途中でサウンドトラック収録されていたエリックとソーマの出会いの華麗なるアレンジ(?)バージョンが入ります(笑)
ソウルはサクヤとのミッションを終え、夜も更けてきたので、自室のターミナルでメールのチェックをしていた。
1件目はコウタからである。
『件名:聞いてくれよー
本文:オレの初陣、ソーマって人と一緒にいったんだけどさ、オレが何回も話しかけてるのにほとんど無視するんだよ!!それに、俺の名前は覚えなくいいとか、俺に関わるなとかいってカッコつけてるのかって感じでさ。俺が撃つ前にアラガミ倒しちゃうし、散々だったよ。
あとな、その後第三部隊のシュンとカレルって人と任務にいったんだけど、今度は金とか報酬とかうるさいんだよ!!オレが新人だからってからかってくるし。
あーもう疲れたよ。ふて寝だふて寝!!おやすみー』
一方的なグチに笑うソウル。
『件名:お疲れ様ー
本文:なんか大変だったみたいだね(笑)
こっちは順調に任務こなせたよ!!
じゃあ、おやすみ。』
と返信しておく。
2件目はリンドウからだ
『件名:明日の連絡だ
本文:面倒だが、やっておかないと姉上に叱られそうなのでメールした。
明日は朝からソーマとエリックと一緒に任務へ行ってもらう。任務内容はまだ未定だ。まっ、アラガミの気分次第ってとこだな。
話は変わるが、今日の任務上出来だったぞ。タツミもお前さんを褒めてた。
まあ、明日も死なずに帰っててこいよ。』
面倒だといいつつもしっかり仕事をするリンドウにいい隊長だなと思うソウルであった。
『件名:了解しました。
本文:明日からも頑張ります!!』
と返信する。
3件目はカノンからのメールだ。
『件名:ありがとうございました。
本文:今日はミッションに誘ってくれてすごく嬉しかったです!!
今度お礼に新作のお菓子を持っていきますね♪
またミッションに誘って下さいね!!』
『件名:こちらこそありがとうございました。
本文:カノン先輩にミッションについてきてもらえて助かりました。
お菓子楽しみにしていますね!!
また一緒にミッションへ行きましょうね!!おやすみなさい。』
またあのカノン先輩を見ることになるのかなと思うソウル。
他にはよろず屋からの宣伝メールなどがきていた。
メールのチェックも終わり眠くなってきたのでソウルは風呂に入ってから眠りにつく。
*
翌日、ソウルはさっそくソーマとエリックとのミッションへ出る。今回は鉄塔の森でオウガテイルとコクーンメイデンの合計4体の討伐となっている。
先に他のミッションがあったソーマとエリックは作戦エリア内で待機しているので、ソウルはヘリから1人で合流場所へ向かう。
しばらくすると2つの人影が見えてくる。向こうも近づいてくる人影に気付いたらしく赤い髪をした男性がソウルのもとへ駆け寄ってくる。
「君が例の新人君かい?噂は聞いているよ」
「天星ソウルです、よろしくお願いします」
「僕はエリック、エリック・デア=フォーゲルヴァイデだ。
君も華麗なる僕を見習って神機使いとして人類のために華麗に戦ってくれたまえ」
「もしかして、エリックさんってエリナちゃんのお兄さんですか?」
「なぜ妹のエリナのことを知っているんだい?」
「エリナちゃんが迷子になっていたみたいなので声をかけたんですよ」
「そういえば、エリナが黒髪のお兄ちゃんに助けられたといっていたな。君のことだったのか。
ソウル君だったね?礼をいっておくよ」
「困ったときはお互い様ですよ。
そのときエリナちゃんがお兄ちゃんはすごくカッコ良くて強い神機使いだっていってたから会ってみたかったんです!!」
「そうか、エリナがそんなことをいっていたのか。では、妹を助けてくれたお礼に僕の華麗なる伝説を聞かせてあげようじゃないか!!」
「ありがとうございます!!」
エリックは赤い髪をかきあげながらいう。
「君が来る前はサリエルと華麗なる戦闘を繰り広げていてね。華麗なる僕が……」
離れたところでさっきはほとんどなんもしてなかっただろと呆れているソーマに対して、ソウルは目をキラキラと輝かせて話を聞いている。
「どうだい?華麗なる僕の華麗なる伝説、感動したかい?」
「はい!!すごいです、エリックさ……っ⁈」
「エリック、上だ!!」
ソーマが叫びながら駆け出す。
それとほぼ同時に高台からオウガテイルがエリックの背後へ目がけて飛びかかる。
「ひえっ⁈うわああぁぁぁ!!」
不意を突かれて吹き飛ばされるエリック。
しかし、吹き飛ばしたのはオウガテイルではなくソウルだった。
「エリックさん!!大丈夫ですか⁈」
ソウルは装甲でオウガテイルの牙を受け止めながらいう。
