転移高校生は転生魔王の甥っ子だった件   作:Many56

23 / 28
アニメ転スラ2期も佳境ですね。
アダルマンの声優が杉田智和さんでしたね。やっぱりアダルマン面白いわ。
声優だけ見ると暗殺教室(というかころQ)っぽくなってきてるなと思うのは僕だけでしょうか?
そしてにルミナス様早く喋って欲しい。
声優が気になる所です。


第19話 イセカイ&パンツァー(前編)

 

 

 

予想通り交渉は決裂。

帝国軍はテスタロッサの引いた境界線(デッドライン)を躊躇う事なく踏み越した。

 

「始まったわね」

 

「うむ。全てはこれからだぞ」

 

ラミリスさんとヴェルドラさんが偉そうに、高い位置にある椅子でふんぞり返って会話している。

正直、2人は緊張感が欠けすぎだと思う。

叔父さんも溜息ついてるし。

 

「それはいいから、早く町を避難させてくれ」

 

「オッケー。このラミリスさんにお任せあれ!」

 

直後、地上の首都は瞬く間に迷宮内へと隔離された。

 

「そうそう、トレイニーちゃんから連絡があったよ。なんか怪しいヤツの気配があるから挨拶してくるってさ」

 

「何だそれ? どういう事?」

 

ラミリスさんの言葉に首をかしげる叔父さん。

ラミリスさん自身もよく分かってないようだった。

トレイニーさん自身も時々いい加減なところがあるし、気にしても無駄だろう。

 

「そういえば、ソウエイ。侵入者への対策は?」

 

「問題ありません。何名かのスパイが紛れ込んでおりましたが、全て処理済みです。あとは予定通り、地上の大門だけを警戒すればよろしいかと」

 

うーん、余裕の笑み。

ちょっと怖い。忘れることにしよう。

さて、今回の戦争を行うに当たって迷宮内の構造を通常営業時とは変更している。

まず、普段は奥に進むにつれて狭くなるよう、逆ピラミッド型の構造となっているが、今回は全ての階層が同じ広さになるよう拡張されている。

そして、本来なら91〜95階層となっている研究設備や迷宮都市などのエリアは96〜100階層へと移転している。代わりに、96〜100階層が91〜95階層へと入れ替わっている。

そして、地上の都市は戦争時のみに設立される101階層へと丸々移されている。

そしてもちろん、迷宮内のサービスは全て停止である。

復活の腕輪を配布はしないし、宿舎やトイレ、水場なども使用不可である。

西側諸国にあるいくつかの騎士団でシミュレーションしてみたが、迷宮の攻略に成功する可能性は皆無であった。

帝国軍が如何に優秀とて、これを突破するには最低でも仙人級や聖人級の実力者がいなければ不可能であるとの結論に至っている。

まあ、迷宮を素通りするなどの可能性もあるし、油断せずに敵の出方に合わせて対処する必要があるけど。

でもまあ、とりあえずの準備は整っている。

西側諸国にも帝国が侵攻を開始したことを既に通達しているそうだし、今頃はテンペストの勝利を祈願していることだろう。

 

さて、戦場に意識を戻すと、テスタロッサはランガと合流して撤退していた。それを追うように戦車部隊が展開している。

どうやら早速主砲を盛大にブッ放すつもりらしい。

 

「大丈夫かな?」

 

「当たれば危険でしょうが、直撃さえしなければ問題ありません」

 

