距離は直線で約1kmほど、ゴッドイーターの足でも1分半ほどの時間がかかる。さらに、廃寺地域は道が入り組んでいるため、より時間がかかってしまう。

 

〈みんな無事でいて…〉

 

ソウルはそんなことを思いつつ全力で走る。

約2分ちょっとで救援信号が発信された場所へ辿り着く。そこには3体ものコンゴウがいた。うち2体は血溜まりの上でなにかを捕喰している。もう1体は、地面に伏している神機使いを襲っている。彼は、既に虫の息で神機も手放してしまっている。

その神機使いは、少し離れたところにいるソウル達の存在に気づき、声を上げる。

 

「たす…けてくだ…さい…」

 

コンゴウはトドメを刺すために拳を構える。表情を強張らせたソウルはそれを止めようと銃を構え、撃つ。

 

バシュンバシュンバシ『グチャァ』ュンバシュンバシュン……

 

ソウルが必死に連射した銃声の中に不快な音が紛れ込む。そして、目の前に血肉に塗れたメガネが飛んできた。

 

「クソッ…」

 

ソーマはその場で悪態をつくが、無闇に飛び込むような真似はしない。

ソウルは言葉を発さずに目の前のメガネを見つめる。この無惨な光景を見て戦慄しているのか、それともこの現実を受容できていないのか、そのどちらでもないのかはその固まった表情からは読み取ることができない。

コンゴウ達は新たな捕喰対象を捕捉し戦闘体勢に入る。

ソーマは近くのコンゴウへ向けて走り出そうとするが、視界の端で人影が動いた。

 

「おいっ‼」

 

ソーマが声を上げる。そのとき、ソウルは既にナオヤを殺したコンゴウとの距離を半分ほど詰めていた。神機の変形もいつの間にか終わっていた。

そのままコンゴウの懐に潜り込み、刃を上に向けた状態でコンゴウの体の中心に両手でナイフのように押し込み、突き立てる。踏み込んだ左脚を軸に180℃回転し、コンゴウに背を向け、根元まで刺さった神機を左肩に担ぐような姿勢をとる。一見すると、コンゴウをおぶっているようにみえる。

コンゴウは神機で貫かれた痛みで怯んでいる。例え、怯んでいなかったところで、ここまで密着されている状態ではコンゴウには攻撃のしようもない。

ソウルは半身の姿勢で下半身に力を込めて体を固定し、肩を支点に神機を掴んだ両腕を下げた。神機の刃は当然の如く、引き下げられた神機の柄の部分の対称となる挙動でコンゴウの体を切り裂いた。

コンゴウは一気に血液を噴き出して背中から倒れ、絶命した。ソウルは返り血を大量に浴びる。

ソウルはそれを見向きもせずに次のコンゴウへ向けて走り出す。ソーマもそれに続いて別の個体へ走り出す。

ソウルがターゲットにしたコンゴウは一直線に殴りかかってくる。ソウルはそれを左側に避け、捕喰形態で相手の右腕を喰い千切る。すぐさま銃形態に変形し、生成したアラガミバレットを2発撃ち込む。

コンゴウの体を無数のかまいたちが切り刻む。

ソウルは再び神機を変形し、怯んだコンゴウを喰らう、喰らう、喰らう…。辺りに神機がコンゴウを喰らう音が響く。

 

「おい、その辺にしとけ」

 

ソーマに声をかけられてソウルは我に返る。目の前にはほとんど喰らい尽くされたコンゴウがある。少し離れたところにもソーマが倒したコンゴウの死体が転がっていた。

もちろん、死体はコンゴウのものだけでなく、神機使いのものも無惨に転がっている。ナオヤは頭を潰され、ダイキは首がおかしな向きに曲がった状態で壁にもたれている。マリーは血溜まりの上に残された片足だけとなっている。

ソーマはゆっくりと辺りを見回す。

 

「ようこそ、クソッタレな職場へ…」

 

ソーマはいつにもなく不機嫌そうな顔をしている。声もかなり不機嫌だ。

 

「俺がアナグラに回収班を要請しておく。お前は残り全部喰っとけ」

 