そこへ駆け寄ってきたソーマがバスターブレードの重い一撃でオウガテイルを一撃で沈める。
「ごめんなさい、エリックさん。手荒い真似をしてしまって」
ソウルはエリックに手を伸ばしつついう。
ソーマは周りを警戒している。
「い、いや、大丈夫だよ。もし君が突き飛ばしてくれなかったら僕は既に喰われていたよ。本当にありがとう」
エリックはソウルの手をとり立ち上がる。
「当たり前のことをしただけですよ。もう誰かが犠牲になるのは嫌ですから…。それにエリックさんが死んだらエリナちゃんが悲しみます。
「そうだな。僕はまだ死ぬ訳にはいかない、エリナのためにも。
しかし、兄弟揃って君に助けられてしまったようだね」
「お前ら、油断しすぎだ」
ソーマが少し警戒を緩め、オウガテイルを捕喰しながらいう。
「本当に悪かったよ。これからは気をつけるさ」
「すみません。でも、ありがとうございました、ソーマさん」
「…お前、俺の名前を知っているのか」
「サクヤさんから聞きました」
「余計なことを…。今回は運がよかったが、死にたくなかったら俺に関わるな。
さっさと終わらせるぞ」
ソーマは神機を担いで歩いていく。
「彼はああ見えていいやつなんだ、少し不器用なのだけどね。仲良くしてやってくれ」
「はい!!でも、それサクヤさんもいってましたよ」
「そうか、第一部隊のみんなも彼のことをわかっているんだな。まあ、2年もの間友情を築いた華麗なる僕には遠く及ばないがね。彼との華麗なる友情の物語はまたいずれ話そう」
さっきまでの調子に戻り、髪をかきあげながらいう。
「エリックさん、上!!」
「ひ、ひいぃぃ!!」
エリックは屈んで頭を押さえる。
「冗談ですよ。ちゃんと警戒して下さいね?」
「お、おどかさないでくれよ!!」
ソウルはお得意のニヤニヤ顏でいう。
「おい、お前らさっさとしろ」
ソーマの呼びかけに2人は慌てて走っていく。
____
___
__
「エリック、上だ!!」
「ひぇっ?!うわああぁぁぁ!!」
『僕はエリック、エリック・デア=フォーゲルヴァイデ。誰もが認める極東最強の華麗なる神機使いさ。
ああ、ちなみに先ほど僕の名前を呼んだ彼はソーマ。
天才の僕が唯一相棒として認めてやっている、そこそこ優秀な神機使いだ。彼との出会いは半年前、食堂で1人侘しく食事をしている彼にこの僕から声をかけてやったのさ』
***
「やあ、君がソーマ・シックザールだな」
「誰だ、お前」
「僕はエリック、エリック・デア=フォーゲルヴァイデ。誰もが認める欧州No.1の神機使いだ。この度、ここ極東支部に転属となった。よろしく頼む」
エリックはその赤い髪をかきあげながらいう。
「ふん、そうかい」
ソーマは関心がなさそうに返事をする。
「ところで、フォークやナイフはどこにあるのかね?食事をしたいのだが見当たらないのだ。箸にはまだ慣れなくてね」
「………」
ソーマは無視して食事を続ける。
「ふぅん、なるほど。聞きしに勝る無愛想だ」
エリックはソーマの向かいの席に座る。
「なんでも君と組みたがる神機使いはいないらしいじゃないか。
どうやら君は他の神機使いから相当嫌われているようだ」
「…かもな」
「なんでも死神と呼ばれているらしいじゃないか。だが、安心したまえ!!今日から君を華麗なる僕の相棒にしてやろう!!」
大袈裟に手を振りながらしゃべる
エリック。
「なに?」
「いや、なに。華麗な天才の孤独というやつでね。僕の腕前と釣り合う神機使いはなかなかいないのだよ。
だが、その点君はそれなりの腕前らしいじゃないか。それに僕のような華麗な天才と死神のコンビとはなかなか粋じゃないか!!」
「やめとけ」
ソーマは冷ややかに断る。
「なぁに、心配する必要はない。君の至らない部分は僕が華麗にフォローしてやる」
エリックは自信たっぷりに言い切る。
「やめとけといっている。俺と関わるとろくなことにならねぇぞ」
「ふふふ、天才の僕を見くびってもらっては困る。僕はエリック・デア=フォーゲルヴァイデ。フェンリルに対して大きな影響力を持つあのフォーゲルヴァイデ財閥の御曹司だ。それだけじゃない見たまえこの麗しいルックス!!」
テンションが上がり過ぎて声が軽く裏返っている。
「極東支部に来てまだ間もないというのにアナグラの女性陣は早くもみんな僕に夢中だ。中でもオペレーターの竹田ヒバリ嬢!!彼女が僕に向けてくる熱い視線。はあぁ、全く罪つくりだよ、僕という男は」
遠くからタツミに睨まれていることにも気がつかないで意気揚々と話し続ける。
「だからなんだ?」
「つまりだ、それくらい恵まれた僕の華麗な人生が君に関わったことくらいで変わることはないだろ?
