俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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職場見学

 

 

八幡side

 

 

あれから特に何も起きる事もなく起床をして、身支度を済ませた俺達。特に何もする事がなかったから、夜十神邸でのんびりしていようかと思ったのだが、おじさんからこんな事を言われた。

 

 

御影『もし時間を持て余しているんだったら、僕達の職場に来る気はないかい?都合上僕は相手をしてあげられないけど、妻なら何とか出来るだろうからね。』

 

紫苑『そうね、確かに1度私達が働いている職場に来るというのも、世の見聞を広める良い機会かもしれないわね。』

 

 

という事が朝食の時のやり取りであったので、俺と柊と涼風は【Nigh-ten・Group】日本総本店に訪問する事になった。まぁ社長と副社長が良いって言ってるから構わないとは思うけど………いきなり行って大丈夫なのか?

 

 

ーーー【Nigh-ten・Group】日本総本店ーーー

 

 

八幡「……相変わらず立派な建物だ。」

 

御影「あはは、ありがとう。じゃあ中に入ろうか。いつまでも此処に居ると寒いしね。」

 

 

ーーー大広場ーーー

 

 

受付「社長、おはようございます。」

 

御影「うん、おはよう。見学用の札を3つ貰えるかな?この3人に。」

 

受付「社長、失礼ですがどちら様ですか?見たところ高校生のように見えますが………」

 

御影「うん。僕と副社長の娘で、右が柊で左が涼風。それと男の子は比企谷八幡君、いずれこの社に入るかもしれない逸材であり、僕のお気に入り。」

 

受付「し、失礼致しました!!お嬢様方に御曹司だったとは知らず……!!!」

 

 

………御曹司?

 

 

御影「いいよいいよ、言ってなかったしね。」

 

 

その後は見学証を貰って、それを首にぶら下げた。しかし、何で御曹司なんだ?

 

 

ーーー廊下ーーー

 

 

柊「ねぇお父さん、本当に私達がここに来てよかったの?周りの人達ずっとこっち見てるよ?」

 

紫苑「今日は訪問してくる予定なんて無かったから、それの影響ね。実際は訪問者ではないけど、彼等にはそれ以外の考えなんてないでしょうから。それがこんなにも若いものだから却って好奇心が出ているんだと思うわ。」

 

御影「まぁ僕達と一緒にいる時点でそう捉えられるのも不思議じゃないしね。」

 

八幡「却って興味を持たれてるって事ですよね?」

 

紫苑「そういう事になるわね。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

森崎父「おはようございます、社長、副社長。おぉ、お嬢様方に若様まで……おはようございます、ご無沙汰しております。」

 

森崎母「おはようございます。その節は大変なご迷惑をお掛け致しました。」

 

御影「おはよう森崎君、森崎さん。朝からご苦労様。君達がこっちにいるという事は、何か用事があったのかい?」

 

森崎父「えぇ、まぁ………それよりもお嬢様方と若様を連れてどうされたのですか?」

 

紫苑「少し職場見学よ。このグループのトップに立つ人間になるかもしれない人材だから。」

 

森崎母「っ!……成る程。」

 

 

おじさんもおばさんもさっきから嘘の声色をしていない。本気で言ってる………俺がこの会社を継ぐって本気で言ってるのか?いや、まだ()()()()()()だから可能性の話だけどよ。

 

 

森崎父「それは良い考えだと思います。自分も若様やお嬢様方であれば、安心出来ます。では、我々はまだ業務があるので失礼します。」

 

森崎母「失礼します。」

 

御影「……ごめんよ八幡君、勝手な事言って。けど僕は君がウチのグループに来てくれたらとても助かると思ってるんだよ。君のような人材は貴重だからね。」

 

八幡「いや、俺にそんな価値があるとは思えないんですけど………」

 

御影「まぁ、今は分からなくても大丈夫だよ。さぁ、社長室はこっちだよ。」

 

 

………分からない、俺にはおじさんの考えている事が全く分からなかった。俺が貴重?何故そんな風に思えるのか、俺には見当もつかない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇ、あの女の子2人って社長と副社長の娘さんらしいよ、綺麗な子達だったよね〜。」

 

「流石は社長の娘さんだよな、気品あるよな。」

 

「けど、あの男の子って誰なの?警備局の森崎局長補佐達とも何だか親しげだったし………」

 

「まさか社長の隠し子!?いや、無いか………だって全く似てないし。」

 

「けどさ、どことなく出来そうな雰囲気はあるよね。物怖じしない態度とかも良かったし。」

 

 

ーーー社長室ーーー

 

 

御影「皆驚いていたね、まぁ当然かな。」

 

紫苑「それはそうよ、いきなりだもの。本当は誰も来る予定がなかったんだから。」

 

御影「まぁ3人は妻と一緒に色んな所を回ってくるといいよ。今通ってきた所のみならず、この会社には色々な部署があるからね。例えば君達とも面識のある森崎君達は警備局。端的に言うと、この会社を警備している人達が所属している部署だね。」

 

紫苑「他にも経理、情報、通信、商品と色々だけど、見て感じる方がきっと早いわよね。だから見学しながら知っていくと良いわ。」

 

 

多分、まだあるんだろうな。今言った5つの他にもあるんだろう。やるとしたら俺は何だろうか?

 

 

御影「まぁ着いたばかりで早速というのもアレだから、少しだけ休憩して行くといいよ。あっ、紅茶出すから座ってていいよ〜。」

 

 

そしてこの人は本当に社長出来ているんだろうか?どうして社長自ら紅茶淹れようとすんの?いや、家族だから別に良いんだけどさ。秘書の人に頼めよ………あっ、おばさんが秘書だった。

 

 

 

 

 


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