ただ、この感じだと小説7巻までは行かないかな?
とりあえず、第一部はリムルが魔王になるところ、上手くいけばヴェルドラ復活まで行って、第二部でクレイマンとの決戦ですかね。
個人的には3期とか4期とか劇場版とか作って、11巻まではアニメでやって欲しいですね。
なんとかして、シードル辺境伯を倒すことができた。
正直言って、マジで俺より強かっただろう。
この土壇場で聖人へと覚醒してなければ、殺られてたのは俺の方だ。
それにしてもヤバいな、
そして、今なら分かる。叔父さんやミリムさんの桁違いな戦闘力はこの
今までのユニークスキルとは性能の次元が違う。エネルギー量が桁違いだった
さて、どうでもいい思考を終わらせよう。
そろそろ戻ってヒナタさんや叔父さんを手伝わなければ!
戻っている最中、大聖堂前から凄まじい熱線が上がる。
発生源は地中奥深くからのようだ。
大聖堂前へと戻ると、1人の美少女がヒナタさんと戦闘中のグランベルと対面していた。
ゴスロリ系の漆黒のドレスを身に纏い、美しい銀髪を持った
そして何より、解析しなくても分かる程の凄まじい覇気を放ち、絶大なエネルギー量を持っている。多分、叔父さんと同等だろう。
彼女こそがこの地の真の主であり“
そして、怒る彼女の腕にはマリアと呼ばれた女性が抱えられている。
「クックック、流石はルミナス様です。私の
「痴れ者が! 紛い物の力を意志なき人形にどれだけ注ぎ込もうと本物には敵わぬ。お主なら百も承知であろう!」
「勿論、存じておりますとも」
他にも、美女と見まごうかというほどの
こちらからもエゲツない力を感じる。間違いなく魔王級の実力者だ。
「強いな。元勇者というのは伊達では無いようだ」
「ああ。アレはちょっと予想以上だ」
『魔力感知』が進化した『万能感知』を介してそんなやり取りが聞こえた。
多分、敵対しているのではなく何かしらの理由で戦っている演技をしているのだろう。
ルミナス様とグランベルの方へと視線を戻す。
「ならば、貴様は何故このような事を。マリアを死後も貶めるような真似をしたのじゃ⁉︎」
「必要だったからです。今、この時のために」
グランベルは左手の手袋を脱いだ。
掌に刻まれた謎の文様が輝きを放つ。
そして、それに呼応するようにマリアの亡骸も輝きはじめ、光の粒子となって、グランベルへと流れ込んだ。
叔父さんや金髪の誰かさんも演技をやめて状況に見入っている。
光が収まると、グランベルの身体には力が漲った。
単にエネルギーが上昇しただけでなく、細胞が活性化し、若々しさを取り戻している。
そこに顕現したのは、往年の“勇者”グランベル・ロッゾだった。
「貴様は妾の与えた
激昂するルミナス様の言葉にグランベルは頷いた。
「ルミナス様……いや、ルミナスよ。貴女との決着がまだだったな。それを果たすまでは死なないのだ。マリアベルが死んだ今、ワシの野望は潰えた。だが、それでも望まずにはいられないのだよ!」
「貴様!」
「私を舐めるな!」
グランベルに向けて、ルミナス様とヒナタさんが同時に返事する。
グランベルはヒナタさんへと振り向いた。
「そうだったな、ヒナタよ。お前への指導も残っておった。お前はワシが手掛けた弟子の中でも最高の才能を持っておる。その上、強い向上心を持ち、自己研鑽を怠らない。素晴らしく優秀じゃと褒めて良い。だがしかし 」
グランベルが剣を振り抜く。
凄まじい威力を持った閃光の斬撃『
「嘘でしょ? 呪文の詠唱無しに霊子を操ったとでもいうの⁉︎」
「ヒナタよ、お前がそれだけの才覚を有して何故勇者になれぬのかワシは疑問だった。才能や努力だけでなく、精霊にも愛されていなければ勇者たる資格は得られない。だが、お前は才覚だけでなく精霊にも愛されておった。それなのに……」
「残念だったわね。精霊に愛されていようが、なれないものにはなれないのよ」
「貴様が勇者として覚醒すれば、ワシの野望にも役立てるだろう。それ故に助言してやる。お前は心に闇を抱え込み、光の精霊を拒んだのだろう? 近しい者を殺しでもしたか?」
「黙れ‼︎」
ヒナタさんは激昂する。
グランベルに心の傷を抉られたのが原因のようだ。
甲高い音を立てて剣と剣がぶつかり合うが、グランベルは微動だにせず、ヒナタさんの方が吹き飛ばされる。
今の俺ならばヒナタさん相手でも余裕で勝てると思うが、ヒナタさんを子供扱い出来るほどでは無い。
だがしかし、グランベルはそれを目の前でやってのけている。目を疑う光景だ。
「闇を克服するのだ。闇とは、自分の心が生み出した幻影に過ぎない。過去の自分を許容し、今の自分を誇れ。そうすればお前も光を受け入れられる筈だ」
「黙れと言っている‼︎」
「ああ、残念だよ、ヒナタ。もっと時間があれば、お前を導けてやれたのだがな。理解できぬのなら、現実をもって体感するがいい。守りたいものを守れぬようでは、世界を救うなど夢のまた夢だという事を」
その瞬間、とんでもない未来が『
グランベルのクソ野郎め!
