DVD的に12話で終わらせるんだろうけど、そうなると29日は閑話とかになるのかな?
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異世界人らしき3人組の報告から3日が過ぎた。
俺は学園での仕事を手短に終えて、すぐに迷宮司令室に向かった。
例の3人組パーティの攻略っぷりを叔父さん達と一緒に眺めるためだ。
「どんな感じですか?」
「おう、来たかアユム。相変わらずこいつらスゲェよ」
俺の質問に叔父さんが嬉々として答えた。
確かに、相変わらず中々のペースで攻略している。
因みに、ディアブロは部屋の隅っこで読書している。
執事の仕事はどこ行った。
ダメっ子秘書のシオンはシュナさんからお菓子作りを教わっている。
そして、そのシュナさんが叔父さん達のお茶のお代わりを注いでいる。
勿論、俺にも一杯淹れてくれる。
いやホント、シュナさんマジ有能!
これに比べて正規の秘書2人はと言うと……やれやれ、どうしてこんなに差があるのやら。
「ところでリムルよ。3日前にあの者共がエサに食い付いたと言っておったが、どういう意味だ?」
叔父さんに聞くのはヴェルドラさんだ。
何というか、今更だな。
叔父さんが話していたエサというのは、最近この国で行われている
「それは気にしなくていいよ」
「水臭いではないか。我に話すがいい」
「それじゃあ言うけど、実はな 」
そう言って叔父さんは説明を始めた。
避難訓練というのは、この中央都市リムルを
ラミリスさんの固有
一度入れ替えれば24時間固定になるものの、水や空気の心配はないし太陽だって見えるので、住民の心的負担も小さい。
ただし、それを行うにはとんでもなく莫大な力を要するので、ラミリスさんの力では不可能である。
だが、ヴェルドラさんのエネルギーを借りれば可能となる。
そのため、戦時には迷宮に町を隔離するとのことだ。
まあ、何で自分のエネルギー使ってんのに気付いてないのというツッコミをしたくはなったが、俺はそのまま飲み込んだ。
そして、それの練習がスパイに対するエサにもなっていたという訳だ。
しかも、地上には迷宮への入り口の巨大な門だけ残るので怪しい事この上ない。
必ず敵側の調査が入るという訳だ。
「師匠のおかげで、私もパワーアップしたもんね! それが役に立って何よりさ」
「そうか、我のおかげか。なるほどな」
ヴェルドラさんが褒めて欲しそうな顔してる。
面倒だし煽てますか。
「いやホント。助かってるよ、ヴェルドラ」
「そうですね。戦争になったとしても、ヴェルドラさんのおかげで負ける気がしませんからね」
「クァーッハッハッハ! そうだろう、そうであろうとも。では、そのケーキは我が貰って良いな?」
叔父さんが「良くねーよ!」という顔してる。
俺は先に食べ切ったので狙われずに済んだ。
「それでは、私の分を代わりに」
「悪いな、ディアブロ」
「いえいえ。リムル様のためでしたら、このくらいはどうという事もありません」
そんなやり取りをしている内に、挑戦者達がついに60階層のボス部屋の前まで到達した。
「スパイと分かっているんならさ、捕まえた方がいいんじゃないの?」
と、心配するラミリスさん。
だが、叔父さんは気にしている様子はない。
「いや、彼らの実力も試したいし、どこまで行けるか見ておこうと思ってね。賞金を支払うのはちょっと痛いけど、結構盛り上がっているし問題ないかなって」
「流石はリムルよな」
「汚い! アンタって本当に発想が凄いよね!」
「やれやれ。前世からさらに悪辣な思考回路になりましたよね」
「………」
俺達の言葉に叔父さんが嬉しくなさそうにする。
そして、それをシュナさんが呆れ顔で眺めている。
「それにしても、失敗したな。まさか、
「初回限定サービスとか、ちょっと調子に乗り過ぎてたのよさ……」
やれやれ、呆れ果てるばかりだな。
これじゃあ60階層なんか簡単に突破されるだろう。
60階層の
以前は
それに、アダルマンの本領は軍勢を率いる事にあり、単体ではゴズールやメズールよりも弱いらしい。
しかも、相手は聖属性の武器を完璧に使いこなしている。
まあ叔父さん達としても、罠が簡単に突破されるなんて予想外だったんだろう。
60階層は諦めて、70階層に期待する他なさそうだ。
そう考えてた時期が俺にも有りました。
あまりにも呆気なく、挑戦者達が鎧袖一触に葬り去られたのだから。
ボス部屋内が映し出された辺りからおかしいとは思ったんだけどさ、流石に秒で3人が倒されるなんて思ってもいなかった。
しかも、ボスであるアダルマンは一歩も動かず、3人を倒したのはアダルマンの従者であるアルベルトだ。
「ど、どういう事だ⁉︎ どうしてアダルマン達があんなに強くなっているんだよ⁉︎」
叔父さんもどうやら彼らの強さがここまで高いとは知らなかった様子だ。
「えへへ、ビックリしたでしょう! 内緒にしてたけど、リムルがあの子達に新しい装備をあげたじゃん? それがすっごく嬉しかったみたいで、メチャクチャ頑張って修行してたのよさ! それでねそれでね、迷宮の中って魔素濃度が凄く高いじゃん? それを取り込んで、アダルマンとアルベルトは以前の力を取り戻したって訳なのよさ‼︎」
ドッキリ大成功みたいなノリでラミリスさんが俺と叔父さんに告げた。
なるほど、どおりで2人から異様な強さを感じた訳だ。
アダルマンは
アルベルトは、元は
だがしかし、迷宮内で進化を重ねて
っていうか死霊なのに名前に“聖”騎士って、何その冗談。
「
叔父さんが驚きの言葉を洩らす。
「クァーッハッハッハ! 小物は小物なりに、我らの役に立とうと頑張っておるわ!」
「それで、あの竜は?」
「あれ、リムルは知らなかったの? アレはアダルマンのペットだよ」
ペットなの?
