俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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看病&お見舞い

 

八幡side

 

 

事件から日が変わって翌日。寝慣れてない布団で寝たからか、かなり早く起きてしまった。だが、その方が良いのかもしれない。早寝早起きの習慣なかったからなぁ俺。そして今は8時半くらいになっている。後少しもすれば開館時間になって、診察に来た人達でごった返しになる事だろう………ん?あれって柊と涼風か?まさか朝早くから来るなんて思わなかったぞ。

 

 

八幡「昨日の帰り際に柊が明日も来るとか言ってたが、朝早くから来なくてもいいだろう………何か他の事にも時間を使えよ。」

 

 

ーーー8時45分ーーー

 

 

柊「八幡君おはよう♪来たよ〜。」

 

八幡「柊、お前等は他に何か「八幡さん、ご容態は?体調は?お怪我の具合はいかがですか?」お、おぉう……大丈夫だ。別に気持ち悪くもないし痛くもないから。」

 

涼風「そうでしたか………良かったです、ご無事で。本当に。」ウルウル

 

八幡「心配かけたな、俺は大丈夫だから。おじさんとおばさん、今日は仕事に行ったみたいだな。」

 

柊「うん、昨日の夜に『今日やり残した事は明日やればいい。』って言ってたから。」

 

 

なら良かった、俺の為に時間を割かせるわけにはいかないからな。自分の仕事をやってもらわないと、なんか申し訳なく思ってしまう。

 

 

柊「それからお父さんから伝言預かってるよ。はい、コレ。」

 

八幡「?手紙?柊には言わなかったのか?」

 

柊「うん。どうしてかな?」

 

八幡「お金だったら即返す所だが、その類ではなさそうだな。封筒も薄いし。」

 

 

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娘達の相手をお願いします。きっと朝早くから君の所に行ってると思うから、よろしくね。それとなるべく涼風には優しくね?君に会いたがっていたのを我慢していたから。

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………普通の内容だな。

 

 

涼風「八幡さん、お手紙の内容は?」

 

八幡「普通だった。朝早くから俺の見舞いに来てるだろうからよろしくっていうのと、昨日から俺に会いたがっていた涼風には優しくしてくれって。」

 

涼風「ま、間違ってはいませんが………お父様はそんな事をお書きに?」

 

八幡「あぁ、見るか?」

 

涼風「………いえ、さらに恥ずかしくなりそうなのでご遠慮させて頂きます。」

 

 

まっ、それもそうか。

 

 

柊「八幡君、何かして欲しい事とかない?遠慮しないで言っていいからね?八幡君は今怪我人なんだから、たっくさん甘えていいんだからね♪」

 

八幡「そう言われてもな……今の所は右手だけでも間に合ってるし、何かして欲しいと急に言われても思いつかないな………」

 

柊「えぇ〜何かあるでしょ〜?」

 

 

無いです。無いものを強請ろうとしないで。昨日からこの状態で過ごしてるけど、そんなに不自由はないから。けど娯楽品が何も無いから暇ではあった。

 

 

八幡「ここで1日過ごしてみて分かったんだが、本が欲しい。ゲームはこの腕じゃ出来ないからいいとしても、本がないから天井のシミ数えるか、外眺めるか、散歩くらいしか出来なかったからな。」

 

涼風「それでしたら私が読んでいる本をお持ちしましたので、コレをお読みください。私の本の趣味は八幡さんと合いますので、きっと暇潰しにはなると思います。」

 

八幡「ありがとな。しかし、2人は他に何かする事はなかったのか?」

 

柊「?どういう事?」

 

八幡「いや、俺の所に来てくれたのは嬉しいんだが、何か他にする事ってなかったのかなぁって。」

 

柊「うぅ〜ん………そう言われても、八幡君のお見舞いか看病しに行くくらいしか考えてなかったし、それをほっといてまで何かしたい事があるかって言われても、何も無かったし………ね、涼風?」

 

涼風「はい。私もお姉様から八幡さんのお怪我の事を聞いた時、「早く八幡さんの病院に行かなくてはっ!」っと思いましたので。私にする事があるとすれば、八幡さんの為に看病をする為にここに来た、っというのが答えです。」

 

八幡「そ、そうか………」

 

 

嬉しいよ?嬉しいんだけどさ、もうちょっと自分の事を優先してもいいんじゃないの?

 

 

涼風「八幡さん、お着替えをお持ちしました。と言っても八幡さんの寝巻きに使っているジャージですが、お父様から使ってもいい服を何着か頂きましたので、お着替えなさいますか?」

 

八幡「そうだな、着替えるか。おじさんの服、借りてもいいか?」

 

涼風「はい。あの、八幡さん?」

 

八幡「ん?」

 

涼風「お着替えのお手伝いを、致しますか?」

 

八幡「………いや、大丈夫だ。」

 

柊「遠慮しないで八幡君!!私達は八幡君の看病とお見舞いに来てるんだから!!手伝える事があったらなんでもいっていいんだよ!!」

 

八幡「欲望が丸分かりなんだが………兎に角、着替えは1人で出来る。トイレに入ってやるから2人は待っててくれ。」

 

柊「ちぇ〜。」

 

涼風「八幡さんがそう仰るのなら、分かりました。お待ちしております。」

 

 

俺が骨折している時はまだしも、まだ腕を動かせる状態だから手伝ってもらう必要はない。好意は嬉しいが、やっぱ恥ずかしいからな。

 

 

 

 

 

 


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