「クロエ、逃げろ‼︎」
俺が叫ぶと同時に、その一撃は放たれた。
ほぼ光速でクロエに向かって光の噴流が進み行く。
その瞬間、動いたのはヒナタさんだ。
何の迷いも見せずにクロエとグランベルの射線上に割り込んで、
胸を貫かれたヒナタさんは、そのまま吐血しながら倒れ込む。
だが、光の噴流は少しばかり威力を落としただけで、そのままクロエへと迫る。
次に、100人ほどいる悪魔の護衛部隊の隊長 ヴェノムが動く。
「グハッ! 痛ってぇ‼︎」
こちらは元気そうだ。悪魔だからだろうか?
いや、そんな事はどうでもいい。
2人が立ちはだかったというのに、
このままではクロエが!
そう思った時にクロエの目の前に現れたのは、
叔父さんに直撃すると同時に光の噴流は霧散した。
「え、リムル先生? ヒナタ……お姉ちゃん?」
「ヒナタ、無事か⁉︎」
ルミナス様がヒナタさんへと駆け寄っている。
「ヒナタお姉ちゃん、死んじゃダメェ‼︎」
「クロエ、ストップ!」
止める暇も無くクロエが走り出す。
他の子供達もそれに続こうとしたのを慌てて叔父さんが麻痺ガスを撒いて眠らせる。
ヴェノムの方へは
俺も気付いた時にはヒナタさんへと駆け寄っていた。
「クロエだと⁉︎ 本当に、クロエなのか⁉︎」
「おい、ルミナス!」
そう叔父さんが話し掛ける。
「黙れ! 霊子の浸食が早い、早過ぎるのじゃ!」
その時、ヒナタさんの目がうっすらと開いた。
「よ、良し! ヒナタよ、そのまま意識をしっかり保つのじゃ!」
「い、いえ、ルミナス……様。わ、私は……コフッ」
ヤバい、このままではヒナタさんが……!
肉体はほとんど修復されているのに、ヒナタさんはどんどん衰弱していく。
とんでもなくグランベルの技が厄介という事だろう。
「ク……クロエ、貴女が無事で……良かったわ」
吐血しながらも鋼のような意志でヒナタさんは起き上がろうとする。
そして、震える手をクロエへと差し出した。
手に握られているのは
解析してみると、どちらも
「貴女に、預けるわ。ま、まだ……師匠らしい事、何も……出来なかったけれど、貴女なら、私を……超えられるから……」
掠れるような声だったけれど、それは泣きじゃくるクロエへと確かに届いた。
「ヒナタ……お姉ちゃん……」
恐る恐る、クロエはヒナタさんへと触れた。
直後、ヒナタさんの身体が輝き、その光がクロエへと流れ込んでいくように見えた。
どういう事だ?
誰もこの事に反応していない。
それに、思考加速を使用してる訳でもないのに、まるで周囲の時が止まっているようにしか感じない。
というか、本当に止まっている⁉︎
「う、嘘でしょ⁉︎ こんなの知らない! 何で、早過ぎるじゃない‼︎」
クロエがそう叫ぶ。
そして、クロエへと呼びかけようとした瞬間、その場からクロエの姿が掻き消えた。
まるで、そこに初めから居なかったかの様に。
一体何が……?
