俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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混沌と勝負

 

 

八幡side

 

 

2人が俺のベッドに入りたいと言ったから許可を出したわけだが、柊は突然ダイブをして俺のベッドに潜り込んだ。あのさ、いいんだよ?言ったのは俺だから今更無しにするとかはないけどさ、普通やる?いつもそのベッドで寝てる本人の前でそういう事する?

 

 

柊「すぅ〜………んはぁ〜………八幡君の匂いがいっぱぁ〜い♡えへへ、えへへへ〜このまま私も八幡君になりたいなぁ〜♪」

 

八幡「何を言ってるんだ?」

 

涼風「うぅ……お姉様、1人で独占するなんてズルイです………」

 

八幡「いや、そんな事で張り合うなよ………」

 

涼風「ですが………っ!」

 

 

すると涼風は何かを見つけたのか、視線を何かに集中させていた。ベッドなのは分かったが、柊が布団を掛けながら丸まっている………のを見ているわけではなさそうだ。もう少し上側………枕を見ているような?

 

 

涼風「………」スタスタ

 

八幡「………」

 

 

涼風は俺の枕を手に取った。何故か少し丁寧に持っているんだが………

 

 

涼風「………すぅ〜。」

 

八幡「やっぱりか………」ガクッ

 

涼風「んっ………とてもクセになる香りです///私の大好きな、近くに居るだけで幸せになれるような、とても良い香りです///」

 

柊「このまま八幡君がベッドに来てくれれば、私は抱き枕にされて………良い、凄く良い。ギュッてして貰ってナデナデも………」

 

涼風「私が八幡さんの枕になれば………八幡さんのお疲れを癒す為に頭を撫でたりも出来ますけど、もし八幡さんが嫌でなければ………お、おでこに……キ、キスなんかも………/////」

 

 

ヤバいこの2人、俺の寝具の匂い嗅いでるだけでとんでもない事言い始めてる。コレ、引き剥がした方がいいのか?元の世界に連れ戻すべきか?

 

いや、でも今声を掛けたら俺にも被害が出そうだな………ここはもう少し様子を見るか。いつ正気を取り戻すのかも気になるしな。

 

 

ーーー数十分後ーーー

 

 

柊「すっごく幸せ時間だったよ……今でも八幡君に抱き締められているような錯覚が………」

 

涼風「八幡さんの香り、とても堪能しました。ところで、枕のシーツを私に………」

 

 

やや危険な思考はまだ残ったままだが、幾分かはマシになったな。しかしまぁ、ただのベッドでよくこんなにもカオスな状態になれるもんだ。俺には無理だ。だって男がやったらキモいだろ?やる予定なんて一生ないとは思うけど。

 

 

八幡「まぁ俺の部屋に来たところでできる事なんて限られてるから、面白くはないだろう?今のだってただベッドの匂いを嗅いだだけだしな。」

 

柊/涼風「ううん(いいえ)、最高だった(でした)。」

 

 

………もうそれでいいや。

 

 

柊「あっ、ねぇねぇ!久しぶりにさ、中学の頃にやってたトランプとかしない?久しぶりにやると楽しいかもしれないしね!」

 

涼風「いいですね、やりましょう。」

 

八幡「じゃあ何やる?ババ抜き、ジジ抜き、大富豪、大貧民、ポーカーとかも出来るぞ?」

 

柊「じゃあ最初は簡単なババ抜きでもしない?そして最下位の人は………1位の人の命令を聞く事にしよっか。そのくらいのスリルが無いとね。」

 

八幡「言っておくが、無理難題な命令とかするなよ?常識の範囲内での命令で頼むぞ?」

 

柊「分かってるよ〜じゃあもし私が1位で八幡君が最下位の時は、八幡君が私の事をギュッと抱き締めてね♪」

 

 

命令って先に言っていいのか?まぁいいか、楽しくゲーム出来ればそれで。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「ほい、今度は俺が1位だな。柊、今の所良いとこ無しだぞ?全試合連続で2位なんだからよ。」

 

柊「分かってる!次は絶対に負ける!!」

 

涼風「次も頂きます!」

 

 

なんだかんだババ抜きをしているのだが、柊は全ての戦いにおいて順位が2位で終わっているのだ。1位と最下位は俺か涼風のどちらかが獲るという事になっていた。だから柊は俺か涼風が罰ゲームを受けている所を見ている事しか出来ないでいた。

 

 

涼風「お姉様の勝負弱さはお父様から完全に受け継がれていますね。まさか1回も勝てないだけでなく、最下位にもなれないなんて………欲を出し過ぎたのでしょうか?」

 

柊「そんな事言ったら、八幡君と涼風は2人だけで罰ゲーム盛り上がってるじゃん!私だってやりたいのに、2位で上がっちゃうんだもん!」

 

八幡「それもまた微妙な所だな………」

 

柊「………コレかなぁ。あぁ〜もう!!何で揃っちゃうのかなぁ!?私後2枚だから次揃ったらもう終わりだよ!?また2位だよ!?普段だったらシルバーカラーなのに、このゲームだと2位がドブみたいな色に見えちゃうよ!」

 

 

例えが悪いな………このゲームでの2位のカラーがドブって何?

 

 

涼風「ではコレを………揃ってしまいましたか。」

 

柊「よしっ!!次のカードで外れれば私にも勝機がある!!お願いだからハズレを引きたい!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柊「うぅ〜何でぇ〜!!?」

 

涼風「八幡さん、痛くありませんか?」

 

八幡「あぁ、ちょうどいい。」

 

柊「全部2位!!見せ場も何も無かったよぉ〜!!」

 

 

柊はあの後も全て2位を獲り、俺は今涼風の命令で耳掃除をしてもらっている。

 

 

柊「涼風ばっかりズルい!!」

 

涼風「コレばっかりは運と実力ですわ、お姉様。私に言われても困ります。」

 

柊「うぅ〜……」

 

 


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