俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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雪ノ下家

 

 

陽乃side

 

 

はぁ………予想はしてたけど、まさか隼人がここまでバカだとは思わなかったなぁ。忠告したその次の週にまた比企谷君にちょっかい掛けるなんてね。

 

けど、今は隼人の下らない事よりもやらないといけない事があるもんね。それを片付けないと。

 

 

陽乃「というわけだから雪乃ちゃん、家族皆で鮪パーティーしようよっ♪」

 

雪乃『突然電話を掛けてきたと思ったら………私はもう夕食を済ませたのだけれど?』

 

陽乃「別腹枠で空いてない?」

 

雪乃『空いていたとしても食べる気にはならないわよ。』

 

陽乃「そっかぁ……雪乃ちゃんお母さんの事苦手だもんね〜。」

 

雪乃『そういう事ではないのだけれど………』

 

陽乃「まぁいいや。じゃあ雪乃ちゃんの分は私が後で持って行ってあげるからさ、その時に受け取ってよ。それならいいでしょ?」

 

雪乃『……分かったわ。』

 

陽乃「じゃあその時にね、バイバーイ。」

 

 

………結局雪乃ちゃんは来ない、か。まぁ概ね予想してたから驚きはしないけどね。さてと、家に帰ったらなんて説明しようかなぁ〜。まんま通りに説明しようかな?この前の少年助けた時のお礼って。

 

 

ーーー雪ノ下家ーーー

 

 

陽乃「ただいま〜。お母さん、晩御飯ってまだかな?」

 

秋乃「えぇ、まだですが何か?」

 

陽乃「実はさ、この前言った事故の事あったでしょ?その子からお礼にってこれ貰ったんだ〜。だから食べない?」

 

秋乃「………鮪、ですか。ですが1種類だけではないようですね。高校生がこの部位を買い揃えるとはとても思えませんが?」

 

陽乃「そこは私も知らないよ。」

 

秋乃「………陽乃、あの子……確か比企谷さんといったかしら?彼は一体何者なのですか?最近、貴女も興味がある様子ですが………」

 

 

やっぱり聞かれちゃったかぁ………でもどうしよっかなぁ。流石に勝手に教えるわけにはいかないよね〜。よしっ、許可取ろう!

 

 

陽乃「ちょっと待ってくれる?」

 

秋乃「?分かったわ。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

陽乃「みたいな話の流れになったんだけど、夜十神さんの事、話しても大丈夫かな?」

 

八幡『それで俺に電話ですか………俺には分かりませんよそんな事。』

 

陽乃「ははは、だよね〜………」

 

八幡『……5分待ってください、確認します。』

 

陽乃「え、いいの?」

 

八幡『俺が雪ノ下さんのお母さんから絡まれたら、マズい事に発展しないとも限らないので、今のうちにですよ。言っておきますけど、勝手な事はしないでくださいね?』

 

陽乃「分かってるよ〜。」

 

八幡『では、一旦切ります。』

 

 

ふひぃ〜……ごめんね比企谷君。

 

 

ーーー5分後ーーー

 

 

♪〜♪〜

 

 

あっ、来た!

 

 

陽乃「もしもし、比企谷君?」

 

八幡『どうも、お待たせしました。結論から言うと、話しても良いそうです。』

 

陽乃「うん、それで?他にもあるんでしょ?」

 

八幡『はい。おじさんが言った言葉をそのまま伝えますね。『例え君達が僕とのパイプを持っている八幡君と知り合いだったとしても、彼を使って僕達と接触しない事が条件だよ。』だそうです。まぁ要するに、俺を自分達の都合の良い道具にしないのであれば構わないって事ですね。多分それ以外も含まれるとは思いますけど。』

 

陽乃「成る程ね、分かったよ。お母さんにも必ずそう伝えておくね。」

 

八幡『信用してないみたいな言い方になっちゃいますけど、大丈夫ですか?』

 

陽乃「その辺は大丈夫。私のお母さん、その辺はちゃんとしてるから。確かにお母さんが抱えてる【雪ノ下建設】も【Nigh-Ten・Group】とのパイプはかなり欲しいみたいだけど、誰かを道具にしてまで手に入れようとは思わない筈だから。」

 

八幡『そういう事にしておきます。じゃあ、確かに伝えましたから、俺は切ります。』

 

陽乃「うん、わざわざありがとう。」

 

 

………さぁて、お母さんに報告っと。

 

 

ガチャッ

 

 

陽乃「お待たせ〜お母さん。確認とってたらちょっと時間掛かっちゃって〜。」

 

秋乃「構いませんよ、それで?」

 

陽乃「うん。比企谷君なんだけどね、お母さんもよく知ってる【Nigh-Ten・Group】があるでしょ?その社長令嬢が居るんだけど、その令嬢さんとお付き合いしてるんだよね。」

 

秋乃「……… 【Nigh-Ten・Group】?待って下さい陽乃、貴女は知っていたのですか?」

 

陽乃「事故の時にね。けど勝手に話したらマズいと思って黙ってたんだ。後一応これ名刺、会った時に貰ってたんだ。」

 

 

お母さんが私から名刺を受け取ると、食い入るように名刺を見ていた。一言一句間違ってないか確認しているんだと思う。

 

 

陽乃「話を続けるけど、これを教えるに当たって条件も提示されたんだ。内容は比企谷君を都合の良い道具にしない事だって。比企谷君は誰もが羨む程の大企業の社長令嬢の恋人だから、この事を他の企業とかにバラしたらとんでも無い事が起きちゃうしね。もしそんな事したら、私達なんてお終いだよ。」

 

秋乃「………私も少し処理が追いついていないようです。道理でこんな物を用意できたわけです。成る程、あの企業の………ご挨拶にお伺いしたい所ではありますが、それでは比企谷さんを使ったも同然の行為。我々自身がパイプを作るまで、挨拶は取っておきましょう。お預けにされているようで少しだけやるせない気持ちになりますが。」

 

陽乃「うん、それが絶対正解。」

 

 

 

 

 

 

 


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