俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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お見舞いの差し入れは?

 

 

柊side

 

 

事件から2日後。今日から学校なんだけど、八幡君が居ないから気分が乗らない。放課後になるまで八幡君がお預けって思うと、その時間がとても長く感じてしまう………八幡君、今日から来てくれないかなぁ。

 

 

涼風「お姉様、今日から5日間頑張りましょう!私も八幡さんが居ないととても心細いです………ですが私は思います、それを乗り越えた時こそ、最高の瞬間を迎えられるのです!」

 

柊「そうは言ってもさ、八幡君が居ないんだよ?八幡君成分が放課後にしか摂れないんだよ?涼風はそれに耐えられるの?私達に出来る事といえば、八幡君の事を思いながら写真を見る事くらいだよ?」

 

涼風「………頑張りましょう!」

 

 

涼風も自信無いんだ………そうだよね、八幡くんが居ないんだもんね。私達のやる気も30%くらいしか出せないよ。はぁ………憂鬱だなぁ。

 

 

ーーー2-F・HRーーー

 

 

平塚「それと今日欠席している比企谷だが、先日土曜日に起きた事件で怪我をした為、現在入院中だ。退院は1週間後だから土曜日に退院して、来週の月曜日からまた登校してくる。あまり事件の内容を詮索しないように。以上だ。」

 

 

やっぱり起きた事は言うよね………何だか教室も騒めき出したし。見た感じ心配はしてなさそう。してるのは数人程度かな……興味ないから本当に見た感じだけど。

 

 

戸塚「夜十神さん、八幡の事は知ってたの?」

 

涼風「……はい、姉は当事者でもありますので。私はその時居ませんでしたが。」

 

戸塚「酷い怪我なの?」

 

柊「……左腕に刃物が刺さっちゃったんだ。だから今は傷口を圧迫して固定してる。別に経過観察でも大丈夫だって言ってたんだけど、念の為にって。」

 

川崎「そうなんだ……」

 

涼風「そんなに心配はいりませんよ。意識もハッキリしていますし、ちゃんとお休みもされているようでしたので。宜しければ放課後にお見舞いでもどうですか?」

 

戸塚「そうだね、僕は行こうかな。今日の部活はお休みにしてもらう事にするよ。八幡が心配だし。」

 

川崎「あたしは今日はやめとく。妹のお迎えもあるから。明後日なら行く。」

 

柊「じゃあ放課後になったら八幡君の病室に行こっか。」

 

涼風「はい。」

 

戸塚「うん!」

 

 

それからは何事も無く1時限目から4時限目が終わってお昼休みになった。八幡君が居ないから、私達もいつもの重箱ではなく、普通のお弁当箱にしている。だってアレは八幡君と涼風と私の3人だからこそ出来る事だもん、2人だったら無理!

 

 

柊「ねぇ涼風、お見舞いって行くのはいいけどさ、何か持っていかないとダメだよね?フルーツとか持ってく?」

 

涼風「お姉様、それは昨日持って行ったではありませんか。はぁ………お姉様がそう言うだろうと思って、私が本を用意しておきました。八幡さんのお父様も本を持って行くとは言っていましたから、私は5冊程度にしました。私達からの、という事にしておきましょう。」

 

柊「流石は我が妹!頼りになるなぁ〜♪」

 

涼風「お姉様が考えなし過ぎるのです。普段は凛としててカッコ良いというのに、どうして八幡さんの事になると、こうもアンポンタンになってしまうのでしょう?」

 

柊「涼風ちゃん、毒あり過ぎない?」

 

涼風「お姉様は何か考えなかったのですか?」

 

柊「考えたよぉ〜……けど食べ物はフルーツあげちゃったし、お菓子は消化に良くないし、服だってお父さんのがあるし、本は涼風が用意するって言ったし………ねぇ、他に何がある?」

 

 

涼風(………意外に色々と考えていたのですね。先ほどの言葉は訂正しておきましょう。)

 

 

涼風「そうですね………っ!でしたらプリンを作ってみてはいかがですか?」

 

柊「プリン?」

 

涼風「はい。プリンはヨーグルトやゼリーと一緒で消化に良い食べ物です。作り方も比較的簡単ですので、八幡さんに作ってはどうでしょうか?八幡さんは甘い物が大好きですから。」

 

柊「………それだよ!うん、それにするよ!よぉし、八幡君のお見舞いが終わったら、頑張ってプリンを作ろっと!涼風、手伝ってくれる?」

 

涼風「勿論です!私も八幡さんにプリンを作って差し上げたいですから。」

 

柊「ふふふっ、楽しみが増えたね♪」

 

 

よくよく考えたら、お菓子作りってそんなにした事ないかも。クッキーとかは作った事あるけど、プリンは1度も無いんだよねぇ〜。もし作り方を覚えられたら、デザートにも作れるし、お弁当の食後にも良さそう♪

 

 

涼風「今少しだけ調べたのですが、色々な作り方があるみたいですね……フライパンで作ったり、電子レンジで作ったり、様々みたいです。」

 

柊「皆凝った作り方するんだね〜。でも最初は無難に普通の作り方でいいよね。わざわざ難しい作り方から覚えなくてもいいし。」

 

涼風「はい。作り方を覚えてから徐々にアレンジをしていきましょう。」

 

柊「うぅ〜ん……ネットだけだと心許ないから、帰りに本でも買わない?その方が戦略の幅が広がるし、色んな事が分かりそう!」

 

涼風「そうですね!では帰りは本屋でデザート系のレシピ本を探しましょう。」

 

 

ふふふふっ、八幡君待っててね。私と涼風がとっても美味しいプリンを作って、おみまいに持っていってあげるからね♪

 

 

 

 

 

 


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