しばらくは時間がありそうなので早めに更新できそうです。
今回でやっと適合試験の日が終わります。
最初の段階で1日に3話も使って大丈夫なのかと思いますが(笑)
「失礼します」
そこには、4つものディスプレイに囲まれながらキーボードを叩く銀髪の男と、白いコートのようなものを着ている金髪の男がいた。
今日は銀髪に縁があるなと思いながら前に進む。
「ふむ…予想より473秒も早い」
何で秒単位なんだと心の中で思いながら7分53秒かと計算する。
「よく来てくれたね、新型君。いま頭の中で7分53秒だと計算したかい?」
図星であるソウルはびくっとなる。
「…まあ、はい」
「私はペイラー・サカキ、アラガミ技術開発の統括責任者だ。以後、君とはよく顔を合わせると思うけど、よろしく頼むよ」
「よ、よろしくお願いします」
自分で聞いておいてリアクションをしないところに少し戸惑うが返事をする。
「さてと、見ての通りまだ準備ができていないんだ。ヨハン、先に君の用事を済ませたらどうだい?」
「サカキ博士、そろそろ公私のけじめをつけていただきたい」
サカキ博士は特に聞き入れる様子はなくキーボードを叩く。
「適合テスト、ご苦労だった。私はヨハネス・フォン・シックザール。この支部の支部長を任されている。
改めて適合おめでとう、新型の君には期待しているよ」
結局新型ってなんなんだろうと思っているとサカキ博士が手を止めて話し始める。
「彼も私と同じ技術屋だったんだよ。ヨハンも新型のメディカルチェックに興味津々なんだよね?」
「君がいたから技術屋を廃業することにしたんだ…自覚したまえ」
「ホントに廃業しちゃったのかい?」
「ふっ……では、ここからが本題だ」
目の前で意味深な会話が交わされるが、ソウルには全く理解できなかった。
「我々フェンリルの目的を改めて説明しよう。君達ゴッドイーターの直接の任務はここ、極東地域一帯のアラガミの撃退とコアや素材の回収だが、それはここ前線基地の維持と、来るべき『エイジス計画』を成就させるための資源となる…」
「この数値は!!」
サカキ博士の声が話を遮る。
支部長は咳払いをして話を戻す。
「…エイジス計画とは簡単にいうと、この極東支部沖合の旧日本海溝付近にアラガミによる捕喰の脅威から完全に守られた楽園を作るという計画のことだ」
「ほほぉー!!」
またもサカキ博士が声をあげるが今度は無視をする。
「この計画が完遂されれば少なくとも人類は当面の間、絶滅の脅威から解放されるは……」
「すごい、これが新型か!!」
またもサカキ博士の声に話が遮られる。支部長もしびれを切らして文句をいう。
「ペイラー、説明の邪魔だ」
「ああ、ごめんごめん。予想以上の数値に少しばかり舞い上がっちゃったんだ」
さっきからの出来事でこの人は相当な変人なんだとソウルは思う。それに結局支部長も名前で呼んでしまっている。
「ともあれ、人類の未来のためだ。尽力してくれ。
じゃあ、私はこれで失礼するよ。ペイラー、あとはよろしく頼む。終わったらデータを送っておいてくれ」
そういって支部長は部屋から出ていった。サカキ博士は片手をあげて応える。
「よし、ちょうど準備は完了だ。これからメディカルチェックを始めるよ。奥の部屋のベッドに寝てもらえるかい?
少し眠くなると思うけど、心配しなくていいよ。次、目が覚めるときは君の部屋だ。予定では10800秒となっている。ゆっくり休むといい」
今度は計算してやらないぞと思い、奥の部屋へ移動する。
すると後ろからサカキ博士の声がする。
「今度は計算しなかったんじゃないかい?」
あ、また頭の中を読まれたと思いながらベッドに横になる。
*
なにか音が聞こえた気がして目を覚ますと見慣れない部屋があった。寝返りをうって仰向けになり天井をみる。
しばらくぼんやりしてから体をおこす。
ここに来る際に持ち込んだ荷物があるのでどうやらここが自室らしいと思いながら伸びをする。
少し周りを見渡すと自室のターミナルがのライトがチカチカ点滅していることに気がつく。
ターミナルをチェックすると2件の新着メールがあった。さっき聞こえたのは着信音だろう。
1つ目はアナグラの管理者からこの部屋の使い方などのメールが届いている。
どうやらこの部屋の鍵は腕輪となっており、認証すればロックが解除されるらしい。
内側からはボタンでロックをかけたり、解除したりできるようだ。
ロックがかかってないときは自動ドアとなると書いてある。
オートロックの設定もできるようだ。
あと部屋にあるものは自由に使えるようだ。キッチンや冷蔵庫、テレビ、お風呂、洗濯機もある。
このままで十分に生活できそうだ。
これがゴッドイーター故の待遇なのかなと思う。
ターミナルの使い方は説明書を見るようにと書いてあるのであとで読むことにする。
2つ目はツバキから今後の予定の連絡が来ていた。
