俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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射的カップル

 

 

八幡side

 

 

さぁて、たこ焼きと焼きそば食って腹も少し満たせたし、次は何処に行くか………そういや柊はこの前、鈴のついたアクセサリーを気にしてたな。どっかにそれっぽい景品とかねぇかな。

 

 

柊「ねぇ八幡君、次はどこ行こっか?どうせなら射的でもしてみる?」

 

八幡「射的か……じゃあ行ってみるか。」

 

柊「うんっ♪」

 

 

もしかしたら、その場所に景品があるかもしれないしな。無くても何か代わりになるような物を落とせば少しは喜んでくれるだろう、多分。

 

 

ーーー射的場ーーー

 

 

柊「おっ、あったあった♪しかもちょうど空いてるし、今がチャンスだね!おじさ〜ん、射的2人分お願いしま〜すっ!」

 

「あいよー!1人7発までだからしっかり狙うんだぞー!サービスは無しだからなっ!」

 

柊「はぁーい!どれにしよっかなぁ〜。」

 

 

………まさかあるとは思わなかった。よし、アレを狙うか。7発までだからな、大切に使わねぇと。

 

 

パァン!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボトッ

 

 

………あ、獲れた。

 

 

「おっ、兄ちゃん上手いなぁ!ホレ、お目当てかどうかは分かんねぇけど、持ってきな!」

 

八幡「ど、どうも………」

 

柊「すっご〜い八幡君!!」

 

八幡「お、おう……ホラよ。」

 

柊「え?」

 

八幡「この前出掛けた時、コレと似たようなアクセサリー気にしてただろ?だからコイツを狙ってたんだよ。1発で獲れるとは思ってなかったけどよ。俺が付けてもしょうがねぇしな。」

 

 

柊(八幡君、見ててくれたんだ………嬉しい。)

 

 

柊は俺が渡した鈴のついている赤と紫の紐でできたブレスレットを左手につけた。

 

 

柊「……ありがとう八幡君♪すっごく嬉しい!!コレ、私の宝物にするね!!」

 

八幡「おう、気に入ってくれたんなら良かったわ。獲れた甲斐があったってもんだ。」

 

「かぁ〜見せつけてくれるじゃねぇか!!兄ちゃん、アンタカッコイイなぁ!彼女にプレゼントたぁ粋な事するじゃねぇか!!」

 

 

パチパチパチパチパチ ヒューヒュー!

 

 

八幡「………///」

 

柊「うふふふっ、私も少し恥ずかしいかも///」

 

八幡「……早く終わらせて行くぞ///」

 

柊「うん♪」

 

「兄ちゃん、彼女にもっかいカッコイイ所、見せてやんな!ネックレスとかもあるぜ〜?」

 

 

余計なお世話だおっちゃん、黙ってみてろ。どうせ残りは失敗すんだから。後後ろのギャラリーも早く散った散った!見せモンじゃねぇぞ!

 

 

パァン! ピンッ

 

 

ホラ、外しただろ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ボトッ ボトッ

 

 

………え?

 

 

「おいおいおいおいぃぃぃ!!1発の弾で2つ獲っちまったぜ〜!!おい兄ちゃん、アンタ何モンだい!?しかもこれまた姉ちゃんに似合いそうなのを獲りやがって!!カッコイイにも程があんだろうがい!!」

 

八幡「うっそぉ〜………」

 

「ホレ!!後で姉ちゃんに付けてやんな!!」

 

八幡「ど、どうも………」

 

 

俺が獲ったのは白いボタンの髪飾りと青い勾玉が付いているネックレスだった。そんなつもりじゃなかったのに………何故だ!?どうしてこういう時に限って俺は見せ場を作ってしまうんだ!?

 

 

柊「八幡君………凄いね、射的上手いんだ。」

 

八幡「いや、持ったの今日を入れても数回くらいしか無いから。何なら今日が初めての景品ゲットだし。まぁ、後は外すだろう。」

 

 

その後は俺の宣言通り当たりはしたが、落ちはしなかったので俺の獲得した景品は3つで終わった。柊も2つ景品を落とした。景品はお菓子とブレスレットだったのだが、ブレスレットは明らかに男物だったから、俺にくれた。しかもおっちゃんが俺達の事を『射的カップル』と呼び始めたせいで無駄に目立ってしまったので、俺達はすぐにその場から離れた。

 

 

八幡「あの親父………変な言葉作りやがって。」

 

柊「けど私は嬉しかったよ?八幡君にこんなプレゼントを貰えたし♪それに、ちょうど花火の時間だからちょうど良かったかも!」

 

八幡「………そうだな。この辺りでよく見えそうな場所ってあったか?」

 

柊「どこも人で埋まってそうだよね〜。」

 

八幡「あぁ。仕方ないから此処で「あれ〜比企谷君じゃ〜ん!」………雪ノ下さん。」

 

陽乃「こんばんは、お祭りを楽しんでるみたいだね。青春してるね〜このこの〜。」

 

 

はぁー………この人とエンカウントしちゃったか。色々と面倒になる前にどっかに行くか。

 

 

柊「ねぇ八幡君、この人は?」

 

八幡「あぁ、この前部活に行った時に雪ノ下が居ただろ?そいつの姉だ。」

 

陽乃「どうも、雪ノ下陽乃です。よろしくね。」

 

柊「初めまして、夜十神柊です。」

 

陽乃「けど意外だなぁ〜。比企谷君が雪乃ちゃん以外にも接点のある子が居たなんてね〜。それでそれで?君と比企谷君はどんな関係なのかなぁ?」

 

 

………まぁ本当の事だし、言ってもいいか。どうせ雪ノ下も知ってるし。

 

 

柊「彼氏と彼女です。」

 

陽乃「………へ?」

 

柊「彼氏と彼女です。」

 

陽乃「………嘘?」

 

八幡「本当です。それともう俺達は行きますね、花火のよく見える場所を探したいので。」

 

陽乃「え?あぁ〜花火ね、それならこっちにおいでよ。良い席があるからさっ!」

 

 

ーーー有料観覧席ーーー

 

 

八幡「いいんですか?俺等が此処に来ても?」

 

陽乃「私と一緒なんだから問題無いよ。それに、面白いお話を聞かせてくれたお礼だと思って。」

 

八幡「それって?」

 

陽乃「君に彼女がいた事に決まってるじゃない。それもこ〜んなに美人で綺麗な、ね。色々聞かせてくれない?」

 

八幡「……教えられない事は教えませんからね。」

 

陽乃「それでいいよ。私も比企谷君に聞きたい事があるしね。お互いに聞き合おうか。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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