柊side
あ〜ぁ、結局あの後1回も勝てなかったよ。私もやりたかったなぁ………耳掻き、膝枕、あ〜ん、ギュッってしたりとか色んなのをしてた。おのれ涼風めっ、勝負とはいえ八幡君にそんな事が出来るなんて羨ましい!こんな事になるなら罰ゲームシステム入れるんじゃなかったよ〜!
涼風「お姉様?如何しましたか?」
柊「涼風がすっごく羨ましいって思ってただけ。」
涼風「?」
柊「だって八幡君に色んな事してたじゃん!私もやりたかったのに〜!納得はしてるよ?罰ゲームって言ったのは私だからさ。けど私も1回くらいやってみたかったなぁ〜って。」
涼風「その事でしたか………ですが何故、勝負をしようと?お姉様も理解していると思いますが、お姉様は駆け引きとかがあまり得意な方ではないでしょう?なのに何故?」
柊「えっと、八幡君のベッドで匂いを嗅いでたら調子に乗っちゃって………」
だって八幡君の匂いなんだよ?八幡君の匂いがこれでもかってくらい染み付いたベッドなんだよ?行くに決まってるじゃん?あったら普通飛びつくじゃん?あの匂いきっと麻薬以上だよ、うん。
涼風「成る程、でしたら仕方ありませんね。」
柊「うん、八幡君の匂いだから仕方ない。」
涼風「しかし、今日初めて八幡さんの家に行きましたが、本当の一般家庭の一軒家はあんな風になっているのですね。私達の住んでいる空間が如何に広いかが分かりました。そしてあの間取りの中で生活しているのだと感じました。そう考えると、私達の家はとても広々としているのですね。」
柊「そうだね、私も同じ事思ってた。家の半分もないくらいの大きさの家に住んでるんだなぁって。でもあれが普通なんだよね〜。私達も一応、金銭とか常識とかはお父さん達から教わってるからその辺は大丈夫だと思うけど、こういうのは実際に見てみないと分からないからね〜。けどマンションとかアパートに住んでる人達はどうなんだろうね?」
涼風「あの大きな建物の中がどんな風になっているのか、気になりますね。色々と調べてみませんか?千葉のマンションやアパートの事を。」
柊「良いねそれ、面白そう♪」
やっぱり2階まであるのが普通なのかな?それとも1階まで?そういうのも考えると、ちょっぴり楽しくなっちゃうよね。でもアパートとかってドアも沢山あるから………あはは、どんな風になってるんだろう?
柊sideout
八幡side
家の中に入った時もそうだったが、入る前からも少し驚いた様子だったな。今まで普通の家に入った事が無い2人からしてみれば驚きだったろうな。まぁ俺もあんなデカい家に行った時は驚いたもんだ。『え、マジで此処に住んでるの?』って思っちまったし。そのくらい俺にとっても驚きだった。まぁこれでイーブンだろ。夜十神家は普通の日には普通の食事を摂っているが、あの部分はウチじゃあどうしようもねぇよな。俺も最近あの家の普通の料理を食べたけど、そこらの家と変わらん。だから飯に関しては大丈夫だ、エラい高級食材使われない限りは。
小町「ただいま〜あれ、お兄ちゃんがそんな所にいるなんて珍しいね?どったの?」
八幡「さっきまでお客が来てたからな、飲み物と茶菓子出してたからその片付けだ。それよりもお前、今日は遅かったな。」
小町「勉強会開いてたから。所でそのお客さんって誰なの?小町の知ってる人?」
八幡「柊と涼風だ。俺が何回もあっちの家に世話になってるから、今日はウチに遊びに来たらどうだって誘っただけだ。」
小町「えぇ〜柊さん達来るのなら言ってよ〜。そしたら小町も家に帰って来てたのに〜。」
八幡「お前は受験勉強してろ。それに………」
取り繕っていたとはいえ、柊の目には俺の家族に対しても一切の興味を抱いていなかった。ただの恋人の家族って認識だろう。たとえ小町が柊と仲良く出来ていたとしても、それは柊の表面上で仲良くしてもらっているという事でしかない。小町にもその事情は話してはいるが、それだけだしな。
小町「?何、お兄ちゃん?」
八幡「ん?いや、何でもない。」
小町「そっか。じゃあ小町は晩御飯作るから、お兄ちゃん後片付け終わったら教えてね〜。」
八幡「おう。」
片付けが終わって小町に知らせてから、俺は居間にあるソファに寝転がる。そして近くに置いてあったスマホを確認すると、柊と涼風から1件ずつメールが届いていた。
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・To:比企谷 八幡
・From:夜十神 柊
内容:八幡君、今日はありがとう♪とても楽しかったよ!!また遊べる日があったら、誘ってね♪それと、今度は八幡君のYシャ………ううん、何でもないの!また誘ってね!
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アイツ、絶対に今度はYシャツの匂いも嗅がせて欲しいっていう気だっただろ。なんか少しずつ変態色が出てきてるんだが………俺、少し悲しい。
次は涼風だな。
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・To:比企谷 八幡
・From:夜十神 涼風
内容:本日はお招きありがとうございました。とても幸せな時間を過ごせました。機会がございましたら、是非お誘い下さい。私達も八幡さんが我が家に来るのを心よりお待ちしております。
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涼風らしい丁寧な言葉遣いだな。柊、お前も涼風のこういう所を見習って「ピロリンッ♪」だな……ん?また涼風から?
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・To:比企谷 八幡
・From:夜十神 涼風
内容:その、できれば次は私が八幡さんのベッドに入りたいです………
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撤回します、柊さん。やっぱり貴女の妹です。