俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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実はこの社長……

 

 

御影side

 

 

今頃、妻と娘達は見学の最中かな。本当は僕も行きたいところなんだけど、流石に社長と副社長が仕事から抜けるわけにはいかないからね。そんな事したら、部下達に示しがつかないし。今は何処にいるのかなぁ?

 

 

コンコンコンッ

 

 

おっと、誰か来たみたいだ。

 

 

御影「どうぞ。」

 

「失礼します、社長。この前仰っていた○○店への事業拡大案ですが、先方から『大変貴重な物を頂きました。少しばかりではありますが、ほんのお気持ちです。お受け取り下さい。』との事で、こちらを頂いてきました。」

 

 

えぇ………事業拡大したいって言ってたから案を出しただけなのに、お金を出しちゃ意味無いでしょうに。本当に気持ちだけで良いのに。

 

 

御影「そう、報告ありがとう。じゃあ………はい、これは君に。後、これは僕からの気持ちだよ。」

 

「で、ですがこんなには………」

 

御影「いいんだよ。僕が君を信用して託した仕事で君はそれを成功させた。それ以外の事実は無いからね。なら君にはこのくらいの事はしなくちゃね。」

 

 

僕が渡したのは、先方の○○店から頂いた御礼金100万円の1割10万円と八幡君達にも食べさせた老舗料理店・悟島軒のチョコケーキ。あっ、ケーキはちゃんと箱に入れてあるから大丈夫だよ。

 

 

「で、ではありがたく………あの、このお気持ちなんですけど、部署で分けてはダメですか?」

 

御影「そのお金はもう君のだから、君の好きに使うと良いよ。部署の全員に分けても、僕は文句なんて言わないから安心して。」

 

「は、はい!ありがとうございます!では、失礼しました!」

 

 

そうなんだよね〜………僕もお礼で端金を渡す時あるんだけど、少し多いのかな?偶に、と言うよりも少ない頻度でさっきみたいに『部署で分けたい。』なんて子が多く居るんだよね〜。もう少し金額を下げるべきかなぁ………でも僕がその子に頼んだ仕事だから、中途半端な金額はあげたくないし………

 

 

御影「加減って難しいよね〜。」

 

 

ーーー数分後ーーー

 

 

コンコンコンッ

 

 

御影「どうぞ。」

 

「失礼します、社長。今月の収支が確定しましたので、報告書を提出しに参りました。こちらがその報告書になります。」

 

御影「ありがとう。」

 

 

………うん、問題なく伸びてるね。ただ今回は少し各地に人を回し過ぎちゃったかもね。11月からは少し控えめにしないと。自由に使えるお金は渡しているとはいえ、その子の自由を奪わせちゃってるしね。来月は少し減らしてみようかな………

 

 

御影「うん、問題無いね。それと1つ質問したいんだけど、いいかな?」

 

「はい、何でしょうか?」

 

御影「今の資料を見ても分かる通り、今月はかなり人を動かしているんだ。それを考えて来月は少しだけその回数を減らそうと考えているんだけど、どう思うかな?君も出張で社を空ける事があるでしょ?その辺はどうかなって思ってね。」

 

「個人的な意見ではありますけど、自分はこのくらいが丁度いいと思っています。出張とはいえ、社長は私達に自由な時間も与えて下さいます。それに報いるのは我々商品局内交渉部の務めですから。寧ろ出張命令を貰った時は、次は誰だ誰だと楽しみながら封を破る事さえしていますので。」

 

御影「そ、そうなの?てっきり僕は無理させ過ぎちゃってるかなぁって思ってたんだけど………」

 

「無理だなんてとんでもないっ!確かに仕事で遠方に行く事ではありますが、社長は1日自由な時間を必ず取らせてくれるじゃないですか。寧ろこんな事をしてて良いのかって思ってしまうくらいですよ。」

 

御影「……そうなんだね。うん、君の気持ちはとてもよく分かったよ。もしよければ交渉部の皆に今の内容を聞いてみてくれないかな?より多くの声を聞けた方が僕も納得できるから。」

 

「分かりました。では、失礼しました。」

 

 

………あの部署って、あんなにアウトドアな子が多かったっけ?いや、あの部署は比較的外商にも抵抗が無い子達を集めてる部署ではあるけど、あそこまでなるものなのかなぁ?

 

 

ーーー数分後ーーー

 

 

ガチャッ

 

 

紫苑「戻ったわ、あなた。」

 

御影「あっ、おかえり。どうだった?」

 

柊「想像以上に色んなのがあるんだね〜。お父さんはこれ全部把握してるんだよね?」

 

御影「そうしないと手が回らないからね。覚えるのにはちょっとだけ苦労したけど、今はもうそんなに苦労はないかな。」

 

八幡「いや、これら全部を把握なんて普通は無理ですからね?自分がどれだけ凄い能力持ってるか自覚あります?」

 

紫苑「八幡君ダメよ。御影にはそういうの通じないから。」

 

 

あれ、なんか僕ちょっとだけ引かれてない?

 

 

紫苑「あぁそうそう。さっき交渉部の子が機嫌良さそうにしてたんだけど、何かあったの?」

 

御影「うん、今月と来月の出張について話してたんだ。今月は多いから来月は少し減らそうって考えてたんだけど、彼の考えでは寧ろあった方が良いみたいなんだ。」

 

紫苑「その理由、私にはすぐに分かるわよ?」

 

御影「………やっぱり最後の1日自由?」

 

紫苑「当たり前じゃない。リフレッシュも兼ねて仕事が終わったら次の日は完全休日で自由な日を違う土地で取れるのよ?コレ旅行と変わりないわよ?」

 

御影「モチベーションアップの為にやらせてるんだけどね、無くしたら「ダメに決まってるでしょ。そんな事したら、交渉部誰も居なくなるわよ?」うん、分かってた。」

 

 

このままで行こう!不満は無いみたいだしね!

 

 

八幡「……改めて思った、おじさんすげぇのな。」

 

柊「うん、私もそう思った。家では普通のお父さんなのに、会社では凄腕のトップなんだね。」

 

涼風「はい。私もお父様が改めて凄い方なのだと、実感しました。」

 

 

あれ?なんか今度は尊敬の目で見られてる?

 

 

 

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