俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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鮪大食いとお裾分け

 

 

八幡side

 

 

御影「あはははごめんね八幡君、いやぁ流石に今回は僕も反省かなぁ〜まさかこんなにも量があるとは思わなくってさ。食べられる部分って意外とあるんだね。」

 

八幡「おじさん、鮪を何だと思ってるんですか?それと重さと値段もう1度言ってくださいよ。」

 

御影「………500万円と100kgです。」

 

八幡「競りでも行ってきたんですか?普通鮪買うのにそんな値段競りでもしなければなりませんよ?一体何処で買い物したんですか………」

 

御影「返す言葉もありません………」

 

柊「おぉ、お父さんが八幡君にお説教されてる。」

 

涼風「今までにない光景ですね。」

 

紫苑「まぁ、頑張って食べるしかないわよね。もう捌いてあるんだから。」

 

 

いやもうホントに凄いよこの社長。何が凄いかってもう色々だよ……まさか100kgの鮪を500万円で買うなんて思わなかった。え、おじさんって社長だよね?お金の使い方下手過ぎない?それとも家族サービスの一環として?上物を食べさせたかったから?

 

 

八幡「まぁ取り敢えず頑張りましょうか………」

 

御影「ごめんよ八幡君、君だけが頼りなんだ。」

 

八幡「こんな事で頼りにされるとは思いもしませんでしたよ、本当に。」

 

 

誰か呼ぼうかなぁ………呼べる奴居ねぇわ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

御影「それじゃあ今日の晩ご飯はマグロ三昧だから好きなだけ食べていいからね!あっ、宮間達も遠慮無く食べていいからね!」

 

宮間「では僭越ながら。」

 

御影「それじゃあ完食目指して、いただきます!」

 

全員『いただきます!』

 

柊「どれから食べようかなぁ………」

 

涼風「カマトロが美味しいと聞きましたが………」

 

紫苑「やっぱり大トロかしらね。」

 

御影「僕は赤身なんだよね〜。」

 

八幡「………トロにしとこ、部位分かんねぇし。」

 

 

いやそれにしても多いな………これ絶対食べ切れないでしょ。幾ら人がいるとはいっても流石に100kgは食べ切れん。

 

 

ーーー30分後ーーー

 

 

柊「んんぅ〜………色んなの食べて紛らわせてたけど、もう無理。食べられないし、お腹いっぱい!涼風はもうギブアップしてたけど。」

 

八幡「あぁ、俺も限界だ。食い過ぎたって思うくらい食った。」

 

 

他の皆さんも同じ感想のようだ。だが鮪はまだ余っている、保存は効くのだがその代わり鮮度が落ちる。早く食べまなければ美味しくなくなってしまう。魚とはそういうものだ。

 

例えば秋刀魚に塩振りをしてどれだけ置いておくかによっても、味に違いが明確に出てくるくらい違ってくるものなのだ。

 

 

八幡「………っ!おじさん、この鮪ってこれで全部ですか?」

 

御影「ううん、保存出来るように容器に詰めてもらってるのが幾つかあるけど、それがどうかしたのかい?持ち帰るの?」

 

八幡「いや、そんな事したら俺の家族に怪しまれるので持ち帰りはしませんけど、今ちょうど受け取ってくれそうな人が思い浮かんだので。取り敢えずそれぞれ3つずつ頂けませんか?」

 

御影「……その人って誰だい?」

 

八幡「雪ノ下建設の令嬢です。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陽乃「まさか君から呼ばれるなんて思ってもなかったけど、その理由がこれだとは思わなかったわ。」

 

八幡「いや、俺もまさか最初に雪ノ下さんを呼ぶ理由がこれだとは思ってませんでした。けどこうでもしないと鮮度落ちちゃうので。それに、この前の事件のお礼もしてませんでしたし。」

 

陽乃「そんなの気にしなくてもいいのに。ところで、学校はどう?楽しくやれてる?」

 

八幡「楽しくはやれてますが、また一騒ぎ起き始めたって感じですね。俺は関係無いですけど。」

 

陽乃「ふぅん………」

 

八幡「気にならないんですか?」

 

陽乃「だってどうせ隼人でしょ?」

 

八幡「よく分かりましたね。」

 

 

どうして分かったんだ?この前会ったあれだけの会話でそこまで想像出来るとは思えないが………

 

 

陽乃「あぁ、実はマスドで比企谷君達から学校の事聞いたでしょ?あの後に隼人に忠告したんだ、君に迷惑を掛けるなって。まぁ無駄に終わったみたいだけど。」

 

八幡「……それで、葉山にはまた何か忠告するんですか?」

 

陽乃「まさか。1度言って聞かなかったんだから2度言っても聞くわけないじゃん。それにどうでもいいしね。隼人の周りがどうなっても私には関係ないし。」

 

八幡「それなのに俺には協力しろだの知恵を貸してほしいだの言ってくるんですから、変わって欲しいですよ。今の立ち位置。」

 

陽乃「嫌に決まってるじゃない。」

 

八幡「知ってますよ。」

 

陽乃「まっ、取り敢えずお礼は受け取っておくね。家族皆で食べる事にするから。きっとお母さん達も喜ぶよ。」

 

八幡「そういえばおじさん達と知り合った事、家族に言ってないんですか?」

 

陽乃「言ってない。言ったら絶対に会わせろって煩くなると思うし。何よりも、あの人達ってそういうの嫌いなんでしょ?」

 

八幡「自分達の時間が減るからって言ってましたね。だから会議とかも最低限しかやらないって。」

 

陽乃「ふふふ、合理的な人達だね。」

 

八幡「それでいてかなり人間性に溢れた人達ですよ、あの社長と副社長は。」

 

 

だから500万円の鮪を買えるんだよな………

 

 

陽乃「じゃ、私もそろそろ行くね。」

 

八幡「はい。わざわざありがとうございました。それから、ちゃんと雪ノ下も呼んでやってくださいね?断られる前提でも構いませんから。」

 

陽乃「君も悪い子だねぇ〜、了解。それじゃ、また今度ね〜。」

 

 

………さて、俺も帰るか。かなりの量食ったけど、マジで美味かったなぁ。特に脳天と頬肉。希少部位だけあって味も格別だった。けど、流石に無くなっていることを祈ろう。暫くは鮪……というよりも魚はやめて貰いたい。特に生の状態では。

 

 

 

 

 

 

 

 


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