俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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反撃する為に

 

 

八幡side

 

 

八幡「よし、準備完了だ。さて、行くか。」

 

 

ーーー居間ーーー

 

 

八幡「小町、今日から少しの間、柊の家で少しやる事があるからこの家空けるわ。」

 

小町「……あのさお兄ちゃん、柊さんが好き過ぎるのは別に良いんだけどさ、ちょっとはこの家に居てよ?ここ最近の週末ずっと居ないじゃん。」

 

八幡「俺も断ってんだよ。けど向こうの家族も止まらねぇんだよ………特に柊。」

 

小町「もう……分かった、どのくらい掛かるの?」

 

八幡「それは正直分かんねぇ。最低でも1週間かも知れない。もっと伸びるかもしんねぇし。」

 

小町「………じゃあ1週間小町1人?」

 

八幡「プリン買ってきてやるから許せ。」

 

小町「うん、小町頑張るね♪だからプリンシクヨロ!!」

 

 

お前は相変わらずだな、小町よ。だが今はそれがありがたい。単純でありがとう。

 

 

ーーー玄関前ーーー

 

 

八幡「すいません、遅くなりました。」

 

「いえ、お気になさらず。では向かいましょう。旦那様や皆様がお待ちになっておられます。」

 

八幡「はい。」

 

 

今日の下校は柊と涼風と別行動にした。俺は帰って荷物の準備をする必要があったからだ。そして2人には今日と昨日あった事をおじさんとおばさんに説明してもらっている。多分今頃はもう終わってるだろう。

 

そしてこれは俺達の問題だから、介入はしないでもらおうと思う。流石に頼りっぱなしじゃあダメだと思うし、少しは柊を守れる所を見せないとな。今の所、そんな場面1つも作れてねぇしな。やらかしてばかりだ。

 

 

ーーー夜十神家ーーー

 

 

八幡「お邪魔します。」

 

「「「お帰りなさいませ、若様。」」」

 

 

………もういいや、若で。

 

 

御影「八幡君、よく来てくれた。今し方、娘達から話は聞かせてもらったよ。随分と酷い目に遭ってしまったようだ………八幡君も娘達の為に怒ってくれてありがとう。」

 

八幡「いえ、結局2日連続で俺の居ない所で2人に被害が出てしまってるので、感謝なんて受け取れません。けど、受けたこの借りはキッチリと返させてもらいます。」

 

御影「……分かったよ、八幡君。僕達に出来る事があったら何でも言っていいよ。皆、喜んで協力しよう。娘達の、そして八幡君の為なら何でも引き受けよう。」

 

 

この人は本当に良い人だ、こんな………柊を守れなかったこんな俺にもこうしてくれる。だからこそ、俺は今度こそやらなければならない。あの時教室で決めた………決めたからには最後までやってやる。

 

 

八幡「ありがとうございます。じゃあ俺は早速作業しますので、夕食になったら呼んでください。なるべく集中したいので。」

 

御影「分かったよ。さっきも言ったけど、必要になったら言うんだよ。いいね?」

 

八幡「はい。」

 

 

ーーー客室(八幡専用)ーーー

 

 

八幡「さて、まずはアイツ等のGwitterやらAcebookやらで洗いざらい調べるか。そんで奴等が何かしら呟いているはずだ。」

 

 

さて、忙しくなるな。

 

 

八幡sideout

 

柊side

 

 

八幡君が何かを頑張ろうとしてる………きっと私達の為に。なら私もそれを全力で応援しなきゃいけない。それに今日のお昼ご飯は少ししか食べられなかったし、今日の晩ご飯は沢山作らないと!少しでも八幡君に栄養のあるのを食べさせてあげなきゃ!

 

 

涼風(八幡さんはお1人で戦おうとしています。お手伝いをして差し上げたい所ですが、きっとお断りされるでしょう。ならば私は八幡さんに最大限のサポートをさせて頂くまでです。昼食では私が至らぬばかりにあのような事が起きましたが、次はこのような事は起こしません!)

 

 

「あ、あの……奥様、柊お嬢様と涼風お嬢様が厨房を独占しておられるので、我々が調理を進められないのですが………如何致しましょう?」

 

紫苑「ごめんなさい。今日学校で色々あってお弁当が半分くらいしか食べられなかったのよ。それで今、八幡君に美味しいものを食べさせようと燃えているってわけ。だから余計な事はしない方がいいわよ?もしかしたら怒られるかもしれないから。」

 

「で、では我々はどのようにすれば………」

 

紫苑「そうね………味見役でもお願いしようかしら?その方があの子達の練習にもなるでしょうし。お願い出来るかしら?」

 

「……分かりました。お嬢様方もそれをお望みのようでしたら、我々厨房スタッフ一同、尽力しましょう。」

 

紫苑「頼りになるわ。」

 

 

うぅ〜ん、ちょっと薄いかな?でもお母さんが作った時の味はこんな感じだったけど………むぅ〜悩むぅ!八幡君に食べてもらう料理だから手なんて抜けない!しかもお弁当とは違って冷めてない状態だから1番美味しい状態で食べてもらうって事だもんね!気合い入れないとっ!

 

 

涼風「お姉様、こちら1品目終わりました。お姉様の方はどうですか?」

 

柊「涼風、コレどう?薄い?」

 

涼風「………私はちょうど良いと思います、お母様が作って下さる味に似ていますので。」

 

柊「でもさ、八幡君がどう感じるのかも気にならない?ほら、私達は丁度良くても、八幡君にとっては薄いか濃いってありそうでしょ?」

 

涼風「確かに………しかしお姉様、1度我が家の味付けにも触れさせるというのも1つの戦法だとは思いませんか?」

 

柊「成る程、それ良いかも!じゃあ今日は夜十神家の味っていう事で!」

 

涼風「はい、これで攻めましょう!」

 

紫苑「ふふふっ、楽しそうで何よりだわ。」

 

 

 

 


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