比企谷母side
比企谷母「はい、わざわざご連絡ありがとうございます。はい……はい、失礼します。」
……今、学校の校長先生から電話があったけれど、昼頃に病院の先生から聞いていたから落ち着いて会話が出来た。八幡がららぽで刺されて怪我を負った。刃物で左腕を刺されたって聞いた時は本当に焦ったわ………けど意識もあって意思疎通も出来るって聞いた時は本当に安心したし、ちょっとだけ余裕も出来た。明日にでも八幡に会いに行こうと思ってる。仕事?そんなの今日事情を話して休みにして貰ったわ。息子が刃物で刺されて大怪我して伏せってるっていうのに、行かない親がいるわけないでしょう?当然、
小町「誰からだったの?」
比企谷母「高校の校長先生からよ、わざわざ連絡してくれたのよ。」
小町「そっか………」
比企谷母「小町、そんな顔をするのはよしなさい。八幡は無事だったんだから良かったじゃない。確かに様子を1回も見ていないから心配ではあるけど、明日になれば分かるわ。」
小町「そ、そうだよね……」
比企谷父「しかし、アイツが刺されるとはな………何か事件に巻き込まれたのか?」
比企谷母「その辺はまだ何も聞かされていないわ、明日行って八幡から聞きましょう。こんな事無視なんてできるわけないもの。」
比企谷父「そうだな……だが何で八幡の奴、ららぽに居たんだ?アイツの事だから休みの日は家でゴロゴロしているものだと思っていたんだが………」
小町「お父さんその情報古いよ……お兄ちゃん中学生の頃に彼女が出来てから、土日どっちかにデートしに行ってるんだよ。まぁ、小町もお兄ちゃんに彼女が居るって知ったのは最近なんだけどさ。」
比企谷父「か、彼女!!?」
………あぁ、そういえば知らなかったわね。私は八幡から聞かされたけど、コイツには何も教えていなかったわね。
小町「そっ。だから今は放課後とかお休みの日とかによく出掛けてるよ。週末金曜になると、向こうの家に泊まりに行く事も増えたしね。小町も行ってみたいとは思うんだけど、流石にお兄ちゃん達の邪魔をしたくはないしねぇ〜。」
比企谷父「ま、まさか八幡に彼女が出来ていたとは………偽物じゃないよな?」
小町「直接会っても居るんだからそれは無い。」
比企谷父「そ、そうか………」
比企谷母「まぁどうしても信じられないというのなら、明日八幡に事実確認取ればいいでしょ。その方がアンタも納得出来るだろうし。さっ、晩御飯にしましょう。小町、今日は久々にお母さんも作るから手伝いよろしく。」
小町「逆に小町のお手伝いをしてもいいんだからね、お母さん?」
比企谷母「言うようになったじゃない……まっ、それは置いといて、とにかくよろしく。」
小町「あいあいさー。」
比企谷母sideout
天之川母side
天之川母「………あなた、警察から連絡が来たわ。光輝がららぽーとで人を刺して逮捕されて、今病院で精神鑑定というものを受けてるって。」
天之川父「………あの大馬鹿息子、学校からも再三注意を受けていたにも関わらず、今度は人の集まりやすい大型店舗で事件だと………?」
天之川母「しかも刺された人は、光輝が前から言っていた男の子の比企谷君みたいなの。」
天之川父「またしても彼か……また迷惑をかけてしまった。光輝の奴、自分が何をしたのか分かっているのか?危うく人を1人殺してしまうところだったという事に……っ!」
以前、京葉高校の校長先生とお話をして納得した時もそうだったわ。光輝は表面上は納得していたように見えていた。けど中身では全く反省はしていないようにも見えた。その結果がコレだなんて………私がもっとしっかりと見ていればこんな事には………
天之川父「お前だけのせいではない。しっかり息子を教育してこれなかった俺の責任でもある。光輝にはしっかりと現実と向き合ってもらわなければならない。その為にも俺達は「光輝に弁護士はつけないし、そして自分達も光輝側の弁護にはつかない、そうよね?」……分かっていたのか?」
天之川母「あなたの考えそうな事だわ。今の光輝に味方をしたところで得られるものなんて何1つないもの。それなら最後に現実を教えてあげるのも、親として出来る事よ。」
天之川父「やったところで無駄だろうがな。」
あの子が大人しく学校側の罰に従っていたのなら、私達もまだ貴方を信用していたわ、光輝。けどこうなってしまった以上は、貴方の味方につく事は出来ない。勿論自分達可愛さにって理由じゃないわ。光輝がやってきた事を考えると、とても味方にはなれないわ。
天之川父「精神鑑定は終わっているのか?結果も出ているのか?」
天之川母「まだみたいよ。詳しい事も知りたいから、光輝の親しい友達から色々聞きたいとも言っていたみたいよ。だから雫ちゃんや龍太郎君、香織ちゃん達に聞きに行くんじゃないかしら?」
天之川父「そうか……俺達にできる事は何かないかと思ってはいたが、今の所はその精神鑑定に協力するくらいしかなさそうだな。」
天之川母「そうね。それから比企谷君の事はどうしようかしら?行くならすぐの方がいいかしら?」
天之川父「そうだな、礼儀知らずの一家と思われるのは心外だからな。明日にでも俺が行ってみようと思ってる。お前はどうだ?」
天之川母「私も明日は大丈夫よ。」
天之川父「よし、では明日に比企谷君の病室へ行こう。」