俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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八幡の忠告

 

 

涼風side

 

 

柊「中々来ない場所に来れたから良かったんじゃない?八幡君だってあまり来る事ないでしょ?マスタードーナツ。」

 

八幡「いや、まぁ確かにないが、何故?悪いとは言わないし、甘いお店ではあるが………」

 

涼風「実は、次に挑戦しようと思っているお菓子がドーナツでして。なのでその研究兼味も見ておきたいと思っていたんです。」

 

 

ドーナツ。砂糖や卵、小麦粉を使って油で揚げる洋菓子の1つ。一工夫するだけでも美味しさは千差万別。このマスタードーナツも然り、色々なドーナツがあります。私達でも作れそうなドーナツを研究しなくてはいけません。

 

 

八幡「そういう事か……なら納得だな。じゃあ出来る限り被らないように選ぶか。柊達の研究に協力する。」

 

柊「ありがとう〜八幡君♪お礼じゃないけど、納得のいくドーナツが作れるようになったら、八幡君に食べさせてあげるから!」

 

八幡「それは楽しみだな。」

 

涼風「期待しておいてくださいね、八幡さん。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柊「じゃあ何処に座ろっか?やっぱり3人座れる席がいいよね?」

 

八幡「そうだな。じゃああそこに行かないか?」

 

陽乃「あれ、比企谷君に夜十神ちゃん達?」

 

 

私達に向かって話しかけて来たのは、雪ノ下建設の御令嬢、雪ノ下陽乃さんでした。お姉様のお話によれば、この前の天之川さんの事件で少しだけお世話になったとか………

 

 

八幡「……こんにちは。」

 

陽乃「うん、こんにちは。」

 

八幡「では、これで。」

 

 

すると八幡さんはすぐに決めていたテーブルへと向かって行きました。お姉様も異論が無いからか、八幡さんに従って歩き出しましたので、私もそれについて行きました。席に着いて一息入れました。当然ですが、お姉様は八幡さんの隣です。

 

 

陽乃「ご一緒するね〜♪」

 

柊「………」ムス~

 

八幡「………何か用ですか?」

 

陽乃「用がなきゃ来ちゃダメ?」

 

柊「ダメです。」

 

陽乃「じゃああるから大丈夫だね。比企谷君、あれから容態はどうかな?あの日から1度もお見舞いには行けてなかったから少し心配だったんだけど。」

 

八幡「取り敢えずは大丈夫です。感覚も戻って来てますので、大丈夫そうです。」

 

陽乃「そう……大事がなくて何よりだよ。」

 

涼風「あの、雪ノ下さん……お1つ質問をしてもよろしいですか?」

 

陽乃「ん?何かな?」

 

涼風「どうやったらお姉様からあんな目で見られるようになるのですか?お姉様からとても警戒の色が滲み出ているのですが………」

 

 

お姉様なら、この反応を見るだけでも分かります。普通なら見えなくなっても不思議ではないのに、雪ノ下さんの事がハッキリと見えている………

 

 

陽乃「あぁ〜きっと私が比企谷君にベタベタし過ぎちゃったからかなぁ〜。取る気はないって伝えてあるんだけど、どうにも警戒されちゃってるんだよね〜。きっと私が比企谷君に触ろうとしたら、手を叩く勢いで止めると思うよ。」

 

涼風「そ、そうですか………」

 

柊「……それで、用はもう無いんですよね?でしたら他の席に行ってください。」

 

陽乃「まだ用はあるから、そんな風に言わないでよ。比企谷君からも何か言ってよ。お姉さんはそんなに怖い人じゃないって。」

 

柊「八幡君、あの人に近づいたらダメだからね!」

 

八幡「………雪ノ下さん、お話は?」

 

陽乃「つれないなぁ〜比企谷君は。まぁいいや、学校ではどう?楽しんでる?」

 

八幡「迷惑な金髪がクソ迷惑な金髪にグレードアップして俺にしつこく絡んでくる以外はいつも通りですよ。」

 

陽乃「隼人が?」

 

涼風「はい。学校に復帰して早々、葉山さんが八幡さんに………」

 

 

私は葉山さんと八幡さんのやり取りを聞いているので、一部始終を雪ノ下さんに説明しました。すると雪ノ下さんはとても興味なさげ、というよりも飽き飽きしたような表情を含みながら肩肘を突き、腕で顔を支えながら聞いていた。

 

 

陽乃「ふぅん………そっかぁ。隼人も隼人で少しも変わる気はないみたいだね〜。はぁ……前までは可愛いもんだったけど、今見ると何にも面白くない。引っ張れば動く人形のようだよ………ホント、つまんない。」

 

八幡「………」

 

陽乃「あっ、それに比べたら比企谷君達は凄く面白いよ♪これからもよろしくねっ!」

 

八幡「出来れば駆け引きとかそういうのなしでよろしくしたいですね。まぁ、無理でしょうけど。」

 

陽乃「お姉さんの事、よく分かってるじゃん。もしかして気になってるのかなぁ?」ニヤニヤ~

 

柊「まだ用件はありますか?ありませんね?なら早くどこかの席に行くか、このお店から早く出てって下さい………」ゴゴゴゴゴ……

 

 

お姉様、お気持ちは分からなくもありませんが、オーラを隠してください!

 

 

八幡「柊落ち着け、この人にそんな体力使ってると、この先持たないぞ?事ある毎に迷惑事吹っかけてくる人だから、最近はねぇけど。」

 

陽乃「比企谷君も言うようになったねぇ?」

 

八幡「まぁ、こんな俺にも一応譲れないもんがありますので。」

 

陽乃「……聞いちゃったりしても?」

 

八幡「………この2人に何かしようって奴が現れようものなら、例えそれが雪ノ下さんでも、俺は容赦なんてしませんよ?」

 

陽乃「っ!」

 

柊/涼風「っ!」

 

 

八幡さんが、少しだけ怒って………

 

 

陽乃「………肝に銘じておくよ。それに、君を本気で怒らせたらマズいかもね。それだけはお姉さんもやめておこうかな。」

 

八幡「マジで頼みますよ。俺は女でも殴れちゃいますんで。」

 

陽乃「あははは……うん、そうする。」

 

 

さっきの笑い声とは違う………空元気の笑いに聞こえます。八幡さんの本気が伝わったのでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

???「あれ、比企谷?比企谷じゃん!それと……あっ、夜十神さん……」

 

 

 

 

 


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