そんな事を気にせず、ルミナス様はヒナタさんへと
だが、全くもって効果が無い。
「何故じゃ? 死んでから幾ばくも経っておらぬのに……」
この人の力をもってしても蘇生できない……
クロエの消滅にヒナタさんの死。
もう、思考が纏まらず放心状態になりかけた時だった。
「ククク、そう悲しまないで欲しいな、ルミナス。全てはワシの狙い通り、最後の計画は実に順調なのだから」
そんな中、グランベルだけ楽しそうに笑っている。
「許さぬ、絶対に許さん! 貴様は八つ裂きにしてくれる‼︎」
周囲にはルミナス様の怒りが撒き散らされる。
そして、静かに、確実に大きな力の結晶体が創り出されたのが僅かながらに見えた。
「今さらどうでも良い! 今となってはもう遅い、遅すぎる……。こんな肝心な時に役に立たぬなど、妾にとってはどうでもいい力なのじゃぁ‼︎」
そして、憎悪をもってグランベルを睨みつける。
「
そんな絶叫を聞いて、目を覚ました。
切り替えるために、一呼吸おく。
クロエの事や、ヒナタさんの死の事は今は後回しだ。とにかく、今は敵を倒す事に集中しなければならないのだ。
切り替えると同時に、大聖堂が大爆発を引き起こす。
そして、爆心から発せられているとても異様で巨大な
爆煙が晴れると、とんでもない美少女が目に入った。
一糸纏わぬ姿で、静かに佇んでいる。
見惚れそうなまでに美しい姿だったが、俺は
「ゆ、ユウキさん……? なんで……」
ユウキさんへと罵声を飛ばすのはルミナス様だ。
「貴様か、妾の聖櫃を奪い、
「やっぱりお前が絡んでいたのか……」
「チェ、バレてたのか。まあ、それならそれで好都合だね」
ユウキさんは怒気のこもった叔父さんの質問に対して、悪びれるわけでもなく飄々と言い放った。
どうやら、こっちが本性のようだ。
信じていたのに……。
正直言って、今すぐ泣きたいくらいだ。
「貴女がルミナスかい? 僕は
「黙れ! どうやってクロノアの封印を解いた⁉︎」
「その質問だけど、僕は『
「ほう、自らタネ明かしとは豪気なことよな」
「まあね。そこのリムルさんやアユム君には知られているから、隠す意味なんて無いのさ」
ルミナス様への回答も飄々としたものだった。
それを見ていると、だんだん悲しみ以上に怒りが沸々と湧き上がってくる。
今にも斬りかかりたいくらいだ。
「まあ、そんな事より僕も聞きたい事があってね。貴女ではなく、そっちのグランベルさんになんだけど」
「クックック、想像はつくが言ってみろ」
「聖櫃に封じられていた“勇者”だけど、制御どころじゃなかったぜ。一体どういう事なんだ?」
は、勇者?
あの少女が勇者?
ただでさえ混乱している脳みそに衝撃的な単語が入ってきた。
余計に混乱してきたぞ。
魔王が勇者を封印するとか意味が分からない。
「当然じゃ! あれは“勇者”であって勇者ではない。今の彼女はクロノアと名付けられた邪悪の化身とも言うべきものなのじゃ!」
ユウキさん いや、ユウキの質問に答えたのはルミナス様だ。
その声は激しい怒りと焦燥がない混ぜになったものだった。
邪悪の化身クロノア、か。
やはりとんでもなく危険な存在らしい。
「大義であったぞ、ユウキ。聖櫃の封印はワシでも破れなかった。故に貴様を利用したのだ。封印から解かれた彼女ならば、何者にも負けはせぬ。全員ここで死ぬがいい‼︎」
グランベルは哄笑しながらそう叫ぶ。
腹は立つが、親切な人だ。全部喋ってくれたおかげで冷静になれたよ。
状況は、相変わらず最悪だけど……。
「やれやれ、化かし合いで負けるとはね」
ユウキがそうぼやく。
そろそろ膠着状態は終わる。
クロノアが軽く頭を振り、その目が開かれる。
そこから大混戦の幕開けとなった。