俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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バレた秘密 ②

 

 

八幡side

 

 

夏休みが終わってしまった………何でだよ、夏休みの期間2ヶ月くらい足りなくない?もっとあっても良いだろ。夏休みが7月の下旬から始まって10月の中旬まであっても俺は良いと思う。だって皆どうせ学校に行きたがらないだろ?そう考えたら学校の長期休暇なんて全部2ヶ月増やしちまえばいいんだよ。

 

 

小町「お兄ちゃん、今絶対下らない事考えてるでしょ?しかもすっごく。」

 

八幡「考えてるわけねぇだろ。アレだ、これからの学校はどうあるべきかについてだな……」

 

小町「はいはいどうせ夏休みをもっと伸ばすとか冬休みも伸ばすとかそんな事でしょ?」

 

 

あらやだ小町ちゃんったら。俺の事理解し過ぎでしょ。流石は俺の妹、兄の心をよく分かっている。アホだけど。まぁコイツもコイツで色々考えてるからな、勉強も頑張ってるみたいだしな。アホだけど。

 

 

八幡「まぁ、今日からまた学校だって思うと、怠いって思ってるだけだ。」

 

小町「柊さんが居てくれたらって思ってる?」

 

八幡「あ〜……あんまり考えた事はねぇな。今でも俺は充分だし。向こうはどう考えてるか分かんねぇけどよ。なんかあったらメールか電話してくるだろうしよ。」

 

小町「何だろう、お兄ちゃんがいつの間にか急成長しているように見えるよ。」

 

 

何を言う、俺はもう大人の考えを持っている。皆に迷惑をかけないように自分からボッチになったんだからな!それに人と関わんの面倒だし。あっ、夜十神さん達は別な。

 

 

ーーー総武高校ーーー

 

 

ワイワイガヤガヤ…

 

 

あぁ………今日から学校&初日からの部活か、面倒だ。今日は休みたい。けど平塚先生との約束もあるし、行くっきゃねぇよなぁ………やだわぁ。

 

 

戸部「なぁなぁヒキタニ君ヒキタニ君!」

 

 

……チッ、人が音楽聴きながら本読んでるってのに何だ?この喧しい天然パーマは?

 

 

八幡「何だよ?それと俺はヒキタニじゃない、比企谷だ。間違えるなよ。」

 

戸部「あぁ〜ゴメンゴメン!いやそうじゃなくてさ〜、これに写ってるの、ヒキタニ君だべ!?」

 

 

だから俺は………もういい、疲れる。ていうかこれ雑誌か?俺が載ってるって………え、マジなんですけど。しかもこれってこの前ららぽでインタビュー受けてた時のやつじゃねぇか!!

 

 

八幡「た、他人じゃね?」

 

戸部「往生際が悪いっしょ!!しかもヒキタニ君、結構カッコいい格好してるっしょ!!」

 

八幡「お、おう……」

 

 

やめろ!!それ以上俺を持ち上げるな!!何の意味もねぇから!!ていうか今の雑誌に写ってた俺の隣には柊も写ってたが………いや、まさかそんな事聞かねぇよな?な?

 

 

戸部「で、こっからが本題なんだけど〜、この雑誌のヒキタニ君の隣に居る人って彼女だべか?」

 

 

あぁ………言いやがったよコイツ。

 

 

その瞬間、クラスの雰囲気が凍りついたのが理解できた。全員が俺に注目を集めた。ある者は戸部の持っている雑誌に注目している奴もいる。そしてそれを見た瞬間に……

 

『うわっ、メッチャ可愛い。』

『ていうか綺麗。』

『いやそれよりも………デカくね?』

『ちょっとアルファベットだけでも……』

 

なんて言う奴も居た。それと最後の2人、後で校舎裏来い。

 

 

戸部「んで?んで?どうなんだべよ!?」

 

八幡「………言わなきゃダメか?」

 

戸部「ヒキタニ君、ここまで来て流石に焦らすのはダメだべ〜!」

 

 

クラスの誰もが俺の返答を待ってるかのようにジッと見ている。いや何?さっきまで会話してたよね?続けろよ!!何俺に注目してんだよ!?何もねぇよ!!ったく、もういいや………

 

 

八幡「あぁ、そうだ。けどそれが何だ?」

 

戸部「ヒキタニ君、変な意地張らなくてもいいんだべよ?正直に言えばいいべ。」

 

八幡「(はぁ?何だコイツ……流石にもう限界だ。)お前が焦らすのはダメだっつったから言ったんだろうが。じゃあ何だ?変な意地張って俺が嘘言ったとでも言いてぇのか?」

 

戸部「え?あ、いやぁ…そ、そんなつもりは……」

 

八幡「そんなつもりもねぇのに、んな下らない事聞いたのか?ふざけんじゃねぇよ………お前の下らないお喋りになんて付き合ってられねぇわ。テメェの妄想で勝手に決めつけとけ。」

 

 

コイツも中学の連中と何ら変わりねぇな。鐘が鳴るまで俺のベストプレイスにでも行くか。

 

 

八幡sideout

 

ーーーーーー

 

 

八幡の居なくなった2-F組の雰囲気はかなり悪くなっていた。八幡があそこまで言うとは思わなかったのだろう。

 

 

「何だアイツ、1人で勝手にキレて行ったぞ。」

 

「冗談だってのに、分からないかね?」

 

「冗談の通じない奴ってマジ無理〜ww」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

戸部「違うべっ!!!!」

 

 

『っ!!!!?』

 

 

戸部「ヒキタニ君は悪くないっしょ。俺があんな事言ったから怒ったんだべ。ヒキタニ君は正直に言ってくれただけだべ。けど俺がふざけたからヒキタニ君が怒ったんだべさ。だから悪いのは俺だべ!!ヒキタニ君は悪くないっしょ!!」

 

葉山「……まぁ、さっきのは少しからかい過ぎたな。戸部、後で謝っとけよ。」

 

戸部「そうするべ。だから皆、ヒキタニ君の事悪く言うのはやめて欲しいべ。」

 

 

戸部と葉山の発言により、クラスの雰囲気は元に戻った。八幡が戻ってからの事はまだ分からないが、戸部が八幡に謝りたいという想いは本物だろう。

 

 

 

 


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