俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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諦めの悪い人

 

八幡side

 

 

職場見学から2日が経ち、月曜となり学校へと登校する日となった。いやぁ〜まさかあんな形で職場見学をするとは思わなかったが、また行ってみたいもの………いや、ダメだよな。何高校生が職場にまた行きたいだなんて言ってんだよ。こんな軽い気持ちで言うべきじゃないよな。けど美味かったんだよなぁ〜あのパエリア。また食いたい。

 

そしてその後の屋敷内でのボードゲーム対決では、中々に接戦を繰り広げていた。結果内容はこんな感じだ。あっ、負けた結果な。

 

 

トランプ(大富豪)…柊

 

トランプ(ババ抜き)…俺

 

トランプ(7並べ)…柊

 

ダーツ…涼風

 

ビリヤード…俺

 

花札…柊

 

人生ゲーム…涼風

 

ウノ…俺

 

 

こんな結果だ。な?意外と皆平均的だったろ?柊と俺、カードゲーム系弱いんだなって思った。そして涼風はボードっていうか、運とかに弱いって感じだな。人生ゲームでなんて最終的にはプラスだったが、マイナスマスに10回くらい止まってたし。

 

 

柊「?八幡君、どうしたの?」

 

八幡「ん、あぁ……一昨日の勝負の事思い出しててな。意外と良い勝負だったなって。」

 

涼風「そうですね。やっていてとても楽しかったです。また3人でやりませんか?勝負でも良いですが、次は罰ゲームなしで。」

 

柊「そうだね。それと次からはカードゲーム系減らそ?私頭脳系すっごく弱いから。」

 

八幡「それ言ったら涼風の運系もだぞ?見てて少しだけ哀れな気分になった。ゲームなのにお金貸したくなっちまったし。」

 

涼風「や、やめて下さい八幡さん……私もあんな事になるとは思わなかったのです。うぅ………恥ずかしいです///」

 

柊「八幡君も平均するとカードゲームが弱かったよね。守りに入り過ぎて後から何も出来なくなっちゃうタイプかなぁ〜?」ニヤニヤ

 

八幡「やろうと思ったらお前等2人が先にやるんだからよ、手が出せなくなるだけだ。」

 

柊「分かる〜!私が出そうと思ったら涼風がそれを防いじゃうんだから溜まったものじゃないよ!涼風ってばホントに戦術家だよね!」

 

涼風「八幡さんとお姉様でしたら、次の手が何となく分かりますので。」

 

 

うわぁ〜その能力良いなぁ………俺も欲しい。

 

 

ーーー2-F前ーーー

 

 

八幡「まぁそういう時もあるだろうよ。」

 

柊「ないって!絶対ない!」

 

 

ガラガラッ!

 

 

八幡「うおっと………三浦?」

 

 

俺が教室の戸を開けようとする前に三浦が戸を開けて教室から飛び出して行った。中の様子を見ると、既に葉山グループの面々が集まっていて、なんかすげぇ居心地の悪い感じになっていた。

 

 

八幡「………アレだな、失敗したスポンジ生地は俺が食べるから気にすんなって。」

 

柊「嫌だよ!八幡君には成功したヤツしか渡したくないのっ!特に焦げたヤツなんてあげられるわけないじゃん!」

 

涼風「お姉様、私はいいという事ですか?」

 

柊「だって………ね?」

 

八幡「じゃあ今度作るかもしれないクッキー、作って失敗したとしても俺個人で食べるわ。もしかしたら涼風にもあげるかも。」

 

涼風「喜んで頂きます!」

 

柊「八幡君!!私の失敗しちゃったヤツとも交換しようよ!!意見交換にもなるよ!!」

 

 

必死さが伝わってくる………本気になり過ぎじゃね?たかが俺の作るクッキーくらいで。作るかどうかも分からないんだぞ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

葉山「少しいいかい?」

 

八幡「またお前か………今度は何だ?」

 

葉山「力を貸して欲しいんだ。」

 

八幡「この前貸してやったぞ、関係ぶっ壊せって言ったろ?俺はあれ以外助言なんてねぇよ。」

 

葉山「君は奉仕部だろ?依頼という形で引き受けてもらえないか?」

 

八幡「俺は奉仕部でもピンチヒッターって立場でな。俺の一存では依頼を受ける事は出来ない。ちなみに参加するしないは俺の意思で決められる事にもなってる。そういうわけで、依頼が通ったとしても俺が受けようと思わない限りは依頼参加はあり得ない。」

 

葉山「なっ………」

 

八幡「意外だな。お前の事だから由比ヶ浜経由で知ってるかと思ってたが………まぁいい、そういうわけだ。俺を動かしたいんだったら、それなりの材料を持ってこないと無理だぞ。最も、お前の為なんかに動く気になんてなれないけどな。」

 

葉山「どうしても、か?」

 

八幡「愚問だな。」

 

 

そして葉山は俺を睨むように少しの間見下すと、廊下へと走って行った。多分三浦を探しに行ったのだろう。見てねぇから分からないが、アイツが行ってもどうにもならんだろ。葉山()三浦()に突っ込みに行くようなものだ。

 

 

柊「彼もしつこいね。八幡君は協力しないっていってるのに………どうして分からないんだろう。」

 

涼風「葉山さんにも失いたくないものがあるからではないでしょうか?それが私達にとって理解出来ないものなのでしょう。」

 

八幡「まっ、理解出来なくて当然だ。奴の頭の中に俺達なんて……いや、俺なんて入ってない。」

 

柊「何で言い換えたの?」

 

八幡「お前達は知らないだろうが、入学する前のアイツは俺の事なんて目にも暮れてなかった。意識し出すようになったのは俺と柊が付き合ってるのがバレた頃だろう。そう考えたら簡単だ、見映えのある奴と一緒にいた方が自分の箔が上がるとでも思ってんじゃねぇのか?まぁ知らねぇけどよ。俺には人気者の気持ちなんて分からないしよ。分かろうとも思わねぇ。」

 

涼風「今が1番、ですか?」

 

八幡「そっ、今が1番。お前達2人が居るだけで充分。他は別に要らない。」

 

柊「私も〜♪」

 

涼風「八幡さんと同意見です♪」

 

 

 

 

 

 


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