俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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決断

 

 

八幡side

 

 

昨日奉仕部で色々あって、その終わりにららぽで三浦と話した。普段ない事があったから少し気疲れがあった昨日だったわけだが、気にしていても仕方ないからもう気にしない。それに今はそんな事思っていても無駄になるだけだしな。今は柊と涼風と一緒に登校してるんだし、楽しまないとな。

 

 

柊「そういえば八幡君、昨日の部活はどうだったの?久し振りだったんでしょ?」

 

八幡「部活自体は問題なかった。だが最悪な奴が最悪のタイミングで来たって所だな。」

 

涼風「?どういう事ですか?」

 

八幡「葉山が昨日、俺にグループの事で力を貸して欲しいって頼んできたのは知ってるな?俺は断ったから今度は奉仕部に依頼をしに来たんだよ。」

 

柊「………でも普通じゃない?」

 

八幡「此処だけ聞くとな。俺が雪ノ下に朝の事を報告してた事が決め手になった。雪ノ下はアイツの依頼を聞く気はないってよ。」

 

柊「成る程ね〜確かに八幡君の朝の事を聞けば、どんな依頼であっても聞きたくなくなっちゃうよね。私も雪ノ下さんと同じ気持ちかも。」

 

涼風「私もお姉様と同じ気持ちです。」

 

 

しかし、気になるのは三浦の方だ。昨日サイゼで少しだけ話したが、今のグループの事は好きでも嫌いでもないみたいな言い方をしていた。前までは気に入ってたようだが、今のこの現状を察して判断したんだろう。まぁ奴がどんな結論を出そうと俺等には関係ない事だが、どうでもいい火種まで飛んでくる事がないように祈っておこうか。

 

 

ーーー2階廊下ーーー

 

 

涼風「……何でしょう?私達のクラスに人だかりが出来ているようですが………」

 

柊「うん。しかもクラスメイトも覗いてるよね、何してるんだろう?」

 

八幡「いやいや、理由なんて1つしかねぇだろ。昨日の今日でまた騒ぎを起こしやがって………」

 

涼風「では、葉山さんが?」

 

八幡「逆に聞くが、ウチのクラスでソイツ以外に無駄に目立つ奴がいると思うか?」

 

 

葉山以外考えつかないよなぁ………だって他に誰がいるってんだ?それに覗いてる奴等もどんだけ気になってんだよ、邪魔だよ。こっちは荷物置きてぇんだよ。

 

 

八幡「なぁ、ちょっとどい『グループを抜けるってどうしてなんだ、優美子!?』………ん?」

 

柊「どうかしたの?」

 

八幡「……この会話、少し聞くか。」

 

柊/涼風「?」

 

三浦『だから、あーしは隼人達のグループから抜けるって言ってんの。だって隼人も海老名も何も教えてくんないし、男連中だってはぐらかすだけ。あーしだけ仲間外れにされるんだったら、もうこのグループになんていたくないし。』

 

葉山『待ってくれ優美子!話せばきっと分かり合える!だから話し合って『そう言って話し合った事って1度もないし。隼人があーしに修学旅行の事で教えてくれた事なんて1つもない……で、あーしも張り合うのに疲れたの。だからもう抜けるし。』ま、待ってくれ優美子!』

 

 

そう言いすてると、昨日とは違って歩きながら扉へと向かってきた。前に居た野次馬達は散らばって行ったが、俺はそうする理由がないからその場に立っていた。

 

 

三浦「………」

 

八幡「………」

 

三浦「………昨日。」

 

八幡「?」

 

三浦「昨日、相談に乗ってくれてありがと。お礼言いそびれてたし。」テクテク

 

八幡「………」

 

柊「八幡君、三浦さんと昨日何かあったの?」

 

八幡「ららぽに寄った時に少し話をした程度だ。他はなんもねぇよ。」

 

 

けどこうも早く結論を出すとは思わなかった。こりゃまたクラスが荒れるかもしれないな。葉山争奪戦が始まるかもしれない………だが、まだ分からない。これだけの目がある中で葉山が隠しておきたかった事をバラしたんだ、関係ない奴でも少しは気になるだろう。

 

 

八幡「まっ、取り敢えず荷物置いてのんびりしようぜ。立ったままだと疲れるしな。」

 

柊「さんせ〜♪」

 

涼風「はい、分かりました。」

 

戸塚「おはよう八幡、ビックリしたね………」

 

八幡「本当にな。」

 

 

けどこれで俺も少し安心だ。三浦が抜けたから、葉山が俺を頼る理由がなくなるからだ。無駄に乗っかってた肩の荷が降りたような気分だ。楽〜。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

昼休みになって、少しだけ和やかムードになるかと思いきや、そうはならなかった。あの朝からずっと葉山が三浦に話し合いを求めていたからだ。中休みの間もずっとだ。三浦はそれに対して拒否の反応を示してから教室を出たり無視を決め込んだりしている。そして今も尚、葉山の行き過ぎた行為が続いている。三浦も流石にウンザリしたような顔をしているのが、俺にも分かる。

 

 

柊「葉山君も懲りないね〜。あんなにしつこく粘っこく絡む必要ってあるのかな?」

 

八幡「さぁな。葉山にとって三浦は重要人物なんじゃねぇの?」

 

柊「私でいう八幡君みたいな!?」

 

八幡「そうそうそれだ。」

 

柊「いぇ〜い♪」ダキッ!

 

八幡「こらこら、食事中に抱き着くな。摘んでるの落っことしたらどうすんの?」

 

涼風「しかし、本当に諦める気配がありませんね。ご自分の食事時間を減らしてまで三浦さんに自身のグループにいて欲しいメリットがあるのでしょうか?」

 

柊「どうなんだろうね?私達は八幡君と涼風と私の3人だけのグループで充分だけどね〜♪」

 

八幡「増やす意味もないし、同じ中学出身だしな。それに恋人関係だしな。」

 

柊「その通りっ♪」

 

 

うん、今日の卵焼きも美味い。日に日に美味くなってねぇか、コレ?柊さん、涼風さん、次はどんな高級品使っちゃったの?

 

 

 

 

 


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