ソウルは無言で頷き、コンゴウの亡骸を捕喰してまわる。最後の個体を捕喰する頃にはオラクル細胞が霧散を始めていた。ソウルの浴びた返り血もいつの間にか霧散している。

 

「おい、遺体は運べるか?」

「はい」

「回収班がここにくるまでに一ヶ所にまとめておく。神機は触るな、なにが起きてるかわからねえ」

 

きちんと管理された神機ならば他人の神機でも、接続しなければ捕喰されることはない。しかし、どんな損傷を負っているか不明な状態の神機は素手でただ触れるだけでも危険が伴う。

 

「お前はダイキを運んどけ。あとは俺がやる」

 

ソウルはその場に神機を突き立て、ダイキの元へ向かう。近くにくると表情がよくわかる。その目と口は大きく開かれ、顔の右側部が特に激しく変形している。近くで神機のオラクル細胞の部分が蠢いている。

ソウルはダイキをしばらく見つめたあと瞼を閉じ、手を合わせた。しばらくの沈黙の後、ダイキを抱えてソーマが遺体を集めているところまで運ぶ。

雪の積もった地面に3体の死体が並ぶ。死体といっても完全な人間の形を留めているものは1体のみで、残りは頭がないものと片足しかないものである。

 

「後は迎えがくるまで待機だ」

 

ソーマは周りを警戒しながらそういった。

ソウルも神機を手にして周りを見渡す。そこには人間の血や肉だけがいつまでも消えずに残っていた。

 

 

アナグラへの帰還後、ソウルは自室へ戻ってきていた。部屋の電気も点けずにベッドに横になり、天井を見つめている。

周囲の安全確認や神機の回収作業の影響で帰還までに時間がかかり、既に日が沈みかけている時間帯となっていた。

するとそこで突然、ソウルの携帯電話が鳴り響く。ソウルは携帯電話の画面を確認し、耳にあてる。

 

「はい、もしもし…」

「あ、ソウル?いま大丈夫かしら?」

 

携帯電話からサクヤさんの優しい声が聴こえてくる。

 

「はい、大丈夫です」

「じゃあ、呼びつけて悪いけど、今から私の部屋に来てくれる?」

「わかりました」

「よかった、私の部屋はリンドウの1つ奥にあるわ。じゃあ、待ってるわね」

 

そういってサクヤは電話を切った。

 

ソウルは支度をしてすぐに部屋を出る。

エレベーターで移動し、この前来たリンドウの部屋の1つ奥の部屋のインターホンを鳴らす。

 

「お、ソウルか。入れ入れ」

 

しばらくしてドアが開くとそこにはリンドウが立っていた。

 

「…あ、ごめんなさい。部屋間違えました」

「いや、合ってるぞ。ほら?」

 

リンドウが後ろを指差す。そこにはキッチンでなにか作業をしているサクヤの姿があった。よく見ると部屋の様子も以前行ったリンドウのものとは異なっている。

 

「意外と早かったのね、ソウル。どうぞ入って」

「おう、さっさと入って適当に座れ」

「じゃあ、お邪魔します」

 

ソウルはリンドウに言われた通りにL字型のソファに腰掛ける。リンドウはソウルの斜め左に腰掛けた。

 

「もうすぐお茶が入るからちょっと待ってて頂戴ね」

「すみません、ありがとうございます」

 

少し経つとサクヤがトレーにポットとティーカップを乗せて運んできた。リンドウの隣に腰掛け、ポットから紅茶を注ぐ。

 

「どう?いい香りでしょ?この前、任務のときハーブが生えてたから摘んでおいたの」

 

部屋じゅうにハーブの心地良い香りが広がる。

 

「サクヤ、紅茶もいいが配給ビール…」

「リンドウが一昨日飲んだので最後よ」

 

サクヤがリンドウの言葉を遮り、即答する。リンドウは苦笑いしている。

 

「ソウル、これでも飲んでリラックスして」

 

サクヤが目の前にティーカップを差し出す。ソウルはティーカップを手に取り、口元へ運ぶ。紅茶のより強い香りが鼻をくすぐる。そのままカップに口を付け、ひと口。

 

「…なんだかホッとしますね。美味しいです」

「なら、よかったわ。…少し気分が落ち着いたところで本題にはいりましょうか」

 

