俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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葉山の決断

 

 

八幡side

 

 

昼休みが終わって今は授業中だ。あのバカ3人は弁当の落ちた所を綺麗に掃除してもらった。米粒1つすら残すのは許さなかった。俺達は床に落ちていなかった具材の部分を食べる事によって空腹は免れたが、やはり食った気がしなかった。それよりも俺には怒りの感情の方が勝っていた。あの屑共、柊達に謝りもしねぇ所か、柊達が悪いだと?挙げ句の果てには汚ねぇなすりつけ合いまで始めやがる始末だ………

 

そっからは平塚先生が来て相模達が掃除しているのを見て異常に思ったのか、事情を聞き説明を涼風がしてくれた。3人はそれに対して反論も異議もしなかった。当然だ、したら俺が絶対に論破してやるからな。周りにだって証人は居るんだから、どっちが正しいのかなんて一目瞭然だろう。けどマジでどうしてやろうか、あの3人。

 

 

平塚「……なぁ、比企谷。」

 

八幡「何です?」

 

平塚「あー……お前の気持ちは理解しているつもりだ。だが、そのオーラをしまってはくれないか?」

 

八幡「無理です。」

 

平塚「だがな、これでは皆この雰囲気に呑まれ過ぎて授業にならん。」

 

八幡「なら問題起こしたバカ3人を土下座でもさせてくれません?人が作った弁当を床にぶち撒けておいて掃除だけで済まされるって思ってるなら大間違いっすよ?」

 

3人「っ!?」

 

八幡「俺はまだ許したつもりは毛頭ないっすよ。寧ろこれっぽっちも気が晴れてない。弁当落としたってのに、作った本人2人に謝罪の1言も無いんですからね、そりゃ許せないでしょ。それも悪いのは何もしてない柊達と来たもんですからね、大した奴等ですよ、ホント。」

 

 

平塚先生が何と言おうと、俺はあの3人を許すつもりなんてない。というよりも潰すと決めている。一緒の空気がいるだけでも反吐が出そうだからな。

 

 

平塚「………比企谷、流石に土下座は無理だ。それに今は授業中だ、流石に授業以外の事をすることは出来ない。」

 

八幡「分かりました。「ただ先も言ったが、やはり今のままではまともな授業にならない。そのオーラを出さないでもらいたいんだ。」………」

 

柊「八幡君………」

 

八幡「っ!」

 

 

………柊にこんな顔されたら、流石に出すわけにはいかないか。いや、別に意図して出していたわけではないんだが。

 

 

八幡「……一応了解です。けど、意図して出していたわけではないので、そこは分かってください。」

 

平塚「助かるよ、比企谷。」

 

 

クラスの雰囲気も幾らかマシにはなったが、それでも暗く、重たい事には変わりなかった。特にあの3バカは雰囲気はマシになっても顔色が良くなっていなかった。まぁアイツ等の事なんて知った事じゃないが、こんな事で潰れてもらったら困る。

 

 

ーーー放課後ーーー

 

 

八幡「おい葉山、話がある。顔貸せ。」

 

葉山「………屋上でもいいかい?」

 

八幡「付き合わせるのは俺だ、場所くらいは選ばせてやる。好きにしろ。」

 

葉山「じゃあ屋上で話そう。」

 

八幡「……あぁ。」

 

 

ーーー屋上ーーー

 

 

八幡「………」

 

葉山「………」

 

八幡「俺の言いたい事、分かるよな?ここんとこ連続で起きてるんだ、分からないなんて言うなよ?」

 

葉山「……あぁ、分かってる。どうして相模さん達を止めなかったのか、そう聞きたいんだろう?」

 

八幡「そうだ………何故だ?あの時三浦は止めに入ってた。アイツの事だ、見てられなかったってのもあるんだろうが、お前は違う。あの3人の中心人物であるお前がどうしてあの3人を止めなかった?理由を言え。」

 

葉山「………」

 

 

葉山は苦虫を噛み締めたような顔をしながら何かを考え込むような仕草をしていた……コイツ、この期に及んで考え事か?随分余裕だな。だが少しすると、覚悟を決めたかのような顔つきになった。

 

 

葉山「俺は彼女達を庇うのをやめた。それに、彼女達が起こした事に関して、俺は関係ない。」

 

八幡「それは何だ、この事に関与してないから俺に責任は無いって言いたいのか?」

 

葉山「それもある。だが俺はあの3人をグループに歓迎した事は1度も無い。入れた覚えもない。彼女達が勝手にグループに入り込んだと思っているだけだ。屁理屈だと思われるかもしれない、だが事実だ。相模さん達は葉山グループじゃない。彼女達がそうだと思い込んでいるだけだ。」

 

八幡「………」

 

 

成る程………今のグループには助ける価値は無い、そう判断したわけだ。いや、あの3バカと言った方がいいか。しっかし、勝手にグループに入り込んだと思ってるだけ、か………

 

 

八幡「じゃあお前は今回の一件、自分には何の罪も無いって事でいいんだな?あの3バカがどうなろうと自分には関係ない、知った事ではない、そうだな?」

 

葉山「………あぁ。」

 

八幡「その言葉、一先ず信じてやる。だがお前が少しでもあの3バカに肩入れするような事があったら、その時はお前も一緒に道連れにしてやるからな。」

 

葉山「……分かった。」

 

八幡「……付き合わせて悪かったな、んじゃ俺は行くわ。「比企谷。」……何だよ?」

 

葉山「相模さん達を止められなくて済まなかった。関係なくとも止めに入るべきだった………優美子のように。」

 

八幡「………次が来るとは思いたくないが、期待しないで待っておく。」

 

葉山「………あぁ、済まない。」

 

 

さて、これで完全にあの3バカは孤立状態になった。まさかあの3バカに加担するような馬鹿な奴は居ないとは思うが、葉山に助けを求めに行ったら滑稽に思えるだろうな。

 

 

 

 

 

 

 

 


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