俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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邂逅

 

 

八幡side

 

 

手伝ってもらうのは恥ずかしいとは言ったが、2人がどうしてもやりたいというので、なし崩し的にやる事になった。とは言っても、やる事が多いってわけではないけどな。現に柊は俺の側で椅子に座りながら鼻唄を歌ってるし、涼風は林檎の皮剥きをしている。1回も途切れさせる事なくずっと剥いてる。すげぇ………慣れたらあんな風に出来るんだな。

 

 

涼風「八幡さん、出来ましたよ。」

 

八幡「あぁ、悪いな。じゃあ1つ貰お「あ、あ〜んです///」………あむっ。」サクッ

 

柊「あぁ〜涼風ったらずる〜い!私が食べさせてあげようと思ってたのにぃ〜!」

 

涼風「まだ林檎はありますから。それで八幡さん、お味の方は如何ですか?」

 

八幡「あぁ、美味い。林檎ってなんか久しぶりに食べた気がする。」

 

涼風「ではもう1口分ありますので、口を開けてください。あ〜んです///」

 

柊「2回目は私だからねっ!」

 

 

ガラガラ〜

 

 

神田「邪魔するぞ〜……って何だ、もう来て世話されてんのかよ。美女2人に世話かけられるとは羨ましいねぇ〜。」

 

八幡「ほっといて下さい。」

 

神田「揶揄わずにはいられねぇだろ、この状況。まぁいい、丁度3人居るからとりあえず報告しておく事にする。天之川についてだ。」

 

 

天之川?

 

 

神田「昨日、○○病院でアイツの精神鑑定を受けた。その結果はまだなんとも言えないってのが現状だ。建前では統合失調症という事にはしてあるが、それもまだ確定はしてない。俺はこれからアイツの友人に会って話を聞いてくる。もうアポは取ってあるしな。」

 

柊「その人って異常じゃないんですか?」

 

神田「アイツの喋り方や仕草からして異常ではないと思うが、考え方がヤバいのかもな。常識の欠如ってのもあるが、事によっては責任問題の放棄ってのも出てくる。それはこれからの友人の話次第だ。」

 

八幡「………成る程。」

 

神田「まっ、お前等がアイツに会うのは裁判までないと思っておけ。」

 

柊「2度と会いたくありません。」

 

神田「まっ、嬢ちゃんはそうだろうな。話は以上だ、それから昼になったら御影達もこっちに来るってさっき連絡が来たぞ………その顔をするって事は嬢ちゃん達は聞かされてないみたいだな。」

 

涼風「はい、昨日の分の仕事を終わらせるって言っていましたので。」

 

神田「あの2人が1日分の仕事程度で何時間もかからねぇだろうよ。まぁそういう事だ、俺も失礼するぜ。こんな所に長時間居たら胸焼けしそうだ。」

 

八幡「余計なお世話です。」

 

 

そう言って神田先生は病室から出て行った。しかしどうなるんだろうな、天之川は。俺としては、ずっと刑務所の中か少年院の中にいて欲しいんだが。

 

 

柊「ねぇ、私またあの嫌な空気と立ち会わないといけないの?そんなの絶対に嫌だよ?」

 

涼風「お姉様、お気持ちはよく分かりますが、八幡さんの証人としても諦めるしかないかと。」

 

柊「あんな気味の悪い幽霊なんかに見たくも近づきたくもないのに………」

 

八幡「仕方ねぇだろ、そこは割り切ろうぜ。」

 

柊「はい、じゃあもうこの話はもうおしまい!はい八幡君、次は私が林檎を食べさせてあげるからね♪はい、あ〜ん♪」

 

八幡「分かったからそんな前に「お兄ちゃ〜ん、お見舞いに来たよ〜!」………タイミング最悪かよ。どのタイミングで入ってきてんだよ、しかもノックも無しに。」

 

 

俺もまた教育し直した方がいいのかねぇ?

 

 

小町「お兄ちゃん、怪我の具合は………お、おぉ〜お兄ちゃんが介護されてる。」

 

八幡「小町、入る時はノックを忘れるな。それと病院内では静かにする事、いいですね?」

 

小町「まぁそれよりも。」

 

八幡「それよりも?……まぁいいや、で?」

 

比企谷母「八幡、怪我はどうかしら?」

 

八幡「おふくろ……まぁ、特には。」

 

比企谷母「あら、確か初めましてよね。八幡と小町の母です、いつも息子がお世話になっています。」

 

柊「いえ、こちらこそ。夜十神柊です。八幡君の彼女をさせてもらっています。」

 

涼風「妹の涼風と申します。姉共々よろしくお願い申し上げます。」

 

比企谷母「えぇ、よろしく。けどまだ驚きだわ。夏に知ったけど、八幡に彼女が居たなんてね〜………しかもこんなに美人な。」

 

柊「痛み入ります。」

 

比企谷母「………はぁ、もう何やってるんだか。アンタ、早く入ってきなさいよ。何いつまでもウジウジしてるのよ?年頃の女子学生じゃないんだから、早く入って挨拶しなさいよ。いい男の大人がみっともないわね。」

 

 

あっ、親父も来てたんだ。そして何故か恥ずかしがってる?

 

 

比企谷父「ウ、ウジウジなどしていない!心の準備をしていただけだ!」

 

比企谷母「それをウジウジって言うのよ………」

 

小町「うん、ぶっちゃけ小町もそれ思ってた。」

 

 

俺もそう思ってた……ちょっとみっともない。

 

 

比企谷父「………んんっ!初めまして、八幡と小町の父です。息子がご迷惑をお掛けしていますが、これからもよろしくお願いします。」

 

柊「はい、よろしくお願いします。」

 

涼風「こちらこそ、ご迷惑をお掛け致しますが、今後ともよろしくお願い致します。」

 

比企谷父「………ところで、息子に壺を買わせたりはしませんよね?」

 

2人「壺?」

 

 

バシッ!!

 

 

比企谷父「痛っ!!な、何をするんだお前!?」

 

比企谷母「それはこっちの台詞よ!アンタは息子の彼女に何を聞いてるのよ!」

 

小町「お父さん、流石にそれはないよ………」

 

 

親父………確かにその言葉はないが、この2人の家の財力ならそこらの壺なんて簡単に買えるから。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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