転移高校生は転生魔王の甥っ子だった件   作:Many56

13 / 28
ガルパン最終章第3話観てきました!
メチャ面白かったです! やっぱりガルパンはいいぞ!
大洗VS知波単の戦闘シーン最高! 
あと、エリカさんなりの戦車道のシーンも良かった。まさかプラウダVS黒森峰があんな決着になるとは……!
そして、継続が色んな意味で怖い……!
そして最後に……
あんこうチームがッ‼︎

さて、会談エピソード2話目です。
それでは、楽しんで下さい! Panzer vor(パンツァー・フォー)‼︎


第11話 魔王会談(中編)

 

 

 

『万能感知』がとんでもない何かが転移して来たのを捉えた。

敵意なんかは感じ取れないが、マジでヤバいとしか言いようが無い。

一見、大した事無いように見える。

エネルギー量は魔王種程度で、しかも妖気(オーラ)の波長にムラがある。

つまり、一見すると未熟者であるという事だ。

が、『学術之王(ラジエル)』の解析では欺瞞(ダミー)だと分かる。

外に出している情報だけでも解析能力を持っている大概の奴をビビらせる事ができる。

にも関わらず、この人物にとってはこのレベルは雑魚という感覚なのだろう。

本当の実力は、遥か上の次元であると見て取れる。

 

「それじゃあ、会議はこれで   

 

「お待ち下さいませ! 今はお客様がお見えになっており、重要な会議の最中なのです」

 

シュナさんの声だ。

急に来たヤバそうな人物を止めている。

 

「オレに気付くとは大したモンだが、せっかく来てやったんだからちょっとばかし挨拶させてもらうぜ」

 

やって来たとんでも人物は、メチャクチャ尊大な態度で廊下を歩いてくる。

すると、ディアブロが不愉快そうな顔をして扉へと向かった。

 

ガチャッ

 

「よお!」

 

「帰れ!」

 

パタン

 

「「「………」」」

 

なんというか、吉○新喜劇でありそうな展開だった。

あまりにもな出来事に、その場にいた全員がフリーズした。

そして再び扉が開く。

 

「オイオイ、そりゃあねぇだろうディアブロ」

 

「チッ、重要な会議の邪魔です。昨日の今日で、まだ準備すらできていません。貴方とはゆっくり語り合いたいので、招待するまで来ないで下さい」

 

ディアブロはヤバそうな赤髪さんに対して、言葉遣いは丁寧だが、スゲェ強気に出ている。

あの感じだと知り合いみたいだな。

因みに、これに対してルミナス様やレオンさん、叔父さんも驚いている。

 

「信じられん。ギィ相手に一歩も引かぬとは、流石は原初の黒(ノワール)だな」

 

原初の黒(ノワール)だと⁉︎ 何故そんな大物がリムルの配下に⁉︎」

 

どうやらヤバそうな赤髪さんが魔王ギィらしい。通りでヤバい気配がした訳だ。

そして、もっと不穏な単語が聞こえたぞ……!

原初の黒(ノワール)ってアレだよね? 7(にん)いる始まりの悪魔の内の1人だよね?

とりあえず、叔父さん(KONOBAKA)を問い詰めよう。

と思ったら更に新たな人物が乱入して来た。

 

「リムル様、無事ですか⁉︎ 今、妹から   

 

「我が君、“赤”の気配を感じたんだが!」

 

「戦争なの? やるならボク頑張っちゃうよ!」

 

入って来たのはベニマルさん、ソウエイ、後は最近配下になったという3人娘の内の2人だ。

確か、カレラとウルティマだっけ?

 

「皆、落ち着け。ディアブロも控えるように!」

 

とりあえず叔父さんが、騒いでいた者達を大人しくさせる。

 

「予定には無かったけど、ギィにも話があったから丁度いい。せっかく来てくれたんだから、このまま会談に参加してもらおう」

 

「ああ、オレもお前に聞きたい事があったからな」

 

「って事だから心配ない。何かあったら呼ぶから、仕事に戻ってくれ」

 

叔父さんはそう言ってやって来た者達を撤収させた。

シュナさんがお茶を入れに退室した後だった。

 

「おい、リムル。どうしてここに原初の黄(ジョーヌ)がいるんだ?」

 

「もう1人は原初の紫(ヴィオレ)だったように思うのじゃが、妾の気のせいか? もっと陰気で陰湿な性格だと聞いておった故、自信がないのだが……」

 

