俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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帰った3人は

 

 

八幡side

 

 

ーー車内ーーー

 

 

あの後は特に何もする事がなくなってしまったという理由から、社内見学は終了した。今は宮間さんが車で屋敷まで送ってくれている。にしても凄い会社だったな………ホント凄い。あの会社って悪い所あるんだろうか?良い所しかなくて、逆に悪い所探したくなる。いや、そもそも探す気はないけどよ。

 

 

柊「お父さん達の会社ってあんな感じなんだね〜。なんていうか、アットホーム?」

 

涼風「それはまだ分かりませんよ?だって私達はお母様と見学をしに行ったというだけであって、実際にはその場で何かをしていたというわけではないのですから。実際に入ってみない限りは分かりません。」

 

柊「けど食堂では皆仲良くしてたじゃん。だから会社の皆は特別仲の悪い人はいないんじゃない?」

 

八幡「そうだと良いな。それも入ってみれば分かる事だろう。」

 

柊「おっ?八幡君もお父さんの会社に入社希望?第一希望かな?」

 

八幡「あそこ以上の会社が見つからなければな、ていうか見つかる気がしないけどな。あんな高待遇な会社なんて、日本中探したとしても見つかりゃしねぇだろ。何だよ昼食無料って。最早最高最強じゃねぇか………誰かしらは休みの日でも食いに来てる人居るだろ。」

 

 

これは他の会社にとっても大きな差だろうな。だがこの会社ならではの手法だろうな。手に入れた食材を無駄にしないって考え方から始まったやり方だから、他の会社ではやろうとしてもまず無理だろう。

 

それに強みはこれだけじゃない、出張もそうだ。普通なら仕事で行く筈だが、出張の目的が終われば帰って来いではなく、その地で1日自由にして良いと来たもんだ。これも他の会社にはない強みだろう。

 

 

柊「他の会社はきっとこんな事、やろうともしないよね。食堂を無料にするだなんて。普通じゃないもの。あっ、これ言ったらお父さんが普通じゃないみたいになるから今の無しっ!」

 

八幡「いや、大丈夫だと思うぞ。実際、おじさんがやった事……つーよりもやってる事ってある意味常識破りだから。」

 

涼風「普通では考えられませんからね。」

 

柊「宮間さんはお父さん達の会社に顔を出した事ってないの?」

 

宮間「柊お嬢様の質問にお答えするなら、イエスです。私も旦那様の仕事場に顔を出す時はございます。しかしその場合は、私共では決断しかねる場合のみとしております。」

 

八幡「成る程、緊急の時だけって事ですね?」

 

宮間「はい。なので私も旦那様の会社に行く事はあっても、中に入る機会は滅多にございません。強いてあるとすれば、旦那様が独自に仕入れた品をお車に積む時は出入りさせて頂いていますが。」

 

柊「な、成る程………」

 

宮間「それと若様、昨夜は旦那様が若様の事でかなり唸っておられましたよ。」

 

八幡「?俺の事で?何かありました?」

 

宮間「えぇ。若様達が起きている間も必死に探しておられたのですよ、若様がご所望なされた枕を。」

 

 

………ホントに?けど晩飯の前に注文したよな?

 

 

宮間「私もかなりの質問を投げつけられたものです。ですが、旦那様のあの楽しそうな表情を見るのは久々でした。唸りながらも楽しそうにしておられた。若様が欲しい品があると知っただけで、あそこまでやる気になるとは思いませんでしたが、数年振りにあの表情を見られました。」

 

八幡「ま、まぁ……その、怒ってないようで何よりです。ホントに。」

 

柊「確か、八幡君が枕欲しいって言った時も異常なくらい喜んでたもんね。私達も引くくらい大声で叫びながら。」

 

涼風「八幡さんがお部屋にお戻りになられた時も、少しだけ疲れた表情をしていましたし。」

 

宮間「ほっほっほっほ。やはり若様はこの一家を退屈させるような事をさせませんな。」

 

八幡「好きでやってるわけじゃないですけどね。」

 

 

ーーー夜十神邸ーーー

 

 

宮間「ご到着致しました、お嬢様方、若様。」

 

柊「ありがとう宮間さん♪」

 

涼風「ご苦労様でした。」

 

八幡「ありがとうございます。」

 

 

ホント何度も思うけど、若様って呼び方を辞めるつもりは無いんだな。諦めてるけど。

 

 

柊「結構早い時間に戻って来たけど、何しよっか?家に帰ってすぐお出掛けなんてしたくないしね。」

 

涼風「………八幡さんは何かございますか?」

 

八幡「俺も特にないな。昼飯も食ったし、のんびりするにしても、ちょっとな………2人はないのか?したい事とか。」

 

柊「私もないんだよね〜………」

 

涼風「私もです。」

 

八幡「……じゃあ俺はお暇「「ダメ(です)。」」させ………冗談で言っただけだって。」

 

 

必死過ぎだろ、お前ら。

 

 

柊「じゃあ色んな事して遊ぼうよ!ビリヤードにダーツ、トランプだってあるんだからさ!勝負して最下位だった人に罰ゲームっていうのはどう?」

 

八幡「成る程な………因みに罰ゲームの内容は?内容次第では却下だぞ?」

 

柊「うぅ〜ん………あっ!じゃあコーヒー牛乳1本一気飲みっていうのはどう?」

 

涼風「それは罰ゲームなのでしょうか?」

 

八幡「飯食ったばっかとはいえ、3本くらいなら飲めそうだぞ?」

 

柊「甘いねぇ〜2人共。今言ったのは3種のゲームだけだけど、何も私はそれだけだなんて言ってないよ?花札とかチェス、ウノ、人生ゲームだってあるんだからね!」

 

八幡「………そんなのあるのか?」

 

涼風「………確か娯楽施設にある筈です。」

 

 

マジか、本当に罰ゲームになるかもしれねぇじゃねぇか。いや、俺からしてみれば最初から罰ゲームだな。高級コーヒー牛乳飲まされるんだからよ。

 

 

 

 

 

 

 

 


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