叔父さんが不安そうにしているが、ベニマルは自信満々と言った様子だ。

だが、正直なところ俺も少し不安だ。

それは、敵の戦車の設計思想によるものだ。

向こうの世界で、初めて戦車が登場したのは第一次世界大戦の頃、イギリスで生み出されたMk.Ⅰ戦車が始まりである。

当時の戦車は現在とは似ても似つかない姿をしていて、無限軌道は車体をグルリと一周しており、砲は横に1基ずつの計2門。

横から見た時に菱形だったので、菱形戦車とも呼ばれている。

当時の戦争は、塹壕や鉄条網と機関銃や迫撃砲の防衛戦線が構築され、これを突破するのが困難だったが故に戦争がマンネリ化していた。

これを打破するために生み出されたのが戦車だ。

機関銃や砲弾の破片を防げる装甲や歩兵を薙ぎ倒す主砲、塹壕を乗り越える超壕能力による活躍によってあっという間に広まった。

だが、戦車が広まるにつれて、いつしか戦車対戦車の戦いが発生し出した。

その結果、第二次世界大戦頃から敵戦車を撃破する能力が求められ、装甲はより強固になり、戦車砲も高初速化され、弾も装甲を貫くのに適したものが使用されるようになった。

そして、現在でもそれは同じ。

強固な装甲であらゆる攻撃を防ぎ、強力な主砲であらゆるものを破壊する。正に、現代陸上戦の花形となっている。

さて、ここで重要なのが設計思想だ。

第一次世界大戦期と第二次世界大戦以降の戦車では設計思想がまるで異なる。

第一次世界大戦で戦車に求められたのは、塹壕を乗り越える超壕能力と機関銃や砲弾の破片を防ぐ防御力、そして敵の歩兵を薙ぎ倒す攻撃力だ。

一方、第二次世界大戦以降の戦車に求められたのは、敵戦車の砲撃を防ぐ防御力と敵戦車を破壊する攻撃力、そして速やかに移動できる機動性だ。

では、敵の戦車には何が求められているか考えてみよう。

攻撃面は、歩兵や騎兵を薙ぎ倒し、城塞や城門を破壊する攻撃力だろう。

防御面では、弓矢や投石、強力な魔法を防げるだけの防御力。

少なくとも、この2つは確定であろう。

そうなってくると、装甲貫徹力が高いAP(徹甲弾)ではなく爆発で弾着した地点の周囲に被害を与えるHE(榴弾)となる可能性が高い。

要するに、当たらなければどうということはない弾ではなく、当たらなくてもヤバい弾が飛んでくるのだ。

なので俺はそれが心配なのだ。

一応それは話してあるが、それでもベニマルは問題ないと考えているようだ。

ベニマルは自身のユニークスキル『大元帥(スベルモノ)』で指示を出す。

それを受けて、テンペスト軍は一斉に動き出した。

緑色軍団(グリーンナンバーズ)は慎重に、敵後方へと進軍している。

敵の目を避けて、森に入り木々を盾にしつつ隠密行動を取っている。

勝てるようなら突撃、危険と判断したなら撤退、それを見極めるまでは大きく動かしはしない。

ガビルは飛竜衆(ヒリュウ)の100名と青色軍団(ブルーナンバーズ)から選出した飛空竜部隊(ワイバーンライダー)300名を率いて上空へと上がる。

動きの鈍い戦車を上空から攻撃を仕掛けるようだ。

ただし、敵方にも飛空船という航空戦力があるので、それが来るまでどれだけダメージを与えられるかと、飛空船が出て来てからどうするかが重要だ。

さて、そろそろ俺も準備を始めるとしよう。

敵に一番近いゴブタ達だが、前列にいる車両の主砲はゴブタ達のいる方向を向いている。

それも、かなり正確に狙っている。

どうやら、レーダーの類いでも積んでいるのかもしれないな。

 

「敵は何らかの方法でゴブタ達の位置を特定しているみたいだぞ、ベニマル!」

 

「了解です。しかし、心配ありません。そういう可能性を考慮して、先遣隊をゴブタ達のみにしたんですよ」

 

まあ、これについては俺も想定内だ。

魔法を使った索敵方法がこちらの世界にはあるしね。

こっちの戦車にも赤外線センサーや魔素レーダーを取り付けてあるしね。

それに、最新鋭のMBT(主力戦車)なら各種センサー類が搭載されるのが当然だ。

なので別に驚く理由にはならない。

敵の戦車で特徴的なのは、T-34のような球状砲塔となっており、短砲身の主砲を取り付けられていることだろうか。

あの主砲の長さでは40口径もないだろう。

山脈の麓とはいえ、樹木の生い茂っていたエリアもあった。

そこを問題なく通過できたのは、これのおかげだろう。

その代わり、主砲の弾速や射程は短くなっているだろうけど。

まあ、魔法を刻印しておけばその辺は実用レベルに上げられるだろう。

さて、ゴブタ達は既に部隊と合流している。

ゴブタの顔が青ざめているが、戦車にビビったのではなく、テスタロッサの実力の一端を見た結果、ようやく自身の立場がヤバい事に気付いたからだろう。

そのテスタロッサは、ランガの背に横座りしており、優雅に髪をすいている。

そんな中、敵戦車の主砲がからオレンジ色の火炎が轟音と共に飛び出した。

ゴブタ達に向けて、21発の砲弾が飛来する。

直ちににベニマルが命令する。

 