そういうことだよ」
「ふっ、こんなくそったれな職場に来てる時点で華麗でもなんでもねぇよ」
ソーマは呆れて少し笑いながらいう。
「まあ、確かに父を始め、周囲には猛反発されたよ。僕のように家柄もルックスも申し分のない、将来を約束された男が熾烈な戦いの続く極東なんかに行く必要はないってね。でも僕にはそれ以外の選択肢はなかったのさ」
先ほどとは異なり少しまじめな声になっている。
「…それはどういう意味だ?」
「僕には妹がいる。エリナといってね。綺麗な緑がかった銀色の髪のかわいらしい子だ。
まあ、僕と血を分けているのだから当然だが。ちなみになぜ我がフォーゲルヴァイデ家の者がみな、こんなに華麗なルックスなのかというと… 」
「脱線してるぞ」
エリックがもとの調子に戻りそうになるのをソーマが遮る。
「おっと、エリナの話だな。彼女は欧州の空気が体に合わなくてね、咳の発作が出でしまうんだよ。それで2年前から極東に住む叔母のもとで暮らし始めたのさ。だが毎日のように手紙を寄越してくる。
『この辺りのアラガミは欧州より凶暴だ。いつ襲われるかもわからない』
とね」
またまじめな口調に戻り話すエリック。
「欧州でも極東でもアラガミは凶暴だ」
「そうだな。つまりエリナはこういいたかったんだ。
『さみしい、さみしくてたまらない、ひとりぼっちは悲しくて怖い』
可愛い妹にそこまで言われてしまっては、のうのうと財閥の御曹司をやっている訳にはいかんだろ?
それで僕は神機使いの適性試験を受けて2年経ってようやく妹の近くに来られたという訳だ。華麗だろ?」
「欧州のことは知らないが、この辺りが危険な場所なのは事実だ。いつ死んだっておかしくはない」
エリックは今までで一番まじめなな顏で話し始める。
「そうだな。例えそうなったとしてもそれまでに僕は何体もアラガミを殺すだろうし、そうすればエリナの恐怖も少しは紛れるかもしれない。それはそれで華麗なことだと思わないかい?」
「…かも、な」
「まあ、それ以前に僕は死なないよ、華麗だからね!!」
またもとの調子に戻り大袈裟にいう。
「右の棚の上の引き出しだ」
「え?」
「フォークとナイフだ。予備が置いてある」
「おっそうか、ありがとう」
エリックは口元を緩め、フォークとナイフをとりに席を立つ。
***
『そうやって友情の絆を結んだソーマが僕に向かって必死に叫んでいる』
「エリック、上だ!!」
「ひぇっ⁈、うわああぁぁぁ!!」
『ゴンッ』
「いたっ!!」
「な、なに?金だらい?」
「あー、大丈夫ですか?」
上からヒバリが覗き込んでいる。
「ヒバリか。何でお前こんなものを?」
「サカキ博士に頼まれたんです、足湯したいからたらいを持ってきてくれって。それをうっかり落としちゃって」
「うっかりすぎだ」
「とにかく、ごめんなさい。大丈夫でしたか?そちらの赤い髪の方」
エリックはいまだに痛みを悶えている。
「おい、エリック。半年経つのにまだ名前を知られてなかったらしいぞ」
「ぼ、僕はエリック、エリック・デア=フォーゲルヴァイデ…か、華麗なる極東最強の神機つか…」
ガクッとエリックは倒れる。
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___
____
ソウル達はそのあと残りのオウガテイルとコクーンメイデンを討伐し終え、無事に帰還する。
「ソウル君、今日は助けてくれてほんとにありがとう。この恩はいつか必ず返すよ」
「大丈夫ですよ。エリナちゃんのこと大切にしてあげて下さいね!!」
「ありがとう。君にも家族はいるのかい?」
「はい、母親と弟が1人」
「そうか。君も家族は大切にしたまえよ」
父親のことは聞かない方がいいだろう。
「わかってますよ!!」
「なら、いいんだ。じゃあ、僕はそろそろ行くよ」
「はい、また今度!!」
神機使いの生活にも慣れてきたし、母さん達もそろそろ極東にも慣れてきただろうから連絡でもとってみようかと思うソウルだった。
エリックとソーマの出会いは番外編にしようかと思いましたが、あのシーンだけではエリックがただのヘタレになるので今回入れました!!
エリックの発言からすると4年近くは神機使いやってるんですよね……
なんかいまいちソウルくんの個性が薄いですよねー(ーー;)
ちなみによくニヤニヤするのは最初にいったソウルくんのフェイスの設定がなんかニヤニヤしているように見えたからです(笑)
あ、あと家族のことが少し明らかになりましたね。
次回はもうちょっとわかるかと思います。
でも新年度に入って忙しくなりそうなので更新が遅くなるかもしれません(>人<;)