俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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12月

 

 

柊side

 

 

三浦さんが葉山君達のグループを抜けて1ヶ月が経とうとしていた。葉山君は最初の1週間くらいは頑張って説得をしていたんだけど、三浦さんは全く相手にしないし、無視もするから、クラスメイトの女子達もそんな三浦さんを見て、グループに戻る気は無いのだと確信した途端、葉山君に猛アプローチを開始した。

 

当然、葉山君はそれに対応しているんだけど、その相手をしている間にも三浦さんとの距離は段々と離れていってるのも気付いていると思う。それで結局説得を諦めてしまった。それを見ていたって言ったら語弊があるかもしれないけど、最近では海老名さんもグループに集まらなくなって、三浦さんの所に行くようになっていた。もしかして海老名さんもなのかな?

 

最近では葉山君の周りにはいつもの男の子3人と由比ヶ浜さん、そして新しく入った?さ、さ……相模原さん?とそのお友達2人がよく話をしているのを見かける。多分あれが新しいグループなんだろうね。葉山君が三浦さんに話しかけに行かなくなって、教室の雰囲気も大分落ち着いた。険悪な雰囲気も何もないし、平和と言ってもいいんじゃないかなって思う。

 

ただ、葉山君の顔を見る限りでは納得はしてなさそうだけどね。どうでもいいけど。

 

 

生徒会選挙も無事に終わる事ができた。無事……では無いとは思うけど、取り敢えずは役員も決まったから終止符って事で。名前?分かんない。だって私が気にしてもしょうがないじゃん!学年くらいは分かるよ?会長と副会長が2年生で、書記が1年生だったかな。

 

 

けど今はそんな事も言ってられる余裕なんてないよ!だって………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

柊「ううぅ………寒くなったよね〜。」

 

涼風「12月ですからね。雪は降っていなくとも、寒さは嫌でも感じてしまう季節ですから。」

 

柊「ううぅ……ねぇ八幡君、ズボンのポケットに手を入れてもいい?」

 

八幡「すいません涼風警部、ここに人のズボンに手を入れようとしている変態が居るんですけど、何とかしてもらえませんか?」

 

涼風「ではお母様に連絡をしておきます。」

 

柊「やめて!本当にやめて!!そんな事されたら私、お説教だけじゃ済まなくなっちゃう!!」

 

八幡「手を繋ぐくらいならいいが、何でポケットなんだ?しかもズボン。」

 

柊「だってその方があったかいじゃん!八幡君の温もりが直に伝わってるんだよ?」

 

八幡「地味に納得できそうな理由だな。」

 

 

当然!でも、流石に八幡君から変態扱いされたくないから手を繋ぐで我慢しよっと。

 

 

涼風「そういえば八幡さん、八幡さんは3年生に入ってからの選択は決めているのですか?文系に行くか、理系に行くか。」

 

八幡「涼風、俺にそれを聞くのは野暮だろ。俺は文系一筋だ。理系は2人に教わってるから平均点レベルにはなってるが、やろうとは思わん。」

 

柊「まぁ八幡君ならそうだよね〜じゃあ私も文系!そして八幡君と同じ大学に第1希望!!」

 

涼風「では私も文系にします。そして進学も八幡さんと同じ大学を目指します。」

 

八幡「お前等なら簡単だろ。ていうか、他の大学は受け『ない(ません。)』ないの……理由は?」

 

柊「だって八幡君と別の大学に行ったら絶対に誰かにちょっかいかけられるんだもん!!それだったら八幡くんと一緒に居た方がいい!!勘違いされても良いもんね!!本当の事だし!!」

 

涼風「お姉様程過激な考えではありませんが、私も同じ理由ではあります。男除けではありませんが、八幡さんの側に居ると落ち着きますから。」

 

八幡「そうか。まぁ大学云々は置いといて、同じ文系にするにしても、3年に進級した時に俺達が同じクラスになるとは限らないけどな。」

 

 

はっ!!そうだった!!3年生に上がったらクラス替えもあるんだ!!文系と理系に分かれてのクラス替え………八幡君と一緒のクラスが良い!!!

 

 

柊「一緒じゃなかったら呪ってやるもん。」

 

八幡「怖い事言うな。」

 

涼風「藁人形の手足を釘で打ってから徐々に………ふふふ。」

 

八幡「涼風、お前までそんな風にならないでくれる?俺走って先に行くよ?」

 

柊「私達が一緒のクラスになるのは当たり前だよ!!一心一体表裏一体なんだから!!」

 

八幡「それ、怖くね?」

 

 

ーーー2-Fーーー

 

 

八幡「おじさんまた変な買い物とかしてないよな?この前の鮪みたいな事してないか?」

 

涼風「ご安心下さい。八幡さんも御存知だと思われますが、あの日からお父様は1度も変なお買い物はしておりませんので。」

 

八幡「ならいいけどよ、あれはもう勘弁だからな?あの量を見たら寿司を食いに行く気にもならなくなる。頼むとしても唐揚げとかになるかもしれん。」

 

柊「あはは、重症だね。けどその気持ちすっごく分かる。私もあの量を食べて1週間は生魚は食べたくないって思ってたし。」

 

涼風「流石にお父様も反省しておられたみたいです、『100kgは買うべきではない。』とも口にしておられましたから。」

 

八幡「当たり前だ。1日で100kgなんて大食いの人何人呼べば食べ切れるんだよ………頼むからそういう買い物はしないでって切に祈ろう。」

 

 

八幡君、本気なんだね………割と。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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