サクヤはリンドウに目配せをする。リンドウはそれに応えて頷いた。

ソウルの表情が少し曇る。

 

「姉上から聞いたぞ、今日はつらい任務だったそうだな。俺達がついてやれなくて悪かったな」

「…はい。でも、リンドウさん達は悪くないです」

「今、どんな気分だ?」

 

ソウルは少し考えてから答える。

 

「恐怖とか怒りがないっていったら嘘になります。でも、一番強いのは…悔しいって気持ちです」

「…そうか」

 

少しの間、沈黙が部屋の中に満たされる。

 

「…もうこんな犠牲者は出したくないです。僕の目の前で誰も死んで欲しくない」

「ああ、そうだな」

 

リンドウが不意に立ち上がる。

 

「お前も神機使いという人を護る立場になったが、俺達から見ればまだ、護られる側だ。

安心しろ、一人前になるまでは俺達が護ってやる」

 

リンドウはソウルの隣に座りながら肩を組んできた。

 

「そうよ、私達にどんどん頼りなさい。護られることは恥ずかしいことじゃないのよ?」

 

サクヤは微笑みながら語りかける。

 

「は、はい‼でも、いつまでも護られる側でいるつもりはありませんから」

 

ソウルは気圧されずに強気の姿勢をとる。

 

「おーおー、その意気だ。さっさと強くなって俺に楽させてくれよ」

 

リンドウはソウルの背中を叩きながらいう。

 

「リンドウさん、痛いですよー」

 

ソウルは苦笑いしながらそういった。

 

〈あの子ならきっといい神機使いになれるわね〉

 

じゃれあう2人を見ながらサクヤはそう思った。

 

 

しばらくリンドウたちと話をしたソウルはまだ何も食べてなかったことを思い出し、食堂へ向かう。

食事を受け取って席を見渡すと飯時から外れた時間帯なので人はまばらだった。ふと、ソウルの視界に手を振る人影が見える。

 

「ソウルー!!こっちー」

 

手を振っているのはエリナだ。隣にはエリックもいる。エリナの向かいに座って食事をとりながら話を聞くとエリナの診察が終わって兄弟で話していたらしい。

 

「今日は大変な任務だったみたいだね、ソウル君」

 

エリックはいつになく真剣な声でいう。

 

「…はい。でも、もう大丈夫です。リンドウさんたちにも励ましてもらいましたし」

「流石、第一部隊の隊長だな。あの人についていれば大丈夫だろう。この華麗なる僕がいうのだから間違いない」

「そうですね、リンドウさんは凄い方です」

「お兄ちゃんだって凄いんだからね!!今日だって…」

 

エリナが口を挟んできて、兄であるエリックを身振り手振りを駆使して誉める。遠距離タイプの神機使いのエリックの活躍なはずなのに明らかに剣を振るっている動きなのはご愛嬌だろう。

 

「あっ…!」

 

エリナの一際大きな一太刀が目の前あったジュースの缶へヒットする。その缶はソウルへ向かって飛んでくる。

そんなことが起きるとは微塵も思っていなかったソウルは反応できずにまともに缶の中身を被ってしまう。白いパーカーに黄色いしみができてしまった。

 

「…ごめんなさい」

 

エリナは頭を下げ、しゅんとした様子で謝罪した。

 

「ううん、大丈夫だよ。このパーカー、リッカさんにもらったんだけど、なんか特殊なオラクル細胞の繊維でできてるらしいから汚れても少ししたら消えちゃうみたいだし」

 

エリナは潤んだ瞳でソウルを見つめながら首を傾げている。エリナには少し難しかったようだ。

 

「とにかく、大丈夫だから気にしないで!!」

「…ほんとに?」

「うん、ほんとに」

 

ソウルは微笑みながら答える。

 

「…ん、わかった」

 

エリナはまだ納得していない様子だが、その表情からは不安が少し消えていることが伺える。

 

「ソウル君、いま特殊なオラクル細胞の繊維といったかい?」

「…はい、そうですけど。知ってるんですか?」

 

エリックが顎に手を当てて何かを思い出すようにしながら口を開く。

 