レオンさんとルミナス様が質問して来た。

もしかして2人は“原初”なの⁉︎

いや、待てよ。

確か叔父さんは3人って言っていた。その内の2人が“原初”なら、外交武官に就任して、現在“西方諸国評議会(カウンシル・オブ・ウェスト)”に出向しているというテスタロッサも“原初”と考えられる。

って事はアレか? 叔父さん(KONOBAKA)は7(にん)いる“原初”の内の4(にん)を配下に加えたって事⁉︎

 

「もしかして、カレラやウルティマの事か? 彼女達ならディアブロが勧誘してきたんだけど、中々優秀で   

 

「まさか、貴様はあの者達に“名前”を付けたのか⁉︎」

 

「信じられん。ディアブロだけでは無いとは……!」

 

レオンさんやルミナス様が驚愕している。

だって俺もそうだもん。

 

「ね、ねえ叔父さん。俺の計算が正しければ、アンタ7(にん)いる“原初”の内の4(にん)を配下に加えてるって事なんだけど、間違いだよね? ていうか、間違いって言ってくれ」

 

「ん、“原初”? “原初”って確か始まりの悪魔と定義されている者達の事……って始まりの悪魔っ⁉︎ ディアブロ、もしかしてお前って始まりの悪魔の1柱(ひとり)だったりするのか⁉︎」

 

まさか……知らなかったのか?

知らずに配下に加えていたのか?

レオンさんやルミナス様も、俺と全く同じ反応だ。

 

「まあ、そうですね。確かに私は、この世界に誕生した、7系統の悪魔族の1柱です。ウルティマやカレラ、テスタロッサも私と同格の原初ですね」

 

ディアブロが事なげに答えた。

そして、これで確定である。

間違いなく、この人は“原初”を4(にん)従えている。

しかも、それを本人が知らなかったと来た。

抜けすぎにも程がある。

そして、驚いている俺達をよそに、ディアブロの話は続く。

何でも、ディアブロは叔父さんの運命の人であるシズさんと縁があり、彼女の最期を感じた時に叔父さんと一方的な出会いをしたのだと。

更に話を続けようとするディアブロを、叔父さんが止めた。

 

「ディ、ディアブロ! そこら辺で終わらせろ。そろそろ会議を再開するから」

 

「それよりもよ、ここにディーノも来ているだろう? 呼んできてくれねーか?」

 

そういえば、叔父さんから来ているって聞いたな。

 

「それでは、私がディーノ様を呼んで参ります」

 

退出のタイミングを失くしていたシュナさんがお辞儀をして去って行った。

 

「これからがいい所なのですが……」

 

まだまだ語りたそうにしているディアブロだったが、全員でスルーした。

とりあえず、シオンとディアブロがすべき事をやっていないから、それを代わりにやろう。

 

「どこ行くんだ?」

 

叔父さんが尋ねてくる。

 

「魔王ギィさんにも椅子が必要でしょ?」

 

「おう、気がきくじゃねえか」

 

という訳で、隣の部屋から一つ椅子を取って来た。

同時にシュナさんが魔王ディーノを連れてくる。

何故かラミリスさんも来ていた。

 

「さて、ディーノよ。言い訳を聞こうか」

 

「言い訳って何の?」

 

「ふっざけんなよ! 何でコイツが、あの3(にん)に名付けするのを止めなかったんだ⁉︎」

 

「えっと、それは……」

 

「お前を何のためにここへと送り込んだと思っている?」

 

「……観光?」

 

「んな訳あるか! 偵察だよ、偵察!」

 

へえ、そうだったんだ。

でも、この人って“眠る支配者(スリーピング・ルーラー)”の異名を持つ程堕落した人らしいし、真面目にやるとは思えないな。

 

「って、お前もだよ! 他人事みたいな顔してんじゃねえ!」

 

ギィさんが叔父さんへと怒鳴る。

それな。

 

「クアハハハ! ギィよ、小さな事で怒るでない。コヤツがホイホイ名付けするのは今に始まった事ではないからな」

 

「黙れ! 大人の会話に口を挟むでない」

 

叔父さんをフォローするヴェルドラさんがルミナス様に怒られた。

だが、ギィさんの注意がヴェルドラさんへと移った隙に、叔父さんはギィさんへと話しかける。

 

「まあまあ。ディーノがここに来た目的は、俺の監視のためなんだろ? それに関する苦情は措いておくとして、俺を止めなかったディーノも悪いし、そのディーノを信頼して派遣した人物にも監督責任があるとは思わないかい、ギィさん?」