『ゴブタ、潜影しろ!』

 

『了解、潜影するっす!』

 

一瞬の迷いもなく狼鬼兵部隊(ゴブリンライダー)の全員が『影移動』にてその場から消えた。

直後、その地点に21発の砲弾が弾着した。

その場には激しい衝撃波と爆風が荒れ狂う。

そして最後の1発が弾着した瞬間、凄まじい業火がその地点を包み込んだ。

加害範囲は半径30メートルは下らない。

よくもまあ、核撃魔法に匹敵するような砲弾を作ったもんである。

 

『無事でよかったな』

 

『いや、そうでもないっすよ。こっちの影空間にまで衝撃波が来たっす』

 

『誰か怪我でもしたのか?』

 

『それは大丈夫っす。ベニマルさんの指示のおかげで全員無事っすよ。でもちょっと痛かったっす』

 

大丈夫そうで何よりだ。

そして、叔父さんが『思念伝達』によるネットワークを構築した。

思考加速も併用し、短時間で作戦会議を行う。

参加者は叔父さん、ベニマル、テスタロッサ、そして俺だ。

 

『さて、どうする?』

 

叔父さんがベニマルに聞く。

 

『現在、ガビル率いる航空部隊が敵戦車部隊に強襲を仕掛けるべく向かっています。これと挟撃するように、狼鬼兵部隊(ゴブリンライダー)とアユム様の戦車隊には動いてもらいたいです』

 

『それって危険じゃないか?』

 

『危険ですが、ガビル達の陽動を行います。その隙に、ゴブタ達が接近戦を仕掛けるんですよ。戦車の主砲の威力は予想以上でしたが、機動性は想定内です。十分に勝算はありますよ』

 

『無駄に強固にしておいた戦車の装甲が役立ちそうだ』

 

戦車は対空戦闘は苦手だ。

その最大の理由が、仰角の狭さにある。

その結果、真上に陣取られると攻撃のしようがないからだ。

その代わり、地上にいるゴブタ達には攻撃できるけどね。

 

『じ、自分達もつっこむんすか?』

 

『お前達の方が主役だが、安心しろ。一旦懐まで潜り込んでしまえば、敵は友軍誤射を恐れて動きが鈍るだろうさ』

 

戦車などの近現代兵器は接近戦に弱いからね。

近接戦に持ち込む前に長射程の兵器でボコボコにされるから、現代では剣などの近接戦用の武器が廃れているわけだからね。

しかし、こっちでは向こうの通りには行かないだろう。

 

『それって、このまま『影移動』で行くんすよね?』

 

バカかこいつは?

 

『いや、それはない。敵も流石に、魔物探知や防御結界などの様々な防衛手段を用意しているはずだ。だから、そういった小細工はナシの方がいい』

 

軍団魔法(レギオンマジック)にも、界面結界というものがございますわね。異空間からの不意打ちを防ぐ魔法ですが、これによってこちらの動きが封じられる危険性があります。ベニマル殿のおっしゃる通り、正面突破が一番安全でしょう』

 

テスタロッサの説明にゴブタも納得の様子だ。

その代わりメチャクチャビビってる。

 

『わ、分かったっす。その、テスタロッサ、さんがそう言うなら、オイラも文句は無いっす……』

 

まあ、はるかに自分より強い相手にあんな口の聞き方をしたんだからね。

ちょっと落ち着かせるためにも俺はこう言った。

 

『大丈夫だ。俺の戦車隊を盾にすればいい』

 

だが、叔父さんは心配そうだ。

 

『撃破されたりしないか? 敵戦車の主砲の威力はかなりのものだったぞ』

 

『弾速は予想以上に速かったけど、背面や天板への直撃さえなければ問題無いと思います』

 