明日は午前中は第六ミーティングルームで講義で、午後からは神機を実際に操作して訓練を行うらしい。
今日はもう自由らしいのでなにをするか考える。
現在の時刻は19時になるところだ。
とりあえず、お腹も空いてきたのでご飯を食べることにする。
といっても来たばかりで部屋にはなにもない。
エリナを案内したときに見たエレベーターの案内板に食堂があったことを思い出し、そこへ向かうことにする。
ボタンを押すとプシューと空気の抜けるような音がしてドアが開く。
どうやらこの階は先ほど来た新人区画のようだ。
新人だから当然だと思いながらエレベーターまで向かう。
エレベーターで食堂まで移動するとちょうど夕食時だからか結構賑わっているようだ。
このご時世なのでさまざまな食材を大量に用意することが難しいため、トウモロコシとパン、魚や野菜のスープぐらいしか食堂では用意できないらしい。個人単位でなら肉や卵、米なども購入できないことはないが先ほどのものと比べると値が張る。
値が張るという理由もあるが、神機使い達は日々の疲れから自分で調理する体力も気力もなく、不本意ながらもこの食堂を利用しているらしい。
ちゃんと食べれるだけ外部居住区の不安定な配給よりはマシだと考えている者も多い。
そんな事情を知らないソウルは、アナグラの食堂っていっても意外としょぼいなと思うが、食べれるだけいいかとスープとパンを頼む。
しばらく待ち、お金を払ってから注文したものを受け取り、空いている席に座る。
「いただきます」
一人でそう呟き右手の腕輪に違和感を感じながらスープを口に運ぶ。
「こ、ここいいですか?」
と女性の声が聞こえたので、ソウルは顔をあげる。するとそこには自分の前の席を指差すカノンがいた。
「あ、カノンさん。もちろんいいですよ」
「あ、ありがとうごさいます」
カノンはお礼をいいながら席に座る。
「だけど何で俺の前なんかに座ることにしたんですか?まだ少ししか話したことないですけど」
「め、迷惑でしたか?」
慌ててカノンはいう。
「そんなことないですよ!!むしろ、こうやって先輩に声かけてもらって嬉しいです」
「そ、そんな…。先輩だなんて…」
カノンは少し照れくさそうにしている。
「あ、それともなんか用事ですか?」
「よ、用事って訳でもないんですけど……」
カノンは少しうつむく。
「どうしたんですか?」
「…さっきソウルさんが今度一緒にミッション行こうっていってくれたのが嬉しかったんです。
えーと…それで、できればもっとお近づきになりたいな…なんて。も、もちろん変な意味ではないですよ⁈」
カノンは顔をあげ、少し涙目で顔を恥ずかしそうに紅潮させながらそういった。身長差から少し上目遣いになる。
ソウルも男なのでその表情や仕草を可愛いと思ってしまう。
しかし、先輩にそんな感情を持ってはいけないと考え、ブレーキをかける。
「そ、そうなんですか。俺もカノンさんとお近づきになれるなら嬉しいです!!」
「な、ならよかったです。嫌だっていわれたらどうしようかと…」
「そんなこという訳じゃないですか」
「ありがとうございます。…はあ、ホッとしたらお腹が空いて来ちゃいました」
「じゃあ、一緒に食べましょう」
「はい、いただきます」
二人は会話をしながら食事をする。
「「ごちそうさまでした」」
二人は食事を終える。
「あ、そういえばお近づきの印にと思って今日の演習が終わった後にソウルさんにクッキー焼いてきたんでした。すっかり忘れてました。これです、食後のデザートにいかがですか?」
天然ぶりを発揮しつつ、クッキーの入った袋を渡す。
「わあ、おいしそうですね!!ありがとうございます。カノンさんって自分でお菓子作りするんですね。あ、せっかくだからいま一緒に食べませんか?」
「ソ、ソウルさんにプレゼントしたんですから一人で食べていいですよ。私が食べたらソウルさんの分が減っちゃいますし」
「こんな貴重なもの一人で食べるのは申し訳ないですよ。それに一緒に食べた方がおいしいですし」
ソウルはクッキーを袋からパンが入っていた皿に広げる。
「ソウルさんがそこまでいうなら私もいただきます」
「じゃあ、俺からいただきますね」
ソウルはクッキーを一枚つまみ口の中に入れる。
カノンはそれを緊張した面持ちで見つめる。
「…どうですか?」
「…すごくおいしいです!!こんなおいしいクッキー初めて食べました。もう毎日食べたいぐらいですよ!!」
「そこまで褒めてもらったのは初めてです!!まあまあ味には評判あるんですけど、ソウルさんの口に合うか不安だったんです。でも、気に入ってもらえてよかったです」
カノンはすごく嬉しそうにいう。
「こんなおいしいもの口に合わない人いないですよ!!」
「そ、そんなに褒めないで下さいよー、恥ずかしいです」
「どんどん褒めますよ。カノンさんも食べて下さいよ」
ソウルは次のクッキーを食べながらいう。
