俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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夕飯戦争

 

 

涼風side

 

 

涼風「申し訳ございません、八幡さん!まさかあのまま寝てしまうなんて……!とても寝心地が良かったのもありますが、まさかあのまま30分も………」

 

柊「いいじゃん別に〜八幡君はもう気にしてないって言ってるんだからさ。いつまでも謝ってたらねちっこいって思われちゃうよ?」

 

涼風「で、ですがお姉様………」

 

八幡「涼風、俺は本当に気にしてないから大丈夫だ。それに、涼風はまだ膝で寝てくれたから良い。お前のお姉様なんて俺の肩で寝た挙句に、俺まで寝転がらなければならない状況を作った張本人なんだからな。だから涼風は気にするな。」

 

柊「ねぇ八幡君。フォローのつもりで言ったんだとは思うけどさ、なんか毒があるのは気のせい?」

 

八幡「大丈夫大丈夫、気のせい気のせい。」

 

柊「返事適当〜!」

 

 

……この様子からして、八幡さんは本当に気にしてはいないようです、良かった……私のせいで気分を害していないか心配でした。

 

 

ガチャッ

 

 

御影「あっ、来たみたいだね。どうだった柊に涼風?特製の本人枕は?」

 

柊「すっごく気持ち良く眠れた!寝起きも寝心地も最高!毎日一緒だったら、絶対良い夢見られる♪」

 

涼風「あ、あの……えっと、八幡さんがご迷惑でなければ、また………やって欲しい、です/////」

 

御影「あははは、どうやら娘達は大絶賛のようだよ八幡君。もうこれは別々の部屋で寝るなんてあり得ないんじゃないかな?」

 

紫苑「八幡君が用意された部屋で寝ようものなら、柊と涼風はきっとその部屋に向かうわね。」

 

 

お母様の言う事に否定が出来ません………何度か八幡さんと一緒に眠りについた事はありますが、あれはとても素晴らしかったです。八幡さんの入っている布団に入った途端、幸せが身体中を包み込むような錯覚になります。

 

 

八幡「俺の寝る直前の未来に抱き枕になっている光景が見えるんですけど、これはどうにかした方がいいんでしょうか?」

 

柊「何もしなくて大丈夫だよ♪八幡君に危害は無いからそのままそのままっ♪」

 

涼風「わ、私も八幡さんがよろしければ、今のままがいいです///」

 

八幡「………」

 

御影「あははは、相変わらず娘達は八幡君に夢中のようだ。けど今は晩御飯にしようか。今日も料理長達が腕によりをかけて作った美味しいご飯が待ってるからね、早く食べよう。」

 

 

八幡さんには申し訳ありませんが、泊まると聞いては流石に黙ってはいられません。ですが、改めて思いますが本当に目覚めが良いです。

 

 

柊「はい八幡君、あ〜ん♡」

 

八幡「あむっ。」

 

涼風「八幡さん、こちらも。あ、あ〜ん///」

 

八幡「あむっ。」

 

 

八幡(美味い。美味いんだけど………お願いだからそんなに食べさせるやめてもらえないかなぁ?別に嫌ってわけじゃないけど、恥ずかしいんだよ。おじさんとおばさんはめっちゃニコニコしてるし。視線が生暖かいんだよなぁ………)

 

 

柊「八幡君、次は何食べる?」

 

涼風「八幡さん、次は何になさいますか?」

 

八幡「いや、自分で食べたいんだけど………」

 

柊「まぁまぁ遠慮しないで〜。」

 

八幡「何故俺が遠慮してるって思ってんだよ?してないから。今のは切実に思ってる事だから。」

 

 

度々申し訳ございません、八幡さん。私達も八幡さんに食べさせたいのです。なので幾ら八幡さんのお願いであっても、納得しかねます。

 

 

柊「だって涼風、八幡君が自分で食べれるって言うから涼風は自分のを食べようね?」

 

涼風「そう言うお姉様もそうして下さるのなら、私も引き下がりましょう。私だけ引いてお姉様が続けても意味がありませんから。」

 

八幡「おいおい俺を挟んで口論はやめてくれよ?もし続くようだったら、寝る時間になった時に扉に鍵かけて誰も入れないようにするけど、それでも構わないか?」

 

涼風「………お姉様、ここは八幡さんの邪魔をしないように致しませんか?あまりやり過ぎてしまっても逆効果だと思われます。」

 

柊「そうだね。私達ちょっと調子に乗りすぎてたのかも。八幡君にも決める権利があるのにね。じゃあ私達も食べよっか!」

 

 

八幡さんと眠れなくなるくらいなら、私は今の時間で八幡さんに食べさせる事をやめます!お姉様だけにその時間は渡しません!

 

 

紫苑「ふふふっ、2人共必死だったわね。けど八幡君もやるわね。既に2人をコントロールできているんだもの。やっぱり八幡君は面白いわ。」

 

御影「そうだね。柊は理由が理由だから分かるんだけど、あの涼風までもが他人にここまで心を開くとは思っても見なかったよ。余程八幡君を気に入ったんだろうね。」

 

 

お父様とお母様が何か会話をしているようですが、ここからだとよく聞こえません。それよりも、食事を済ませましょう。1秒でも遅れてしまったら、八幡さんと過ごす時間が減ってしまいます。

 

………何だか最近、自分でも八幡さんとの距離が少しだけ近過ぎる気もしなくもないですが、八幡さんもお姉様も何も言ってきませんし、このままでいきましょう。八幡さんの温もりはとても気持ち良いですし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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