涼風side
キーンコーンカーンコーン!
授業終わりの合図……今日1日の授業も終わりましたか。今日も楽しい学校生活を送れました。やはり八幡さんと一緒の空間は私達には欠かせませんね。このクラスが行うかどうかは分かりませんが、席替えは行いたくないものです。私はこのままの席配置が良いです。
教師「それでは、今日はここまで。来週は小テストをやるからちゃんと予習しておくんだぞ。じゃあ日直、挨拶。」
「起立、礼、着席!」
そして先生が教室から居なくなると、クラスの皆さんが隣や前後ろの人達と話し始めました。私は特に何も思いませんが、そんなに話す事があるのでしょうか?話題が尽きないのは少しだけ羨ましいです。
その5分後に平塚先生が入ってきてHRになり、連絡事項を私達に知らせてから今日1日の学校が終わりました。この後は謂わば放課後活動ですね。私達は部活動に参加していないので学校に残る理由がありませんので、すぐ家に帰るだけですが。
柊「さて、機は熟しました!八幡君、早くお家に帰ろう!!」
八幡「……俺はお邪魔する立場なんだが?」
涼風「八幡さん、前にも言いましたが、私達は家族も同然の間柄。お邪魔という言葉は相応しくないと思います。帰るで良いのです。」
八幡「そう言われてもな………」
柊「遠慮は無用なんだよ?お父さんもお母さんもそれを望んでるんだし、宮間さんや他の人達も。だから八幡君は私達の家でも『ただいま』とか『行ってきます』って言ってもいいんだよ?寧ろ言おうよ!その方が家族になれた感が出るもん!」
涼風「私もお姉様に賛成です。挨拶だけでもそれらしくしてみませんか?慣れないのは最初だけですし、慣れてしまえばそれが普通になるのですから。試しに今日、実践されては?」
柊「そうだよっ!!お父さんとお母さんの前で言ってみてよ!きっと喜ぶから!」ズイッ!
涼風「八幡さん、今後の為にも今から慣れておくべきです。」ズイッ!
八幡「お、おう………わ、分かった。(圧が凄い。そんなにやって欲しいのか?)」
涼風(お姉様、もしも八幡さんが実行しなかった時は如何しますか?)
柊(その時は……脇腹つねろっか?)
涼風(はい、分かりました。)
これで八幡さんが挨拶をしなかった時の対策も練られました。ふふふっ。八幡さん、頑張ってくださいね。応援していますから。
柊「じゃ、行こっか!」
八幡「あぁ。」
涼風「はい。」
ーーー校舎入口ーーー
いろは「せぇんぱぁ〜い!」
あの方は確かこの前、指導室でお会いした……一色さんでしたね。生徒会長に立候補させられていた。誰かを待っていたようですね。それにしても先輩のお知り合いが居たとは意外でした………いえ、城廻会長が居ましたね。
いろは「っ!!?ちょ、ちょっと無視しないで下さいよ〜先輩!」
八幡「?まさか俺達か?」
いろは「他に誰が居るんですかっ!?」
八幡「いや、先輩なんてお前の立場からすればその辺りにゴロゴロ居るからソイツ等かなって。それに俺、後輩に知り合いなんていねぇし。」
いろは「私が居るじゃないですかっ!?」
八幡「………知ってる?」
柊「ううん。だって私、八幡君にしか興味無いし。他の子なんて知らない。」
お姉様は相変わらずですが、八幡さんはあの表情からして悪ふざけでしょう。
いろは「忘れちゃったんですか〜!?」
八幡「覚えてるよ、一応な。一色だろ?んで、俺達に何か用か?俺達これから帰るんだが?」
いろは「大した事じゃないんですけど、先輩にお礼を言おうと思ってまして〜。この前の生徒会長の件はありがとうございました。」
八幡「大した事はしてない。俺はただ自分の提案を平塚先生に提示しただけだ。だがこれに懲りたのなら、さっきもそうだが、ああいう態度はやめろよ?」
いろは「え?何の事です?」
八幡「今更誤魔化すな。あざと過ぎるって言ってんだよ。まぁ男子対象だと思うが、そういうの続けてるとまた同じ事されるぞ?」
いろは「うっ……」
八幡「言っとくが俺は面倒事が嫌いだ。俺自身は関係無いのに押しつけるかのように頼んでくるような輩は特に、な。」
その辺りの方達は騙せても、八幡さんは騙せません。八幡さんは人とは違う感性を持っています。それに人の感情や表情の機微に聡い方です。そして何よりも周りの環境に左右されない強さに加えて優しさも兼ね備えた寛大な心の持ち主ですから♪
※涼風から見た八幡の想像図です。
八幡「分かったら早いうちにそれやめろよ。んじゃ行くか。」
涼風「はい。」
柊「私達の家にLET’S GO〜!!」
いろは「あっ!ちょ、先輩!?」
ーーー校門前ーーー
八幡「ところで柊さん、1つ質問があるのだがよろしいかね?」
柊「うむ、何でしょう?」
八幡「何故今日はいつにも増してくっついているのでしょうか?差し支えなければ教えてもらいたいのですが?」
柊「八幡君が大好きだから♪」
八幡「うん、知ってる。それ以外の理由で。」
柊「八幡君を愛してるから♡」
八幡「………分かった。」
柊「うんっ♪」
いえ、八幡さん。きっとお姉様はこう思っているのです。『あのあざと後輩ばっかり!!八幡君は私のなんだから!!誰にもあげないもん!!』と。