「…ついこの間なんだが、父がそのようなオラクル細胞の繊維の技術に投資しようかどうか悩んでいるのを聞いたような気がしてね。ただ、まだかなり初期の実験段階らしいからさすがにそのパーカーとは関係ないと思うけれどね」

「…え?どういうことですか?」

「まあ、ソウル君がそのパーカーを着てるってことはつまり、人体実験ってことだろ?そんな危ないことはさすがのリッカ君もしないだろう」

 

ソウルの頭の中を一抹の不安がよぎる。パーカーを見てみるとジュースのしみが注意深く見ないとわからないほどに薄くなっていた。

 

「ちょっとリッカさんに聞いてきます!!お先に失礼します!!」

 

ソウルは食器を返却し、早足で神機保管庫へ向かった。

 

 

「リッカさん!!」

 

リッカはソウルの呼び掛けに応じてマニピュレーターでの作業を止め、振り返る。

 

「ソウルくん?どうしたの?神機の調子でもおかしくなった?」

「いや、神機の調子は全然問題ないよ。それよりこのパーカーのことで…」

「…もしかしてバレちゃった?」

 

リッカは目をそらしながら気まずそうにしている。

 

「バレちゃったって?!やっぱりこれ危ないの?!」

「いや、そんなことないよ。確かにまだできたてほやほやの技術だけど、私なりに工夫して作ったから安全性は保証するよ。ソウルくんをモルモットにしようなんて思ってないよー」

 

明らかに最後の一言だけ棒読みだった。

 

「絶対思ってるでしょ?!」

「思ってない、思ってない。実際、問題は起きてないでしょ?そのあたりにはちゃんと自信あるんだから。ソウルくんにそんな危ないもの渡す訳ないって」

「まあ、確かに体になんも異常はないけど…」

 

ソウルは自分の体のあちこちを見回しながらいう。

 

「ほらね?心配しなくてもいいの。だからそのまま経過報告お願いねー」

 

リッカはちょっとした頼みごとをするかのように笑顔でいった。

 

「やっぱり、実験なんじゃないですかっ!!…って、これ?」

 

ソウルはリッカが作業していたマニピュレーターの上を見つめている。

そこにはまだ記憶に新しい神機があった。バスターブレード型の神機、ダイキのものだ。

 

「ああ、そっか。ソウルくんもこの任務についてたんだね」

「…はい」

 

ソウルの声の調子は先ほどより明らかに暗くなっている。

 

「こういうことはよくあるんだよ。任務から帰ってくるのは神機だけってこと…」

「…」

 

ソウルは黙ったままだ。

 

「…あって欲しくなんかないんだけどね」

 

リッカは呟くように声を漏らす。

 

「はい、その通りです」

 

このときのソウルの声はただ暗いだけではなく、しっかりとした意志が乗っているものだった。

リッカはその声を聞いて少し笑みを見せる。

 

「…でも、この子は次の適合者が現れたらちゃんと使える、大丈夫。私は神機にはその神機使いの意志…みたいなものがちゃんと残ってるって信じてるから。そういうものが受け継がれてるって思う」

「うん、ありがとう。なんか今日は色んな人に励まされてばっかだな」

 

ソウルにも少し笑顔が戻っている。

 

「まだまだ新人なんだからこんなときぐらい、先輩方に甘やかしてもらえばいいと思うよ」

「うん。でも、いつまでも甘えてらんないから僕も強くならないとな…」

「おしっ、その意気だ!!」

 

リッカはソウルの背中をバンッと叩いた。

 

「はい、頑張ります!!…じゃあ、リッカさんも忙しそうだから今日はこのへんで」

「うん、じゃあ、またね」

 

ソウルは手を振りながら神機保管庫を後にした。そのパーカーからは既にジュースのしみは完全になくっていた。

 

〈あれ…?なんで神機保管庫にきたんだっけ…?〉

 

ソウルの頭からは本来の目的もどこかにいってしまっていた。

 




読んでいただきありがとうございます!!

ゴッドイーターになっては避けられないだろう、同僚の死。これからのソウルにどんな影響を与えるのでしょうか…

感想待ってます!といいたいところですが今更かよというお言葉が怖いです…(・・;)
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