俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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欲しい物と膝枕

 

 

八幡side

 

 

おじさんが居る前で感想を聞かせるなんて、俺からしたら無茶振りに等しいが、何とかやってみせた。物凄く簡単な感想しか言えなかったけど。けどすげぇ美味かった。甘過ぎない甘さで、控えめながら口の中に広がる微かなビターな味わいがまた甘さを強調させていた。そしてやっぱり濃厚なチョコの味が口の中に広がった。あんな美味いチョコケーキあったんだな………また食べてみたいものだ。口には出さないけど。

 

 

柊「食べやすかったね。濃厚だったのにくどくなかったし、何度も食べたいって思えちゃった。」

 

涼風「そうですね。あの甘さなら2切目も行けちゃうそうですね。」

 

八幡「確かに美味かった。」

 

御影「お気に召したようで何よりだよ。僕も買ってきた甲斐があったよ。また食べたくなったら言うんだよ、まだあるからね。」

 

涼風「一体いくつ買ってきたのです?」

 

御影「全部で20個だけど、売るようにも残しておきたかったから、この家にあるのは5個だよ。」

 

 

5個……それでも5個あるんだ………

 

 

御影「じゃあ食器片付けるね。後は3人仲良くね、まぁ心配入らないと思うけど。それじゃ「あ、おじさん、ちょっといいですか?」ん?何だい八幡君?」

 

八幡「えっと、何ていうか、ちょっと言いにくい事なんですけど………」

 

御影「?」

 

 

柊(っ!八幡君ついに、ついに言うんだね!?頑張れ!頑張れ八幡君!!)

 

涼風(欲しい物が少し気になりはしますが、八幡さんの初めての我が儘です!八幡さん、後もう少しです!もう少しの辛抱です!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「えっと、良い枕ってありますか?最近あんまり寝付けなくて。良いのがあったら買おうかなぁって思ってるんですけど………」

 

 

柊/涼風(ま、枕?)

 

 

御影「それってつまり、八幡君は枕が欲しいっていう事かな?」

 

八幡「はい、まぁ……そうです。それで……どうですか?探せそうですか?」

 

 

………いや、枕くらい自分で探せって思うよな、流石に。やっぱやめるか。

 

 

八幡「す、すいません。やっぱ「嬉しいよ八幡君!!」っ!?え、え!?」

 

御影「やっと、やっと八幡君からおねだりをしてもらえたよ!!待ってて八幡君!!今すぐに枕を探してみるから!!あっ、そうそう!八幡君は低反発かな?それとも高反発?普通?材質は?枕の中身に拘りは?大きさや長さは?リクエストがあったら何でも言ってね!!何だか力が漲ってきたよ!!よし、これから枕探しをしなきゃだね!!」

 

八幡「いや、あの………」

 

御影「こうしちゃいられない!八幡君、君もついておいで!!君の身体に合ってて、かつ最適な枕を選ばなくちゃね!!もし無かったらオーダーメイドするから大丈夫!!」

 

 

ヤ、ヤバい………今までにない本気の目だ。おじさんどんだけ本気なんだ?たかが枕だぞ?

 

 

御影「さぁ行こう!八幡君の枕が君を待ってるよ!!急いで選んであげよう!!あっ、柊に涼風、八幡君を借りて行くよ!やらなくちゃいけない事が出来ちゃったからね。じゃあ失礼!」

 

 

そして俺はおじさんに手を掴まれて連れて行かれた………おじさんの部屋に直行しているのだろう。バイバイ、2人共。

 

 

八幡sideout

 

柊side

 

 

八幡君がお父さんに連れてかれちゃった………あ〜ぁ、どうしようかな?涼風も居るけど、これだといつもの日常と同じだしなぁ〜。

 

 

柊「涼風、何して待ってようか?八幡君が来ない限り、私達ずっと暇だよ?」

 

涼風「しかし、何をしましょうか?お姉様は何をするご予定だったのですか?」

 

柊「……八幡君と過ごすに決まってるじゃん!」

 

涼風「要するに特に何もなかったのですね?」

 

柊「……はい。」

 

 

しょうがないじゃん!八幡君が来るっていってもいつもと変わらないもん!!彼氏が来るから抱き着くとか、抱き締めるとかだよ?後はあ〜んとかするくらいだもん!

 

 

柊「じゃあ涼風は?涼風は八幡君がこの家に来たら何かするって決めてたの?」

 

涼風「………八幡さんの許可が出れば、やってもらおうと思っていた事が1つだけ。」

 

柊「ほほぉう?では聞かせてもらいましょうか?」

 

 

一体何をやってもらうつもりだったのかをねぇ?内容によっては私もやってもらおうかなぁ?なんてね、嘘じゃなくて本当の事だけど♪

 

 

涼風「えっと………ひ、膝枕を///」

 

柊「………えっと、ごめん涼風。耳悪くなっちゃったのかな?もう1回言ってくれない?八幡君に何をしてもらうつもりだったって?」

 

涼風「ですから膝枕です!八幡さんの膝を枕にして寝させてもらおうと思っていたんです!思いついたのはつい先程ですけど///」

 

柊「……………一体何を考えてるのかなぁ!?私まだやってもらった事ないんだけど!?それなら私が先っ!私がやってもらうの!!」

 

涼風「わ、私が思いついたのです、私が試す権利があると思います!幾らお姉様でも譲れません!」

 

 

むむぅ〜……涼風ったら、何というけしから羨ましい事を思いつくのだろうか………流石は私の妹、血は争えないって事かな。

 

 

柊「なら涼風がやった後に私もやる、それなら文句ないよね?」

 

涼風「まぁ、それなら構いませんが。」

 

柊「じゃあそれで!先にやるからには感想聞かせてよね!八幡君の膝枕がどうだったのかを!」

 

涼風「も、勿論です!」

 

 

そしてその膝枕に私のオリジナルを加えれば………ふふん、私の勝ちっ!

 

 

 

 

 

 

 




御影お父さん、メッチャ嬉しそう………

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