八幡side
八幡「………なぁ柊、もう「ううん、後5分。」いや、その台詞さっきもその前も聞いたんだけど?そう言ってかれこれもう30分は経過してるんだが?」
柊「だって八幡君から抱き締めてくれるなんて滅多に無いんだよ!?それを終わらせるなんて勿体無い事、出来るわけないじゃん!!」
八幡「え、なんで俺怒られたの?はぁ………涼風、お前からも「八幡さん、ご、5分です///」ジーザス、お前もか………」
はい、2人の内の片方(柊)を抱き締めて、もう片方(涼風)に抱き締められている現状なのだが、全く離してくれないのだ。今は抱き締めてはいるが、そこまで強くは抱き締めてない。寧ろ2人の方が強いまである。どんだけ離したくないんだよ………俺、やりたい事あるんだけど?今日はこのまま過ごすっていうのかい?それはあんまりだぜ………
涼風「八幡さんに抱き着いていると、とても安心するのです………幸せな気持ちが継続的に得られると言いますか、とても嬉しい気持ちになるのです///」
八幡「それはいいけどさ、もういい時間だよ?そろそろ作業させて?」
柊「嫌、八幡君に抱き締められてたい。」
涼風「あの、八幡さん………後程時間が空いた時で構いませんので、私にもよければ………/////」
増えた………
八幡「そうこう言ってるうちにもう5分経ったんだけど?もういいよね?「「後10分追加。」」……俺、充分癒されたよ?無理してないから。」
涼風「私達はお弁当の傷が癒えてません。なので八幡さん、私達を癒して下さい。」
柊「そうだよ。毎朝一生懸命作ってるお弁当をあんな風に扱われたら傷付くよ。だから八幡君、私達の心の傷を癒やしてよ〜。」ウルウル
そう来られたら断れねぇだろう………まぁ確かに昼間の事を考えたらこの2人のケアもしなくちゃいけないってのはその通りかもな。あの時はこんな事考えてる余裕なんてなかったしな………2人の気持ちを汲むか。
八幡「分かったよ、じゃあもうしばらくこのままな。いや、次は涼風にするか。」
柊「八幡君もしかして浮気!?」
八幡「何が浮気だ、そんなんじゃねぇよ……」
柊「けど次は涼風に抱き着くんでしょ?」
八幡「お前と同じで涼風も傷付いてんだ、なら同じ事をしてもいいだろ?涼風が嫌ならしない「ぜ、全然嫌ではありません!!是非お願いします!!」……ほら、さっきもそう言ってたし。」
柊「ぐぬぬぅ……正論だから何も言い返せない!」
八幡「こんな事で張り合うなよ。俺が柊を1番に考えている事は変わりないんだからよ。」
柊「………そんな事言っても騙されないもん///」
そんな事言われて嬉しそうにしてるのは何処のお嬢様かな?んん?
嬉しそうにしている柊に回している腕を解放して、俺は涼風の方へと向いて抱き締めた。
涼風「ふ、ふわぁ………/////」
………今の声、物凄く可愛いと思ったのは俺だけではないだろう。きっと柊も思っていたに違いない。
八幡「どうだ?」
涼風「は、はい………さっきよりも幸せを多く感じます、はい/////」
柊「むぅ〜……」
八幡「柊にはやってただろ?このくらい我慢しなさい。っていうか、涼風を抱き締めてまだ10秒も経ってないのにその反応かよ………」
柊「だってぇ〜……」
八幡「今は俺の背中に抱き着くで我慢だ、涼風もそうしてたんだから。」
柊「……はぁ〜い。」
しかし姉妹でもこんなに違うものなんだな。柊は自分から俺の方へと迫るように、擦り寄って来るような感じだったのだが、涼風は逆に縮こまるように小さくなっていっているような感じだ。まぁ、少しずつ俺の方へと近づいてきているようだけどな。
だが何だろう?涼風から漂ってくるこの幸せオーラは………物凄く甘ったるいんだが。柊はこんなの出さなかったぞ?
涼風「あ、あの……八幡さん、私はもう充分ですのでそろそろ作業に………/////」
八幡「いや、まだ1分くらいしか経ってないだろ。それにさっき暫くこのままって言ったから、このままでいいだろ。」
涼風「で、でしたらお姉様に………/////」
八幡「柊にはさっきやった、今は涼風だ。」
涼風「あうぅ……/////」
ヤバい、ちょっと面白い上に可愛い………なんか揶揄いたくなってきた。
柊「ちぇ〜。なんだかんだでいっつも涼風が良いとこ取りするんだよね〜。八幡君もさっきまで作業がどうたらこうたらで離してくれ〜なんて言ってたのに、今では涼風の為に抱き締めてるんだもん。涼風って策士だよね〜狙ってる?」
涼風「ね、狙ってません!た、確かに八幡さんにこうしてもらいたいという願望があるのは否定しませんが………」
八幡「お前等、俺を挟んで言い合いするなよ。それよりも涼風、あまり縮こまるなよ。抱き締めにくくなるだろ。」
涼風「あ、い、いえ、そんなつもりでは……/////」
柊「良いなぁ涼風……私も八幡君からこんな風にされたいなぁ〜。」
八幡「柊は涼風のようにお淑やかさを身に付ければ、少しは期待できるかもしれないぞ?」
柊「もうっ!またそんな風に揶揄って!」
結局その後もかなりの時間を使って2人に抱き着き、抱き着かれていた。