 

うわぁ、叔父さん(このオッサン)ギィさんに責任を擦り付ける気だ。

 

「そうだぜ、ギィ。だいたい、俺に監視なんか出来ないって。まさかお前が俺を働かせようとしていたなんて驚きだよ」

 

「お前ら……」

 

「というかそもそも、俺に止める間なんて無かったんだ。俺はリムルが原初達を連れているのを見て、絶句するほど驚いたんだ。だって、3(にん)だぜ? ディアブロはまあ、変人らしいから納得できたが、まさかテスタロッサ達が他者に従うなんて、誰に想像出来るんだよ!」

 

「まあな」

 

お、この流れは擦りつけ失敗かな?

 

「俺もさ、ディアブロが役に立つと言って連れて来たから、それを素直に受け入れたんだよ。まさかそんな大物だったとは思わなかったし、彼女達も行儀よく俺の部下になる事を納得してくれていたしね。ようは、責任はディアブロにある。何かあれば俺も責任を負う事になるが、部下の事を信じるのは当然だろ?」

 

方針転換して、無理くりディアブロに押し付けたな。

そして、ディアブロはむしろ嬉しそうだ。

 

「クフフフフ、リムル様からの信頼、その言葉だけでも私は満たされます。それに応えるためにも、より一層精進しなければ」

 

そんなディアブロを見て、ギィさんは疲れたような顔をした。

 

「つまりは、ディアブロが悪いのか?」

 

ギィさんは尊大に言った。

 

「悪いっていうか……」

 

「俺達も被害者っていうか……」

 

叔父さんとディーノさんが口ごもっている。

 

「ディアブロが変人なのは昔からだ。今更文句を言っても仕方がない。ディーノよ、お前がリムルを止められなかったのも、状況的に理解は出来る。で、だ。リムル、お前だよ!」

 

「俺が何なんだ?」

 

太々(ふてぶて)しく、叔父さんが答える。

 

「何もクソもねーんだよ‼︎」

 

そこからは、ギィさんのガチ説教が待っていた。

 

「お前のせいで、世界の勢力バランスが完全に崩壊した! そのせいで世界情勢がどう転ぶか、全く予想ができなくなった! しかも、お前のせいでミザリーの作戦も失敗。その責任を取って貰うぜ」

 

「……はあ、分かったよ」

 

はい、これで叔父さんが責任を取る事確定しました〜。

説教が終わっても、ギィさんの話は続いた。

なんでも、ギィさんは定期的に災禍を引き起こし、人類共通の敵として認識させていたらしい。その目的は、身内同士で潰し合いが発生しないようにする事だったそうだ。

グランベルがいる間は、様子見に徹して、大胆な行動は慎んでいたらしい。しかし、グランベルがルミナス様へと総力戦を仕掛けたため、その均衡が崩れ去った。

なので、ギィさんは人類が恐怖で纏まるように、彼の配下であるミザリーへと命じたそうだ。

そしてミザリーの発案したのが、“西方諸国評議会(カウンシル・オブ・ウェスト)”の議員達の死をもって、各国の首脳陣が魔王の脅威を再認識させる、というかなり物騒な作戦だった。

 

「だが、ミザリーが襲撃した会場には“白”……いや、テスタロッサがいた訳だ。ミザリーはテスタロッサとの衝突を避けて、作戦を中断した。そこまではいい。問題はその後だ。小賢しい人間達を恐怖で支配出来なかったとなると、アイツらは小競り合いを始めるだろう。ロッゾ一族による支配体制が無くなった今、権力闘争が激化する。それがいつもの流れだ。東の帝国が動き出そうって時にそんなバカな事をしてたら、西側諸国の敗北は必至だ。リムル、お前はどうするつもりなんだ?」

 

なるほど、ギィさんは人類の味方ではないが、滅亡しないように気にはかけているのか。というか、それが“調停者”としての役割って事かな。

問題は、叔父さんが取る西方諸国への対応だな。

 

「どうするもこうするも、リムル様の理想の実現を目指すまでです」

 

ギィさんの質問に対して、ディアブロが答え出した。

 

「どういう意味だ?」

 

「簡単な話です。恐怖で人を縛るなど、そのような面白みの無い事をしても仕方ないのです。確かに、人は恐怖で従順になるでしょうが、それでは人の力を十全に活かせません。その上、恐怖というのは、時間が経てば薄れます。貴方がどれほどの悲劇を撒き散らしたところで、彼らはそれを忘却してしまう。そして、恨みのみが残されます」

