転移高校生は転生魔王の甥っ子だった件   作:Many56

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第6話 ルベリオスde観光

 

 

 

あれから1週間経過した。

今、俺達は神聖法皇国ルベリオスにいる。

いやぁ、音楽交流会楽しみだな。

 

「ようこそ、ルベリオスへ。法皇猊下も歓迎して下さるそうよ」

 

うん。全く敬ってないな。まあ、当然か。

 

一週間前

リムルの庵

 

執務館の裏手にある叔父さんの別邸に来た。

The茶室という感じでとても落ち着く(о´∀`о)

最近では、叔父さんと一緒にここでよく向こうの話しをする。

因みに、この庵には地下室がある。

そこには叔父さんや俺が複写(コピー)した大量の漫画本が収められている。

そんなユッタリマッタリできる空間で気になる事を聞いてみた。

 

「ねえ、叔父さん。ルミナス教の神ルミナスって実在するの?」

 

叔父さんが急に油の切れたロボットみたいになった。

 

「ナンノコトカワカラナイナ」

 

棒読みじゃねーか‼︎

半角カタカナで言われても説得力無いから。

 

「いるんですね? 分かります」

 

そう言うと、叔父さんは溜息を一つついた。

 

「どうして気づいたんだ?」

 

「いやだって、ヒナタさんと音楽交流会の話をしていたじゃあないですか。その時にヒナタさん『ルミナス様が音楽交流会を楽しみにしている』みたいな発言をしていたじゃないですか」

 

「最初から聞いてたのね」

 

「そりゃ『魔力感知』あれば耳に入りますよ」

 

「はあ、そうだな」

 

そう言って一拍置いた。

 

「神ルミナス、その正体は“夜魔の女王(クイーン・オブ・ナイトメア)”の異名で知られている魔王バレンタイン。彼女こそ、神聖法皇国ルベリオスの真の支配者だ」

 

「それってもしかしてマッチポンプってやつですか?」

 

「言ってしまえばそうだな。でも、あの国ではこれのおかげで吸血鬼族(ヴァンパイア)達は質の良い血液を得られ、人々は安寧を享受できる、Win-Winの関係が成り立っているんだ。この事は内密にな」

 

という訳で口止めされた。

正直、思う所はある。けれど、ヒナタさんや叔父さんが許容しているなら俺が文句を言う事では無い。首を突っ込むのは野暮の様だし。

 

現在

 

「今日の夜は、貴方達を歓迎する晩餐会が開かれるわ。明日は1日、会場で音の調律を行なって貰い、明後日が練習日となる予定よ。本番は3日後、問題ないかしら?」

 

「どうなんだ、タクト?」

 

「は、はい! 大丈夫です、リムル様! 移動は魔法で運んで貰えましたし、器材も問題ありません。会場の広さによっては微調整が必要でしょうが、こちらにも楽団があるとの事ですので、問題ないかと」

 

「練習日は1日しか無いが、大丈夫か?」

 

「こちらではそうですが、我々はこの日のために毎日練習を欠かしてなどおりません。ご期待にに添えるものと、全員が心を一つにしております!」

 

楽団の指揮者であるタクトさんの言葉を聞いて、叔父さんは満足げに頷いた。

 

 

 

そして夜、高級ホテル顔負けの豪華なおもてなしを受けた。

叔父さんや楽団員はともかく、俺や生徒達まで良いんだろうか?

超高級サロンがフリーパスで使えるわ、個々人に個室が用意されているわ、極め付けは部屋付きのメイドさんがいるわ。

完全に王侯貴族レベルが受けるようなレベルだ。

晩餐会も豪華絢爛だった。

スプーンの上に載った一口サイズの料理が運ばれてきて、視覚と味覚を刺激する。

味付けも考えられており、とても美味しかった。

魔国連邦(テンペスト)にも美味しいものは溢れているが、これ程のものはそうそうお目にかかれない。

実際、楽団員達はかなり緊張していた。

叔父さんや子供達は気楽な感じだったけど。

そんな感じで、楽しい一夜が過ぎた。

 

 

 