あのドラゴンって死せる魔物の頂点って言われている
ヤバすぎない⁉︎
まあ、そんな事より肝心の戦いの内容だ。
先程も話した通り、アダルマン側の圧勝だ。
アダルマンは玉座に座して動かず、
右手に控えていたアルベルトが前へと出ると、戦闘が開始された。
マークが
シンはその光景を見て唖然となり、その隙に超高速で距離を詰めたアルベルトの剣撃がシンを小間切れ状態にする。
シンジーはそれを見て驚愕するも、大慌てで神聖魔法『
神聖魔法は扱える者が少ない。
それが使えるとなると、シンジーの本来の役職は
まあそんな事は置いておいて、この攻撃はアルベルトへと直撃した。
しかし、アルベルトに対して全く通用しなかったのだ。
「嘘だろ……⁉︎」
驚きのあまりに動きが止まったシンジーに対し、アルベルトが剣を振り下ろした。
これで終了である。
さて、いくら進化してたってアルベルトは
聖属性の攻撃は弱点である。
だがしかし、それが通用しなかった。
その理由はアダルマンの生み出した奥の手であるエクストラスキル『聖魔反転』によって聖属性が効かなくなってしまったからだ。
しかもアダルマン達は死霊なので、大抵の攻撃に対する耐性は持ち合わせている。
これに加えて、弱点である聖属性の攻撃が効かないとなると、普通の挑戦者達ではもう手の施しようが無くなってしまった。
アダルマンが記録映像を撮っているカメラへと向いた。
そして、その視線の先には俺達がいる。
「我らが神リムル様、御覧に頂けましたでしょうか? 我らが勝利は貴方様のために!」
そう声高にアダルマンが叫ぶ。
アダルマンは少し勘違いが激しい奴らしく、叔父さんのことを神だと崇め立てているそうだ。
しかも、シュナさんのことを
あながち間違ってはいないが……少々面倒なヤツである。
それにしても、過剰戦力だよね……。
コイツら、1人1人が特A級
「よくやったな、アダルマン。離れているとアレだ。今から司令室まで来てくれ」
「お、おおおおお! ありがたき幸せ、直ぐに御身の側まで馳せ参じましょう!」
う〜む、暑苦しい上に固っ苦しい。
まあ、頼れる部下ではあるけど
「ついでに、アルベルトにも一緒に連れて来てくれ」
「ハハッ! それで、
「
「承知いたしました」
それを聞いて、
こればかりは仕方ないよね。
ここに体長10メートルもあるようなドラゴンが入る訳がない。
可哀想ではあるけど諦める他ない。
「シオン、アダルマンとアルベルトに紅茶を用意してやってくれ」
「あ、はい。しかし、骨なのに飲めるのでしょうか?」
「……あ」
珍しく尤もなシオンの意見に叔父さんが今更気付いたような反応をした。
そうなんだよね。
飲もうとしたところで、飲めるわけないんだよ。
どこぞの海賊漫画に登場する骨の音楽家じゃああるまいしね。
「こういうのは、その、気持ちだよ。ほら、香りとか楽しめるでしょ」
「そうですか、承知いたしました」
「いや、ちょっと無理があると思うな……」
そんな会話をしながら、しばらくするとアダルマン達が到着した。
「お待たせ致しました、リムル様」
「御尊顔拝謁できます事、心より感謝しております」
2人が叔父さんの前に跪いた。
いやはや、直に見ればえげつない力を内包しているよ。
「大儀であったぞ。アルベルトといったな、貴様の剣の腕前は中々のものであった。そしてアダルマンよ、
「うんうん、凄かったのよさ。これからも頼んだよ!」
「いやホント、久々にお前達を見たから余りの成長ぶり……というか進化ぶりに驚いたよ」
「「ハハァー‼︎」」
3人の言葉に感極まるアルベルトとアダルマン。
その後やっぱりアダルマン紅茶飲めない問題が起きたが、彼自身気にしてなかったので全然問題ではなかった。
「ところで、エクストラスキル『聖魔反転』だけど、素晴らしい着眼点だよな。アレを開発しただけでも、お前の頑張りがよく分かる」
「お褒め頂き光栄でございます! あのスキルはベレッタ殿に協力して頂いたのです。ルミナス様が『詫びじゃ』と申されまして、秘儀の一つである『昼夜反転』を授けて下さったのです。これをベレッタ殿のユニークスキル『
「そうか、ルミナスにも後でお礼をするとして、アダルマン!」
「はっ!」
「今のお前ならば、現在70階層を任せている
「……と、申されますと?」
どうやらアダルマンは叔父さんの意図が読めていないらしい。