 

「ふむ、続けろ」

 

「恨みはやがて憎しみへと変わり、自分達を虐げる者への復讐へと走らせます。それこそ、小賢しいだけで知恵の足りない人類では、我々との絶対的な力の差に気づく事は出来ないでしょう。魔族などに扇動されれば、直ぐに愚かな行為へと手を染めるでしょう」

 

「まあ、それを許さぬために、血の粛清を行う訳だが」

 

「クフフフフ、それが無駄な事だと先程言ったではありませんか。人が愚かである以上、恐怖の記憶は薄れます。世代交代を重ねるのだから、どうしようもありません。ですが、ロッゾ一族による一極集中とは異なり富の再分配を行う事で、ある程度の公平性を保ちつつ各国の関係が再構築されます。それによって、新たな経済原理が誕生します」

 

「それで?」

 

「新たな経済原理   すなわち選択肢を残し、自分達で未来を選択したのだと錯覚させる事で、愚かな人類は自分達の手で創り上げたのだと信じ込むでしょう。こういった仕組み(システム)は、人の記憶とは異なり失われはしない。半永久的に、人の世を支配するようになる。そして、それを管理するのがリムル様であり、我々の仕事なのです」

 

「なるほどな。経済を掌握し、安全保障を無料(タダ)で与えてやれば、自然と弱者達はお前達に依存するようになるって訳か。血の流れない戦争によって、全てが解決される社会。確かに、ロッゾ一族の支配よりも優れていそうだな」

 

うーむ、叔父さんの思考回路でそこまで考えられるのか疑問だが、方針としてはそんな感じなんだろうな。

 

「当然です。一部の者達が富むより、大勢の者が幸せになる世界。それが生み出す需要と供給は、新たな可能性を創出するでしょう。それこそがリムル様の願いなのです」

 

そりゃそうだろうな。

叔父さん、イングラシアなどの一部を除いて、文化レベルが低いと文句を言ってたし。

 

「幸福な平和を知り、享受すれば、それを失うのが怖くなると?」

 

「その通りです。一言で言い表すなら、“感謝”という概念ですね。人々を守るリムル様へと感謝し、世界の安寧に協力的になるでしょう。貴方の考える、恐怖による支配よりも効率的であるかと」

 

ディアブロの語る未来を聞いたルミナス様やレオンさん、そしてその配下達までも感銘を受けた様子だ。

 

「だが、それを実行に移すには、長期的な視野と緻密な計算が必要になるだろう? しっかり管理しねえと、増えすぎて図に乗る人類の様子が目に浮かぶな。そこまで面倒を見てやれるのか?」

 

「フッ、その程度の未来を見通せぬリムル様ではありません。貴方にとっては大袈裟でも、リムル様にとっては片手間で済む問題です。なので、要らぬ心配は無用ですよ」

 

「そうかよ。それなら、お前に任せるとしよう。そこまで上手く事が運ぶとは思えねえが、失敗しても俺に害は及ぶ事は無い。その時は、いつも通り俺の手で、愚かなバカ共を間引くだけだ。お前の責任の取り方を見せてもらうとするぜ」

 

「まあ、ディアブロが話した内容は少し大袈裟だが、概ね当たっている。ちょっと理想的だが、そうなったらいいなと思っているんだ。お前に言われるまでなく、俺のやり方で世界平和を目指すよ」

 

そう言って、叔父さんは約束した。

だが、これで終わりではないらしい。

 

「リムルよ、一応忠告しておこう。原初の黄(ジョーヌ)ことカレラだが、奴は気の向くままに核撃魔法をブッ放す、気性の荒い面を持ち合わせている。ちゃんと手綱を握っておかねば、せっかくの都が灰塵に帰すぞ」

 

「ならば、妾からも教えておこう。先程も述べた通り、原初の紫(ヴィオレ)ことウルティマは陰気で陰湿。そして、残虐非道の代名詞的な存在じゃ。魔族とは違い、人類を根絶やしにしようとは考えておらなんだようじゃが、とても気まぐれで移ろいやすい性格をしておったようじゃ。貴様の前では明るい少女を演じてあるようじゃが、決して油断するでないぞ」

 

という、レオンさんとルミナス様からの有り難く、そして不安になる話を聞かされた。

そして、言葉が濁されているものの、そんな2人よりヤバいのがテスタロッサらしい。

これだから叔父さん(このオッサン)は……。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。