翌日

今日はヒナタさんに案内されて、子供達や叔父さんと一緒にルベリオスの営みを見て回る。

今、俺達の目の前には長閑な田園風景が広がっている。

心が静まる良い景色だが   

 

「なんだか、つまんないわね」

 

「そうだな。ここじゃあ、俺達と同い年くらいのやつも働いている。学校とか無いのかな」

 

アリスがポツリと呟き、ケンヤもそれに続く。

残りの子供達も、勝手の違う景色に戸惑いを覚えているようだ。

国民は、決められた仕事を決められた手順で繰り返すだけといった感じだ。

幸福そうではあるものの、自由は無い。

 

「この国には学校はないのよ。ここは管理された国。神の名の下に平等で、誰もが平穏に暮らせるの」

 

ヒナタさんは誇らしそうに説明した。

 

「確かに、どんなに頑張って努力したって手に入らない物はある。最初からそれを知らなければ、それを欲して苦しむ事も無いからな」

 

なるほど、確かに平等だ。

叔父さんが言う事も尤もであるし、ここには少なくとも飢えや苦しみは無い。

だがしかし   

 

「良く言えば、宗教と管理経済によって平等を担保された幸福な社会。悪く言えば宗教国家の皮を被った共産主義国家(アカイ国)って訳ですか」

 

ヒナタさんがジト目でこっちを見てきた。

だがしかし、これは事実のはずだ。

宗教を折り込んでいるからか、この国の形態はソビエト社会主義共和国連邦(向こうで失敗したでっかいアカイ国)に比べて遥かに高い完成度だと言える。

だが、指導者層が腐ったら一発アウトなのは変わらない。

 

「確かに、否定はできないわね。けれど、この管理された国の中では、国民の幸福指数がとても高いレベルになっているわ。だからこそ、他国と国交を開く際は、西方聖教会を通す必要があるのだけど」

 

確かに、知らなければ欲する事も無いだろうな。

ソ連の場合、知らなかったが故に不幸になり、それを欲した人が大勢できてしまったのが国家崩壊の要因の一つになった訳だし。

それでも、知ればもっと幸せになる事だってある。

良くも悪くも完成されてるよ、この国。

 

「本人達が幸せなら、僕達が口を挟む問題じゃあないね」

 

「そうだな。人の幸せは、物質的な物だけでは満たされない。精神的な幸福を追い求めるなら、こういう社会もアリなんだろうな」

 

「それって何だか、水槽の中に飼われたお魚さんみたい。ここの人達は自分達だけじゃあ生きていけない。誰かに守ってもらわないと、この生活を守る事も出来ないみたい」

 

正にその通りと返したくなる回答をクロエが呟いた。

子供の観察眼も侮れないね。

完成されてはいるものの、それは歪な形で、だ。

何も知らない人々は管理する人が消えれば何も出来なくなる。

自由が無ければ、自分の生殺与奪権すら持つ事が出来ない。

家畜と大した変わらず、言ってしまえば“人畜”だ。

 

「……そうね。そうならないように、私達が頑張っているのよ」

 

「そうなんだ。私なら、皆で協力して、一緒に頑張る方がいいと思うな。そうすれば、ヒナタお姉ちゃん達だけが頑張らなくても助け合えると思うもの!」

 

本当にな。でも、そう上手くいかないから苦労しているのだろうな。

この世は無慈悲で出来上がっているから……。

今日は本当に考えさせられる1日だった。

この事をよく覚えておこう、と俺は思った。

 

 

 

翌日

今日は早朝から大聖堂に来た。

もうね、子供達が朝から元気すぎるんだよね……。

そんなこんなで、楽団のリハの見学しに来たという訳だ。

因みに、楽団の護衛として周囲には悪魔族(デーモン)がおよそ100名いる。しかも、全員上位悪魔(グレーターデーモン)、中には上位魔将(アークデーモン)が混じっている。

正直言って落ち着かない。

そして何より、嫌な予感がする。

   嫌な予感というのはよく当たる。

リハーサルが始まろうとした時だった。

ドゴンッ!   という衝撃が走った。

近くにいた聖騎士の1人が叫んだ。

 

 

 

「敵襲‼︎敵襲‼︎」

 

 

 

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