俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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されど彼は

 

天之川side

 

 

俺のやってきた行動が迷惑行為?ど、どうして………俺は柊の為を思ってやっていたのに。じゃあ比企谷はどうなんだ!?アイツは柊を独占しているじゃないか!!アイツこそ柊の迷惑になっているだろう!!俺だけに言えた事ではないはずだ!!

 

 

天之川「ですが校長、俺は良かれと思って「その良かれと思っての行動が相手にとって嫌な行動だってんだよ。お前のやる事なす事が全部正しいとでも思ってんのか?」そ、それは………」

 

校長「んな訳どこにもねぇんだよ……確か夜十神とお前さんは小学からの知り合いだったな?向こうは小学の頃から苦手だったって言ってたぜ?」

 

天之川「なっ!?そ、そんな筈は……!!」

 

校長「中休みや昼休みになったら必ず一緒に遊ぼうと誘ってくるから、鬱陶しかったとも言っていたな。お前さんが思っている以上に2人のお前さんに対する評価は低いぜ?」

 

天之川「………では彼は?」

 

校長「ん?」

 

天之川「一緒に居る比企谷はどうだというのですか!?アイツは中学から柊と一緒に居ます!しかも柊を独占しながら今日までずっと一緒なんですよ!!それを放っておいてもいいんですか!?」

 

 

そうだ!!アイツが柊と一緒に居るようになってからおかしくなったんだ。だから柊もそれが当たり前のようになってしまったんだ!その環境を消せば………

 

 

校長「はぁ………これも言うつもりはなかったが、とんでもなく物分かりの悪い奴が居るようだから教えてやる。比企谷八幡と夜十神柊は男女の交際をしてる。それも2年間な。」

 

天之川「えっ!!?」

 

 

雫(ふぅん……やっぱりそうだったのね。あれだけの事を知ってながら普通に関わりを持てているんだもの。納得もいくわ。)

 

香織(素敵………あんな風に彼女の事を守ってあげていたなんて。私もハジメ君と………)

 

坂上(俺が言ってた通りだったとはな……本当に付き合ってたのかよ。勘で言っただけなのによ。)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

校長「これであの2人とその妹が同じ中学でも一緒に行動している理由が分かっただろ?あの姉妹、いや彼女の方は比企谷の事を手放せない存在なのは間違いねぇだろうな。それにだ、恋人を独占しようとして何が悪いんだ?しかも事情が事情だ、ソイツに強烈な依存を持っても不思議ではないだろ。」

 

天之川「………」

 

 

あの2人が恋人同士………だがあの柊や涼風はそんな事は一言も言ってなかった。比企谷だってそうだ、付き合っているとは言ってなかった。

 

 

校長「んで天之川、お前に質問だ。今のを聞いても、お前はまだあの2人にちょっかいをかけるつもりか?まだ何とか出来るって思ってるのか?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

天之川「………あの2人が付き合っているのは分かりましたし、障害を抱えてしまっていたという事情があったのも分かりました。ですがそれでは柊が1人になった時、どうしようもなくなってしまいます。だから柊は最低限の人間とは関わりを持ってほしいと思います。」

 

校長「ほう……それでその人間は?」

 

天之川「前回では失敗をしてしまいましたが、次は成功させてみせます!なのでもう1度俺が「普通に却下だ。」行き……な、何故ですか!?」

 

校長「お前さん、俺の話聞いてたか?修学旅行でお前が女に触ろうとした時、なんて言われた?」

 

 

………っ!!そうだ、俺は柊に拒絶されていたんだ。だが誠意を持って接すれば分かってもらえる!!

 

 

天之川「ですが誠意を持てば「嫌いな奴から仲良くなろうなんて言われても、俺は絶対に仲良くしようなんて思わねぇ。しかもソイツが原因を作った奴だとするなら尚更だな。」くっ………」

 

校長「いい加減気付け、お前さんは既にゲームオーバーなんだよ。やり直しなんて効かないくらいにな。ここまで言われないと気付かないくらい頭の中がめでたいのか、お前さんは?」

 

天之川「っ、そこまで言わなくても「光輝、私も校長先生の意見に賛成よ。」なっ!?雫まで何を言い出すんだ!?」

 

雫「貴方は自覚ないでしょうけど、南雲君と香織との距離をやたらと置くようにしてるでしょう?私からしてみればバレバレなのよ。」

 

天之川「そ、そんなつもりはない!!「だから言ったでしょう、自覚ないでしょうけどって。けれど見てる側からすれば邪魔をしているようにしか見えないのよ。香織が南雲君に話しかけてもすぐにアンタが邪魔をする。今まではあまり言ってこなかったけど、アンタの行動は度が過ぎてるわ。」な、なんだって………」

 

香織「………何でハジメ君に向かってあんな態度を取るのかなって疑問だったけど、そういう事だったんだ。天之川君………」

 

校長「何だこの学校でも似たような事してたのかよ………お前さんはとんでもねぇな。」

 

天之川「ち、違います!!俺はそんなつもりじゃ「そんな事を今更言ったとしても、此処に居る連中は誰も信じないぜ。お前さんは分かってないと思うが、やり過ぎたんだよ。」………」

 

 

違う………俺はそんなつもりでやったんじゃない。南雲がだらしないから香織が構っていたんだ。比企谷だってそうだ、アイツが柊を独占していたからこうなっていたんだ!

 

 

校長「(この様子だと、反省の色無しか。)取り敢えず話し合いは終了にする。お前達3人は今回、特に相手側からの被害は無かったから注意だけで済ませる。だが天之川、お前のはそれなりのものだと思っておけ。反省文や掃除なんかで済むとは思わない事だ。」

 

 

 

 


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