俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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拘束されている彼は………

 

 

天之川side

 

 

天之川「………」

 

 

俺が警察の留置所に入れられてから2日が経とうとしている。裁判が行われるまでの間、罪人はこの場に入れられる。俺は自分が罪を犯した覚えなんて無いから、抵抗したし抗議もしたが、警官に無視をされ続けるとその気力も無くなる。さらに俺が今1番気力が無くなっている最大の理由は………家族が会いに来てくれないという事だ。この場所にも面会というシステムはある。なのに俺の家族は2日経っても会いに来てはくれなかった。

 

 

天之川「何故だ……どうして来ないんだ………」

 

 

俺の家族はそんな薄情じゃない。困り事があったら相談にも乗ってくれるし、休みの日には家族総出で出かける日だってある。その辺の家族よりかは家族愛が強いと思っている。そんな俺の家族がまだ1度たりとも面会に来ていない………どうしてなんだ?

 

 

天之川「………っ!そうか、きっと俺の為に。俺の為に弁護士や武器になる証拠を集めているから………だから今は面接に来ている暇が無いのか!そうだ、きっとそうに違いないっ!」

 

 

今は証拠集めや証言集めで時間が取れないんだ!だから面会に来れないんだ!きっと今も………俺がもっとしっかりしていればこんな事には………だが次はこんな事は起こさない!今は両親や光香も頑張っているんだ!俺も今はこの生活を耐えるべきだ!今俺のやるべき事をやるだけだ!!

 

 

天之川「だが………比企谷の奴、今はどうしているんだ?病院には居ると思うが、腕の治療は終えている筈だ。その後は?きっと事情も聞かされている筈だから、もしかしたらアイツも何処かの留置所に?いや、普通に入院かもしれないな。あの怪我で留置所だったら、流石に健康面で問題がある。気に食わないが、おそらくは病院で入院しているだろう。」

 

警官「君はまたブツブツ独り言か?昨日に続いて飽きないものだ………食事の時間だ、食べ終わった容器は下から廊下に戻しておくように。」

 

 

あの警官、俺は覚えている。俺を真っ先に組み倒した警官だ。あの警官が仲間の応援や救急車を呼んだのか………判断は間違えていないが、捕まえる相手が違うだろ。本来捕まえるべき相手は俺の目の前に居た人間だ。それなのにあの警官は何を血迷ったのか、俺を捕まえて幾つかの質問をされた後に、この場所に入れた。裁判で分からせてやる、お前は捕まえる相手を間違えたんだと。

 

 

天之川「………」モグモグ

 

 

だがこの留置所、俺以外に人は居ないのか?2日間過ごしたが、あり得ないくらいに静かだ。もっと人がいるのかと思っていたが………

 

 

天之川「……少しいいですか?」

 

警官「何だ?」

 

天之川「此処には俺以外に人は居ないんですか?」

 

警官「今のところは君以外には誰も居ない。それに今年に入ってからこの場所に入れられた罪人は君を入れて2人目だ。そういえば1人目も君と同じで学生だったのは記憶している。」

 

天之川「俺で2人目………」

 

警官「そんな事よりも早く食事を済ませろ。」

 

 

もう1人も俺と同じ学生………今は少年院で暮らしているのだろうか?それはどうでもいいが、俺が2人目という事は千葉県内で犯罪を犯した人数は俺ともう1人の男だけという事か?

 

いや、俺は犯罪を犯してない。確かに今はこの留置所に身を拘束されているが、俺はすぐに釈放されて、比企谷が少年院に送られる。

 

 

待っていろ比企谷………裁判の日が楽しみだ。お前の余裕が絶望に変わるのが今から待ち遠しい。お前の積み重ねてきた罪が世に出回ってからでは遅いんだからな!今は俺の家族達が頑張ってくれているんだ、お前に勝ち目なんてない!

 

 

天之川sideout

 

輝幸side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

光香「お父さん、お母さん。比企谷さん達って良い人達だったね。」

 

光輪「そうね。あんな風に言ってくるなんて思わなかったわ。特に比企谷さん達なんて自分達の子があんな大怪我をしていて、かつ私達がその怪我を負わせた本人の親だと知ってあの態度………」

 

輝幸「俺達も見習わないとな。」

 

光香「それでさお父さん。お兄ちゃんの事だけど、本当に何もしないの?」

 

輝幸「光輝を擁護したところで悪く言われるのは目に見えている。それにだ、どちらが悪いかなんて事件の段階でも手に取らなくても分かる。それに今日比企谷君に会って分かった、あの子は人を騙すような子じゃない。」

 

光香「うん、それは私も思った。」

 

光輪「彼女さんを守る為にと言っていたものね。修学旅行から帰って来た光輝の様子がおかしいと思っていたけど、あの子達の事だったのよね。」

 

輝幸「あぁ……しかもその女の子にトラウマを植え付けてしまう程の事までしてしまった。それを気付いていながらアイツは………」

 

 

だがトラウマから離れられるという意味では、この状況はある意味正解なのかもしれない。きっと彼等は今この時間を平和に過ごせている筈だからな。光輝が余計な事をしてくれたせいで、あの子達は心に余裕がなくなる程に追い込まれていた事だろう。

 

 

光香「はい、上がり〜!」

 

 

え…………あっ!!

 

 

輝幸「おいおい、そこで8切りするのか?お父さん次で勝てたのになぁ………」

 

光香「へっへ〜ん、どんなもんだっ♪」

 

光輪「ふふふっ、じゃあ私はこうしようかしらね。」

 

輝幸「え!?キングが3枚!?」

 

光輪「はい、終わりね。」

 

光香「お父さんって考え事してる時、凄くゲーム弱くなるよね〜。まぁいつも弱いけど。」

 

輝幸「また最下位………」

 

 

俺は何度大貧民になればいいんだ?

 

 

 




天之川…家族が頑張っていると思っている。

天之川の家族…2家に謝罪、そして大富豪なう。
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