俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

16 / 300
夏祭り!

 

 

柊side

 

 

柊「うん、これでバッチリ♪後は集合場所に行けばデートの準備完了だよね!よぉし、お祭りデートにいざ、出発〜♪」

 

 

うふふっ、これから八幡君とお祭りデート♪何しようかなぁ〜。けど、どうせやるのなら八幡君と一緒に楽しめる遊びの方が良いよね。輪投げとか射的とか金魚すくいとか!八幡君は私のこの浴衣、綺麗って言ってくれるかな?紫の着物に青色と水色の朝顔柄に赤い帯を巻いたから、それなりには良いと思うんだけど。それと今日は髪が長いと着物と合わないから、髪紐で結ってある。

 

 

柊「似合ってるって言ってくれたら良いなぁ♪」

 

 

ーーー集合場所ーーー

 

 

確かこの辺だよね〜……あっいたいた!

 

 

柊「はっちまんくん!」

 

八幡「ん?おぉ柊、来たか………ほぉ、去年のと浴衣違うんだな。」

 

柊「うん、中学から使ってた物だったからそろそろ新調しなきゃね〜って言ってたからこの前選んで買ってもらったんだけど………どう?」

 

八幡「あぁ、似合ってる。綺麗だ。」

 

 

八幡(いやだってそんな事は周りの目を見れば分かるでしょ。柊、お前何人の男を魅了してると思ってるの?ただでさえ顔が良いのに、それに重ね掛けして浴衣とかオーバーキルだよ?)

 

 

柊「やっぱり八幡君にそう言ってもらえるとすっごく嬉しいわ♪ありがとう♪」ダキッ!

 

八幡「お、おう……」

 

柊「八幡君も浴衣にすれば良いのに〜。無いの?」

 

八幡「あぁ、家には無いな。それに今まで買う必要もないと思ってたしな。」

 

柊「じゃあ来年までに買っておこっか♪私も浴衣選び手伝ってあげるから!」

 

八幡「そうだな、そん時は頼むぞ。俺はそういうセンス皆無だから。」

 

柊「はぁ〜い♪」

 

 

それから私達は集合場所から出発して屋台を見ながら歩いている。八幡君はこういう時でも私の歩調に合わせて歩いてくれる。浴衣だとどうしてもいつもみたいに歩くことは出来ないから凄くありがたい。

 

 

八幡「……柊はやりたい事とかないのか?」

 

柊「え?まぁ考えてはきたけど……どうして?」

 

八幡「いや、突っ走っていくのかと思っていたからよ。こうやって歩いてるから少し意外だと思っているだけだ。」

 

柊「何も遊ぶだけがお祭りの楽しみ方ではないもの。見て回るのもお祭りを楽しむ醍醐味の1つでしょ?それに八幡君も居るからね〜♪」

 

八幡「そうか、今年はそういう考えなんだな。」

 

柊「?去年は違うの?」

 

八幡「あぁ、去年は『お祭りは何でもやらないとねっ!全部コンプリートするんだ!』って言いながら全部の店片っ端からやってたけどな。」

 

柊「き、去年の私ってそんな事言ってたんだ………なんか恥ずかしい///」

 

八幡「まぁいいじゃねぇか、考え方が変わるってのは良くある事だ。1年の間で少し大人になったって思えば気も楽になる。おっ、たこ焼きある。柊、たこ焼き食べないか?嫌ならお好み焼きでもいいけど、どうする?」

 

柊「……じゃあ両方♪」

 

八幡「そういうと思ってた。」

 

柊「ふふふふふっ♪」

 

 

やっぱりお祭りに来たらたこ焼きとお好み焼き、焼きそばのどれかは食べないとね〜。生地を焼き上げる良い匂いが私達の食欲を唆らせるよ〜。早く八幡君と一緒に買って食べないとねっ♪

 

え?1回離れてからたこ焼きと焼きそばを別々で買ってこないのかって?分かってないなぁ〜私と八幡君は離れちゃダメなんだよ?買いに行く時も一緒に行かないとっ♪

 

 

八幡「座る所があって助かったな。」

 

柊「うん、そうだね。じゃあ早速食べない?今日のお昼ご飯少しセーブして来たからお腹空いちゃってるんだ〜。」

 

八幡「そ、そうなのか………じゃあ早速食べるか。じゃあ、いつものお決まりで行くのか?」

 

柊「もっちろん♪ホラ八幡君、早く早く!あっ、最初はたこ焼きね♪」

 

八幡「へいへい。そんじゃあ……あーん。」

 

柊「あぁ〜んっ♪」

 

 

八幡(………毎回思うけど、柊に何かを食べさせてるとなんか餌付けしてるみたいに思えるんだよな。)

 

 

柊「うん、美味しっ♪じゃあお返しに八幡君にもたこ焼き!はい、あ〜ん♪」

 

八幡「あむっ………うん、美味い。」

 

柊「♪〜」

 

八幡「……何だ?」

 

柊「やっぱり八幡君ってさ、物を食べてる時の顔って凄く正直だよね。本当に美味しそうに食べてるからさ、いつも新鮮に思うんだよね〜。」

 

八幡「そ、そうか?」

 

柊「うん♪だっていつもは嬉しい事があっても照れ隠しするからさ〜、あんまり八幡君の笑顔って見た事ないから。」

 

八幡「笑顔、ねぇー……柊の前では素直でいるつもりなんだがな。」

 

 

中学の時に比べたら物凄くマシにはなってる。それは事実。けど八幡君がニコ〜ってしてる所は見た事ないんだよね〜。ううん、想像もつかないんだけどね。八幡君の笑顔=微笑むって言った方がいいのかな?まぁ、そんな感じ?

 

 

柊「けどいつかは八幡君の笑顔、見られる時が来るよね?」

 

八幡「………まぁ、多分な。けど期待はしない方が良いと思う。」

 

柊「えぇ〜私は見たいなぁ〜八幡君の笑顔!想像つかないけど、それを見たとしても私は笑わないよ!笑うかもしれないけど、多分それは嬉しさから来る笑いだと思う!」

 

 

だって彼氏の笑顔を見れて嬉しくならない彼女なんて、居ないはずないもんね♪

 

 

 

 


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。