弾速は約2000m/sと予想以上に高かった。

だが、敵の戦車の砲弾は鉄の塊に刻印魔法を施し、強烈な爆発を発生させる程度の物だった。

つまりは、予想通り装甲貫徹を重視した弾ではなく、弾着地点の周囲に被害をもたらす弾だった。

ならば、こちらの戦車の装甲が破られることはない。

アレがもしAPFSDS(装弾筒付翼安定徹甲弾)とかだったらちょっとヤバかったけどね。

そうなってくると、側面装甲は確実に貫通してしまうし、正面装甲もちょっと危うくなってくるからだ。

しかし、予想通り敵が対戦車戦を想定してなければ、装甲が抜かれることはない。

 

『そうか、安心した。ああ、ゴブタ君。人は見かけじゃあないんだよ。その事をもう一度心に刻んで、同じ失敗を繰り返さないようにね!』

 

俺の言葉に頷き、ゴブタへ注意する叔父さん。

テスタロッサ達悪魔3人娘についてはアンタも気付いていなかったけどね。

 

『はいっす。次から気をつけるっすよ……』

 

「何の話です?」

 

ベニマルが聞いてくる。

 

「秘密って事もないけど、ゴブタの勘違いについてね」

 

「ああ、テスタロッサに対してのですか。アイツ、成長しているのに肝心のところが抜けてますからね。たまには痛い目に遭った方がいいでしょう。ところで、ディアブロが連れてきたあの者達は何者なんです? 特に、リーダー格の3人娘からはただならぬ気配を感じるんですが?」

 

だよねー。そう思うよねー。

この国の者達なら言っても納得するだろうけど、叔父さんが緘口令出してるし。

 

「……それはまあ、おいおいね」

 

「まあ確かに、戦争中に聞く話題じゃあないですよね」

 

『という訳で、ゴブタ。反省は戦いが終わった後だ』

 

『勿論っす!』

 

『作戦概要はちゃんと理解しているな?』

 

『大丈夫っすよ、ベニマルさん。森の端まで移動しておいて、ガビルさんが攻撃を始めたタイミングでアユム様の戦車と一緒に突っ込むっす』

 

『上等だ。気合い入れろよ!』

 

そして、俺達は『思念伝達』を切った。

 

数分後、俺はゴブアを連れて狼鬼兵部隊(ゴブリンライダー)と合流した。

同時に、戦車20両も一緒に転送する。

そして、ガビル率いる第3軍団が、戦車部隊を強襲した。

 

「グワハハハ! 吾輩の活躍をとくと見よ! 動きの鈍い貴様らなど、我らの敵ではない‼︎」

 

大見得を切っているが、あの様子なら問題無さそうだ。

実際、戦車部隊は即座に対応できていない。

照準がガビル達の動きについていけてない。

戦車砲の動きからして、照準は完全に手動で行われている様子。

となると、射撃統制装置は積んでいないみたいだな。

だがそれでも、ガビルの功績も大きい。

見事な指揮で完璧な連撃を取っている。

相当訓練を積んだみたいだな。

ガビル達は陽動だが、攻撃してない訳ではない。

目眩しのために、飛空竜(ワイバーン)に火球を撃たせている。

飛空竜(ワイバーン)はB+ランクの魔物だ。

並の魔法使いが操る元素魔法『火炎大魔球(ファイアボール)』に匹敵する威力だ。

戦車の対魔法防御能力を破るほどではないが、取り巻きの歩兵には十分有効打を与えられるだろう。

また、飛空竜部隊(ワイバーンライダー)にRPG-7を持たせてある。これらで敵の頭上からHEAT(成形炸薬弾)をぶち込む事によって、いくつかの敵戦車は既に撃破されている。

