俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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険悪なワケ

 

 

八幡side

 

 

翌日の学校。登校してきたは良いものの、やはり昨日と同じで教室内の雰囲気は良くない。俺は別にどうでもいいが、これが続くようだと流石に黙ってはいられない。少し誰かに聞いてみるか………まぁ、俺が事情を聞ける人間なんて、由比ヶ浜、戸塚、川………上?くらいだけどな。柊と涼風は知らないって言ってたし。

 

 

八幡「よう戸塚、少しいいか?」

 

戸塚「あっ、八幡。どうかしたの?」

 

八幡「いや、俺が来てからの学校というか、このクラスの雰囲気おかしくね?なんかあったのか?」

 

戸塚「………僕もよく分からないんだけど、三浦さんが葉山君達に対して何か怒ってるみたいなんだ。僕も直接聞いたわけじゃないから分からないんだけど、見れば分かるでしょ?いつも一緒に居る筈なのに、集まってる場所に行こうともしないんだ。」

 

 

成る程、この険悪な雰囲気の原因は三浦………というよりも葉山グループか。よくもまぁこの短期間でこんなにもトラブルを引き起こせるもんだ。

 

 

八幡「お前も理由は知らないんだな?」

 

戸塚「うん、突然あんな雰囲気になってたから皆驚いてるくらい。僕達も知りたいくらいなんだ。」

 

八幡「そうか………」

 

戸塚「八幡は病院から退院して昨日が久しぶりの登校だったもんね。知らないのも無理はないよ。先週の………水曜日か木曜日からなんだ。」

 

八幡「もう1週間って事か………早く何とかしてくれないもんかね。」

 

戸塚「あははは………」

 

 

だが実際にこう思っている奴は少なくない筈だ。ただでさえクラスの女王様が不機嫌丸出しなんだ、無関係な奴からしてみれば迷惑でしかない。

 

だがそれ以前に葉山の奴は何してんだ?戸塚から聞いて分かった事だが、この問題はアイツが解決するべき問題だ。それなのに何故1週間も放置している?

 

 

八幡「………まっ、俺が幾ら知恵を絞ったとしても考えるだけ無駄か。」

 

 

きっと斜め下の問題だろうし。

 

 

ーーー昼休みーーー

 

 

八幡「ふぅ……ご馳走さん、今日も美味かった。」

 

柊「当たり前っ♪八幡君だけに分かる愛情をい〜っぱい注いであるからねっ♡」ダキッ!

 

 

あの事件以来、柊は俺にもっと依存するようになってしまっていた。まぁ無理もないとは思っている、目の前であんな事が起きたんだしな。それに俺でなくとも、恋人が目の前で大怪我を負った後は、看病とかをしたくなるもんだと思う。

 

 

八幡「悪い、少し飲み物買ってくる。何か欲しいのあるか?」

 

涼風「ではご一緒します、八幡さん。お姉様は待っていて下さい。」

 

柊「涼風〜、もしかしてアピール?」

 

涼風「お姉様という恋人が居ますのに、何故私が八幡さんにアピールをしなければならないのですか?私にとって八幡さんは大事な義兄です。」

 

八幡「こんな場所でそんな事は言わなくていいから。んで柊、何か飲みたいのはあるか?」

 

柊「うぅ〜ん……じゃあお茶でいいよ。」

 

八幡「お茶な。じゃあ行ってくる。」

 

涼風「すぐに戻って参りますので。」

 

柊「はぁ〜い♪」

 

 

ーーー自販機ーーー

 

 

八幡「柊のは聞いたものの、俺は何にするか。」

 

涼風「マックスコーヒーではないのですか?」

 

八幡「今は違う気分でな。普段だったら迷わず一択なんだが………」

 

涼風「迷わないんですね………」

 

 

千葉のソウルドリンクだぞ?迷う必要が何処にあるんだ?むしろ千葉県民はもっと飲むべきだ。

 

 

葉山「ヒキタニ君、少しいいか?」

 

八幡「………葉山?」

 

葉山「話を聞いてもらえないか?」

 

八幡「面倒事はゴメンだぞ?ましてや、今クラスの話題になってる三浦関係ならもっとゴメンだ。」

 

葉山「そこを何とか頼めないか?」

 

八幡「却下だ、自分で何とかしろ。そもそもお前等の問題に何で俺が首を突っ込まないといけねぇんだよ。第一、俺はまだ病み上がりの状態なんだ。疲れる事はしたくない。」

 

葉山「………修学旅行の告白の事が、優美子にバレたんだ。」

 

 

なんか急に勝手に語り出したんだけど?え、俺もう飲み物買って行っていいかな?いいよね?誰も聞くなんて言ってねぇし。

 

 

八幡「あっそ。じゃあ俺はコーヒー牛乳でいいや。涼風は何にする?」

 

涼風「私はお姉様と一緒のお茶にします。」

 

八幡「そうか、じゃあ「比企谷、俺の話聞いているのか?」………何だよ?俺は聞くなんて一言も言ってねぇぞ?お前が勝手に話し始めたんだろうが。勝手に人のせいにするな。」

 

 

それにコイツ、俺の苗字の呼び方知ってんじゃねぇかよ。分かっててあの呼び方してたのかよ、最低じゃねぇか。

 

 

葉山「だからといって、人の話を無視するのはどうなんだ?」

 

八幡「知るか、勝手にやってろ。行くぞ涼風。」

 

涼風「はい。「夜十神さんからも、比企谷に何か言ってくれないか?」私から八幡さんにいう事は何もございません。失礼致します。」

 

葉山「………」

 

 

ったく、俺を何だと思ってるんだアイツは?カウンセラーじゃねぇんだぞ?悩み事ならネット掲示板にでも書いとけ。

 

 

涼風「八幡さん、よろしかったのですか?」

 

八幡「話、聞いた方が良かったって?」

 

涼風「いいえ、とんでもありません。私もあの方のお話は聞きたくありません。八幡さんの態度から察するに、あまり好印象をお持ちではないようなので。八幡さんが嫌いな方は、私も嫌いです。」

 

八幡「俺自身が嫌いだと言ったら?」

 

涼風「………その質問は卑怯です。」ジト~

 

八幡「ごめんなさい。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




葉山ァ………

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