俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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裁判!!

 

 

八幡side

 

 

退院して更に1週間が過ぎた。特に何事もなく平和に過ごせたが、あんな風に何も警戒せずに過ごせたのはここ最近なかったから何日振りだろうと思ってしまった。それもそうだ、修学旅行前に森崎が来て終わったと思ったら、今度はそれに続き天之川があり得ないくらいの粘着で絡んで来やがった。

 

だがまぁ、そんな苦労した日々も何処かへ行ってしまったから、今はとても充実している。だが、今俺がいる所ではそんな空気は出せない。何故なら………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

裁判長「これより、裁判を開始する!」

 

 

これから、天之川の裁判が始まるからだ。しかも、かなり一方的な裁判が。

 

 

弁護士「事の発端は修学旅行にあります。2日目の自由行動にて2人は再会。一緒に行動しないかと被告人より発言がありましたが、これを拒否。少ししてからクラスメイトの生徒達が待ちくたびれたように彼に話しかけている間にその場を離れました。そして同じ日の夜、嵐山の竹林にて2人で過ごしていた比企谷君と夜十神さんを見つけた被告人は比企谷君をいきなり突き飛ばしました。比企谷君と夜十神さん2人の証言によりますと、彼は比企谷君を突き飛ばすと比企谷君を悪者扱い、危険人物扱いしたとの事です。その後夜十神さんは被告人が守ろうと行動に出ましたが、彼からの行動に強い拒絶をし、比企谷君の背中へと身を隠して、更には被告人に対して震える程の恐怖に苛まれていたようです。」

 

天之川「っ〜………!!」

 

 

天之川の奴、反論したくて堪らないって顔だな。

 

 

弁護士「今ご説明した修学旅行の件に続き、彼はその後も被害者である比企谷八幡君及び夜十神柊さんへの執拗な絡みを止める事はありませんでした。さらに旅行後には彼に接触禁止令が担任により出されていたにも関わらず、その翌日には比企谷君に接触していた事が分かりました。その翌日には京葉高等学校の校長、教頭の立ち会いの元に処罰が下されました。内容は資料にてご拝見ください。この処罰には被告人である天之川君のご両親も納得済みです。そして5日後の土曜日に天之川君による刺突事件が起こりました。比企谷君は左腕に刃物が刺さる怪我を負い、1週間の入院。天之川君は警察によって拘束され、今日までずっと留置所で生活をしていました。その間、千葉大学医学部附属病院院長の神田次矢院長により精神鑑定を受けました。その結果、天之川被告は精神障害者だという事が判明しております。特に判断力や解決能力にとても強い異常があるようです。」

 

 

すげぇ……俺達の間で起きた出来事を1回も噛まずに言い切った。しかもそれを昨日の事のようにペラペラと言っちゃってたし………マジすげぇ。

 

 

裁判長「うむ、ご苦労。では被告人である天之川光輝、何か言いたい事はあるかな?なお発言は手短に行うように。」

 

天之川「はい。まず1つ目として、竹林での事ですが、俺は比企谷が柊に迫っていたからそれを引き剥がしただけです!突き飛ばしたりなんてしていません!!それに、もし仮に突き飛ばしたとしても、無理矢理迫られているのに、それを助けない訳にはいきません!!」

 

裁判長「……被害者である比企谷君、並びに夜十神さんはこれに対しての返答を。」

 

八幡「はい。確かに俺は柊に迫っていました、そこは否定しません。ですがそれは互いに了承を得て取った行動です。自分達は2年前、あの場は交際する事になった記念の場所でもあります。ならあの時のようにキスをしようかって話になり、それを実行しようとした所に彼が現れて、俺が突き飛ばされました。それとお前に聞くぞ。お前あの時両手で俺の肩を押したよな?あれが突き飛ばしてないって言うのなら、お前が取ったあの時の行動は一体何ていうんだ?」

 

天之川「っ………」

 

 

言い返せねぇのなら言うんじゃねぇよ。無駄な時間使わせるんじゃねぇよ………

 

 

輝幸「………」

 

光輪「………」

 

光香「………」

 

 

天之川「では2つ目に………俺は担任の先生から接触禁止令なんて出されていません!話は確かにしましたが、そんな事は言われていません!」

 

弁護士「天之川君、本当にそう言い切れますか?」

 

天之川「はい、間違いありません!!」

 

弁護士「そうですか………実はこちらに担任である畑山先生がその時に会話したであろう内容を覚えている限りではありますが、記した手記があります………その内容を拝見してみたのですが、『金輪際、貴方が彼女達に関与する事を一切禁止とします!!』という風に書かれているのですが、これは間違いでしょうか?」

 

天之川「っ!?それは………」

 

弁護士「しかも貴方はその後に担任の教師が懇切丁寧に説明して下さったというのに、さらに比企谷君を誹謗中傷するような発言までしたそうですね。畑山先生によると『虚言まで言わせていたのか。』『比企谷は罰を受けるべきだ。』『卑怯者』『偽善者』と発言していたみたいですね?」

 

天之川「本当の事を言ったまでです!!」

 

弁護士「その結果が、その次の日に夜十神さんの妹さんを泣かせる事になり、クラスメイトから失望される事になったとしても、ですか?」

 

天之川「っ………」

 

 

確かに最初来た時とは天之川に向けていた視線は違ってたよな。冷めたような………マジかよ、みたいな目で見てたな。

 

 

天之川「………そうだ、俺は精神異常者なんかじゃない!!俺は普通の人間です!!どこも異常なんかない!!」

 

 

おいおい、今度はそっち方面の否定かよ。俺等の事じゃねぇのかよ。

 

 

神田「何だぁ?俺の結果が不満か?」

 

天之川「当たり前だ!!デタラメな診断結果を「あ?デタラメだと?」っ!?」

 

神田「お前、またぶっ叩かれてぇのか?んじゃ今度はぶん殴りながら診断してやろうか?同じ質問をよ?それに何度やったとしても答えは一緒だよ。俺じゃない精神科の医者が診ても全員が同じ答えを出すだろうぜ。」

 

天之川「くぅ………!!」

 

 

相手が悪かったな、あの人見た目ヤクザだしな。それに加えてそれ以上の風格あるし。

 

 

裁判長「では、判決を言い渡す!!」

 

 

っ!いよいよか………

 

 

 

 


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