上空からの対地攻撃という、ガビル達の真骨頂であった。

そして、俺の戦車隊も狼鬼兵部隊(ゴブリンライダー)と共に突撃していく。

敵の戦車部隊はこちら側に砲口を向けてきた。

だが、俺達は止まるつもりはない。残り500メートルといったところで、敵の戦車が発砲した。

ズドドドドォ   という凄まじい轟音を立てて、戦車に何発もの砲弾が命中した。

だが、偽装として取り付けた枝葉と迷彩塗装が剥げたくらいで、全くもってダメージは無かった。

そもそも、大半の砲弾が直撃した部分は砲塔正面であり、残りも車体正面上部である。

戦車の中でも一番硬い部分だ。

だから、撃破されるなどあり得ないのだ。

勿論、戦車の陰に隠れていた狼鬼兵部隊(ゴブリンライダー)にも損害は皆無だった。

そして、お返しとばかりにこちらも撃ち返した。

しかもこちらはただの鉄の塊ではなく、APFSDS(装弾筒付翼安定徹甲弾)という装甲を撃ち抜くのに特化した弾だ。

そして、砲安定装置や射撃統制装置も積んでいる。

当然全弾命中し、弾が直撃した戦車からは火の手が上がる。

今ので20両がスクラップと化したのだ。

そして、300メートルを切ったところで俺の戦車隊は狼鬼兵部隊(ゴブリンライダー)と別れた。

敵部隊の側面へ回るように、戦車隊を展開させる。

そして、狼鬼兵部隊(ゴブリンライダー)を狙っている戦車を優先して、的確に撃破していった。

勿論こちらも狙われるが、そこは10式譲りの殺人ブレーキ&超絶加速でほぼ全て避けてやった。

何発かは直撃したものの、そこは俺の開発し、戦車に取り付けた特殊複合装甲によって容易く無効化した。

フフフ、完璧である。

一方の狼鬼兵部隊(ゴブリンライダー)は洗練された動きで、行く手を遮る障害となる歩兵部隊を的確に処分していた。

歩兵達は、完全に狼達の餌となっている。

そして速度を落とさず、そのまま戦車部隊の中へと潜り込んで行った。

とりあえず、作戦のフェイズ1は成功である。

ここからはフェイズ2である。

戦闘をランガに乗って走るゴブタは、2番手を走る副官のゴブチにで合図をした。

 

「ゴブチ、今っす!」

 

「了解!」

 

ゴブチはそれに頷くと、戦車の砲塔の上部にある展望塔(キューポラ)のハッチに何かを投げ入れた。

それは、赤く光る宝玉   炎爆玉(フレアボム)である。

クロベエと俺の用意した空っぽの魔玉(コア)にカリスが大量の魔力を流し込んだ即席の小型爆弾である。

それが放り込まれた瞬間、戦車が爆発し、砲塔が吹っ飛んだ。

想像以上の破壊力である。

密閉空間内での爆発は、内部で衝撃波や爆弾の破片などが反射することによって、実質的な威力が上がる。

実際、大口径のAP(徹甲弾)も内部に少量の炸薬を詰めて、装甲を貫通し内部に砲弾が侵入したところで爆発させダメージを与えるという物が多い。

炎爆玉(フレアボム)は元々炸薬の塊のような物なので内部で爆発すれば、それはもうえげつない威力になる。

因みに、発案者は叔父さんだ。

上手くいくか心配そうにしてたけど、ここまで接近すれば爆弾の不発でも起きない限り成功するに決まってる。

そして、カリスの言から不発はほぼあり得ない。

むしろ、暴発しないか心配になってくる。

いやはや、戦車の乗員が哀れになってくる。

だが、相手が正当な理由もなしに侵攻してきた以上、手加減など必要ない。

後で心を痛めるかもしれないが、大切な人を失うのよりかは遥かにマシである。

だからこそ、全力で相手をしなければならないのだ。

さて、ここまで前哨戦である。

まだまだ気は抜けない。

俺の戦車部隊は、適宜HE(榴弾)を織り交ぜたり機銃掃射を行って敵部隊を混乱させる。

そして、その隙にゴブタ率いる狼鬼兵部隊(ゴブリンライダー)が敵部隊の奥へと突っ込む。

戦車部隊には目もくれず、中央を叩く。

戦車の死角を守るように配置されている歩兵部隊に打撃を与えつつ、狼鬼兵部隊(ゴブリンライダー)は駆け抜けていく。

その動きは洗練されており、美しいとさえ思える。

このままいけば勝てるとおもえるだろうが、そうは問屋が卸さないだろう。

なぜならば、敵の航空戦力   飛空船がまだ到着していないからだ。

飛空船が到着すれば、ガビル率いる第3軍団がその対処に追われ、俺の戦車隊とゴブタ率いる狼鬼兵部隊(ゴブリンライダー)が孤立無縁となる。

それまでにできる限り戦果を挙げる必要がある。

つまり、ここからが本番なのだ。

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。