しばらく二人で話しながらクッキーを食べていると、真面目そうな短い銀髪の青年がカノンに声をかける。
「カノンじゃないか」
「あ、ブレンダンさん。いま新人の方と話してたんですよ」
「天星ソウルです。よろしくお願いします」
また銀髪だと思いながら挨拶をする。
「俺はカノンと同じ第二部隊で防衛班のブレンダン・バーテルだ。よろしく頼む。新型の新人か?」
「はい、一応」
ソウルは未だに新型の意味を分かっていない。
「そうか。配属される部隊はまだ決まらないのか?」
「はい。多分訓練が終わったあと決まるんじゃないですか?」
「うちの部隊にきてくれるといいですねー」
「そうだな。だが、現実的に考えて新型は第一部隊だろうな。最近人材も不足しているようだしな」
「ですよね。どうにかソウルくんが来てくれたら嬉しいんですが…」
「あの、第一部隊ってなんですか?」
「ああ、そのうち講義で説明があると思うがアナグラ唯一の討伐部隊だ。あそこはアナグラの中でも優秀な人材が集まるところだ。
俺などでは到底足元に及ばない」
「そうなんですか。絶対俺じゃそんなところは無理ですよ」
「ソウルさんならきっと大丈夫ですよ」
「それは訓練次第だ。
俺はそろそろいくぞ。この後、今日の演習の反省をしなくてはならないからな。今日はさんざんだった」
「こっちもさんざんでしたよ。私達もそろそろ行きますか?」
「そうですね。クッキーも食べ終わりましたし」
「よかったらまた作ってきますよ?」
またおいしそうに食べるソウルの顔を見たいと思いながらカノンはいう。
「いいんですか?ありがとうございます!!」
「じゃあ、行くぞ」
3人は食器を片付けエレベーターへと乗り込み、新人区画で降りる。
「じゃあな」
「はい、さようなら」
ソウルはお辞儀をする。
「明日からもよろしくお願いしますねー」
ブレンダンは足早に自分の部屋へ向かって行く。
「カノンさん、今日はクッキーありがとうございました」
「とんでもないです、欲しいときはいつでもいって下さい」
「ほんとにありがとうございます。ではそろそろ行きますね」
「さようなら」
「はい、さようなら」
エレベーターの前で別れの挨拶をしてカノンとソウルはお互い反対方向に向かう。
しかし、カノンはソウルと同じ方向へと戻ってくる。
「あれ、どうしたんですか?カノンさん」
「私もこっち側でした。…えへへ」
またもカノンの天然ぶりが発揮される。
ソウルはまた少し可愛いなと思ってしまう。
「…そうだったんですか」
「あ、私はここです。今度こそさようなら」
「さようなら」
ソウルは少しお辞儀をして自室へと歩きだす。
自室に戻るともう20時を回っている。
寝るにはまだ早いと思い、ターミナルの取り扱い説明書を読むことにする。
ターミナルの機能はメール、アイテム、装備、バレット、データベースの項目に分かれている。
メールはアナグラ内の神機使いや整備士などの職員には全員送れるようになっている。外部にメールをする場合は登録が必要となる。
基本的には連絡事項を伝えるのに使うものである。
アイテムの項目では所持品の売却などの倉庫の管理を行うことができる。所持品を倉庫に預けたり、倉庫から引き出したりするときには神機保管庫でできるようになっている。
ターミナルからミッション前などに先に発注しておけばスムーズな受け渡しが可能となる。
装備の項目ではメンテナンスの状況や神機の状態をチェックすることができる。また強化の依頼もできる。
バレットの項目ではミッションに持ち込むバレットの設定やバレットエイデットができる。
データベースの項目では各種アラガミの特徴や性質、神機使いの階級や評価、経歴などを閲覧できるほか、神機によって付与されるスキルやアラガミや薬品などによって引き起こされる状態変化、その他用語の説明が載っている辞書のようなものも搭載されている。
また、各室のターミナルにはアーカイブ内に旧時代の映像作品などが保存されていてある程度自由に閲覧でき、神機使いの娯楽となっている。
これら以外にもいろいろ書いてある説明書を読み終わり時計を見ると30分も経っていることに気づく。
明日から大変だろうから少し早めに寝ようと思い、風呂に入って部屋の電気を消し、ベッドに入る。
明日からの本格的なゴッドイーターとしての生活に少し期待と不安を持ちながら眠りについた。
なんか第二部隊の人ばっかり出てきますね。
でも、ソウルくんはちゃんと第一部隊に入る予定です。
ちなみにヒロインはまだ決まってません。
それにソウルくんを誰かとくっつけること自体も決まってませんf^_^;)
今回は設定の解説が多くなってしまってすみませんm(_ _)m
つぎの講義回でもかなりそれが多くなってしまうと思います。
物語が進んできたらもっと少なくなってくるので、それまでついてきてもらえると嬉しいです^_^