俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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一先ず

 

 

八幡side

 

 

柊と涼風が我が家に来た次の日。2人はいつも通り俺の家へと迎えに来てから一緒に登校するという1種のルーティーンをしている。俺もこれにはもう慣れた。慣れたっつってもようやく1ヶ月ってところだけどな。だってその前は誘拐強姦魔だったり、唯我独尊野郎だったりで歩けなかったからな。

 

 

柊「今日も楽しく過ごせれば良いね!」

 

八幡「そう祈るばかりだ。三浦が暴発してなけりゃいいけどな。」

 

涼風「八幡さんは昨日の事をまだ憂いているのですか?ご自分の事ではないのに?」

 

八幡「俺等には関係ない事だが、クラスメイトではある以上面倒な事はついて回る。特に今回のような事がな。三浦に限らず、葉山も俺には関わらないで欲しいと思っている。アイツの持って来る悩みは1つ1つが一々面倒過ぎる上に拗れ過ぎてる。まともなのが来た試しがねぇしな。」

 

柊「でもさ、今もその状態なんでしょ?なら尚更八幡君のところに来るんじゃないの?」

 

八幡「………言うなよ。」

 

 

勘弁してくれよ………アイツの悩みなんてもう聞きたくもねぇよ。チェンメが1回目だが、修学旅行の2回目でもう嫌になった。3回目なんてゴメンだ。

 

 

ーーー2-F扉前ーーー

 

 

八幡「………」

 

柊「………」

 

涼風「………」

 

 

なんかもう既に始まってるんだけど。中から三浦と葉山達が話し合ってる………んじゃなく、三浦が一方的に葉山に問い詰めているのが聞こえる。俺達の聞く限りではだが。

 

 

八幡「………入る?」

 

涼風「入らなければどうしようもありませんが、流石にこの空気の中には入りたくありませんね。」

 

柊「私もかなぁ〜………」

 

 

満場一致で行きたくないって事になるな。それにクラスメイトの中にも教室外に出ている奴すら居る。流石にこの中には入りづらいのだろう。

 

 

八幡「………はぁ、仕方ない。」

 

 

俺は意を決して扉を横にズラして中に入った。やはり注目されてしまう。葉山グループも注目するが、興味なさげに目を逸らす奴もいる。その中葉山は俺の方を困ったような表情で見てるし、由比ヶ浜も何とかして欲しいという顔だった。冗談じゃねぇよ、誰が首突っ込むかってんだ。

 

 

戸塚「お、おはよう八幡。夜十神さん達も………」

 

八幡「おう、おはようさん。今日は朝から随分と騒がしいんだな。」

 

戸塚「うん。葉山君のところでトラブルみたいだね。」

 

八幡「……のようだな。」

 

涼風「この前の野暮用の時と関係が?」

 

八幡「まぁな。」

 

 

告白の事がバレた………けど、それだけだ。自分だけ知らない事が気に入らないだけであんな風になるか?流石に度が過ぎてるぞ?

 

 

三浦「なんかもうまどろっこしいし。ハッキリ言う、隼人は海老名が誰とも付き合う気が無いって知ってたよね?知ってて告白の手伝いなんてしたん?」

 

 

………三浦も知ってたんだな、海老名さんが誰とも付き合う気が無いって事。

 

 

戸部「は?え?ど、どういう事だべ?」

 

三浦「どうなん?」

 

葉山「いや、俺は……」

 

 

知らないなんて言うなよ?俺は京都でお前が知ってる事を聞いてるからな。割って入るつもりは無いが、これで嘘をついたら自分に災いが降りかかるかもしれないからな?

 

 

葉山「あぁ、知っていた。けどそれは修学旅行の最中からだ。流石に依頼を受ける前にこの事を知っていたら、戸部に知らせているよ。」

 

三浦「………」

 

葉山「優美子、相談しなかったのは悪かったと思ってる。次からはちゃんと相談するから。」

 

三浦「………今回はそれで納得してあげるし。」

 

葉山「ありがとう優美子。」ニコッ

 

 

葉山、今のお前程薄気味悪い笑顔を浮かべてる奴は見た事ねぇよ。心の中で安心し切ってんだろうな。けど三浦の顔を見れば分かんだろ………この事に納得してないって事くらい。

 

 

まっ、空気は元に戻ったからいいか。どこまで続くのかは知らんけどな。

 

 

涼風「漸く終わったようですね。」

 

八幡「あぁ。」

 

柊「中学の時もそうだったけどさ、内輪揉めが凄いところって本当に最後まで激しいよね。だっていつまでも喧嘩してるんだもん。同じグループなのに。」

 

八幡「それはあの時が特殊だったからだ。」

 

柊「それもそっか♪」

 

 

あの頃のと今のを比べても比較にすらなんねぇよ。柊が今の障害を患って俺と家族以外の他人に全くと言っていい程無関心になったのを機に、クラス内でトップだったカーストは一気に仲が険悪になっていった。内容は『幽霊ごっこ(あんなの)流行らせたからこんな事になったんだろ!!』らしい。俺からしてみればお前等なんて五十歩百歩だ。それで1ヶ月もの間、人を使って楽しんでたのは何処の誰だって質問してやりたいくらいだ。

 

 

八幡「まっ、あの頃に比べたら今のこんなのなんて俺等からしてみれば些細なもんだ。入るのは流石に躊躇うけどな。」

 

柊「物凄く普通に言うと、どうでもいいしね。」

 

八幡「関わらないのが1番だ。さて、悪い雰囲気も無くなったし、いつも通りに過ごすか。」

 

涼風「八幡さん。今日のお弁当ですが、幾つかお姉様と一緒に新しく作った献立がありますので、楽しみにしていてください。後、デザートにプリンもご用意してあります。」

 

八幡「昼まで待てなかったら?」

 

柊「お昼ご飯抜きって言うね♪」

 

八幡「よし、耐える。」

 

 

 

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