そこからは俺が言葉を継いだ。
「61〜70階層はゴーレムが蔓延っているエリアになっていてな、魔法的な物ではなくて、機械的なトラップや兵器が中心なんだ。そして、そこの
「俺としては、今のお前達は
「ええ、間違いなくアダルマン達の方が強いですからね」
「うむ、リムルやアユムの言う通りだな」
「だろ? という訳だ、アダルマン。お前には60階層から70階層の守護者へと昇格する事にした」
「お、おおおおおっ! ありがとうございます、リムル様‼︎ リムル様からの期待に応えるべく、このアダルマン、更なる努力を惜しむつもりありません‼︎」
「不肖アルベルト、アダルマンを全力で支える所存です!」
2人が跪き、叔父さんに対してそう宣言した。
確かに
しかし、ボスとしての貫禄はあまりに弱いってのもあるよね。
何より、今回の件でアダルマンの方が強い事が分かった。
これで入れ替えない方がおかしいのだ。
「よし! それじゃあ、ラミリス。今日付で51〜60階層と61〜70階層の入れ替えを行なってくれ!」
「オッケー、任せてよ!」
こうして階層の入れ替えが決定した後、ずっと大人しかったディアブロが発言した。
「お話の区切りが良いようですので、報告したい事が御座います」
「なんだ?」
「我が下僕たるラーゼンから魔法通話が入りまして、リムル様に至急申し上げたき儀があるとの事。何でも、ラーゼンの古い師匠がとやらがやって来たらしく、その者がリムル様への謁見を願い出ているらしいのです。その者の名はガドラと言うそうですよ」
西側諸国で、特に魔法使い界隈じゃ知らぬ者はいない大魔導士ラーゼンの師匠か。ガドラというと確か、イングラシアの図書館にあったいくつかの魔導書の著者だったかな。
というか、下僕って単語使う奴初めてだわ。
そういえば、ラーゼンを部下にしたとか何とかって話してた記憶があるな。
最初聞いた時は驚いたけど、ディアブロが原初だったって考えると、さもありなんって思うよね。
そんな事は置いておいて、本人ならば会ってみたいよね。
ほら、剣術だけでなく魔法も極められれば、技術的な面で隙が無くせるでしょ。
だが、この時期に来るとなると。
「それって、いかにも罠っぽくないか? 帝国との決戦まで近いこの時期に面会って、疑わしい事この上ないって言うかさ」
「その通りです! そんな怪しい人物などに、リムル様がわざわざ会う必要などありません!」
シオンの警戒心がMAXである。
まあ、叔父さんの護衛としては当然だよね。
護衛の役割は危険に立ち向かう事ではなく、危険から護衛対象を遠ざける事だし。
それに、叔父さんは警戒感の薄いところがある。
「そりゃそうだよね。会ってみたいとは思うけど、あまりにも怪し過ぎる。って事で叔父さん、この件は却下でいいと思うよ」
「クフフフフ、アユム様の言う通りですね。ラーゼン如きの意見などにイチイチ耳を貸す必要はありません。私が話を聞いてやる事もないでしょう」
「そうだな。じゃあこの事は……ってアダルマン、どうしたんだ? もう退出してくれて構わないよ」
「あ、いえ。我らへの気遣いなど不要なのですが、それよりもですね……」
「うん」
「今の話にあったガドラと申す者なのですが……」
「ほう」
「私の古い友人なのではないかと……そう思った次第でして」
「……え?」
思わず叔父さんが見つめると、焦ったように挙動不審になるアダルマン。
「いや、お前が裏切り者とかそういう風に思った訳じゃないよ。ディアブロ、取り敢えず返事は保留だ。それで、お前の知るガドラという人物について教えてくれないか?」
そういう訳で、とりあえずアダルマンから話を聞こう。
「はい。まず、私とガドラの関係ですが、1000年以上前、私がまだ人間だった頃の親友でして、当時の私にも引けを取らぬ大魔法使いでした。既に寿命で亡くなっていると思ったのですが、あの者は神秘奥義『
そこからもいくつか話を聞いてみたが、どうやら謁見を願い出ているガドラとアダルマンの友人であるガドラは同一人物であると考えて間違いなさそうだ。
そして、叔父さんも同じ結論に至ったようだ。
「ディアブロ」
「承知致しました。日時を調整の上、会談の準備を整えます」
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