八幡side
途中休憩を挟みながら車を進めて、大体7〜8時間が経過していた。もう夕方で、辺りは暗くなっていた。今、関ヶ原ICを抜けて街中を通り抜けて山奥を進んでいる。けど進んできた道には家や建物が見当たらなかったが、本当にこっちで合ってるのだろうか?疑いたくはないが不安になってきた。
宮間「旦那様、もうすぐでございます。」
御影「うん、そのようだね。さて、そろそろ準備をしないとね。」
柊「さってと〜♪」
八幡「なぁ、別荘って言ってたがどんな感じなんだ?皆目検討もつかないんだが………」
涼風「そうですね……強いて言うならば古風、でしょうか。私達が慣れ親しんでいるような造りではありませんね。」
八幡「それって大丈夫なのか?」
宮間「ご安心下さい若様、安全面ならば保証致します。旦那様が2ヶ月に1度、お手入れをする為に建設会社に様子を見てもらっておりますので。異常がありましたらすぐに修繕をしています。」
八幡「そうですか。」
紫苑「見えてきたわね、アレがそうよ。」
涼風は古風って言ってたが、どんな………え?アレがそうなのか?嘘、デカくね?外観だけでもデカいって分かるんですけど………
「旦那様、奥様、お嬢様方、若様、そして宮間様、この度の千葉からの長旅、大変お疲れ様でした。宮間様からの言伝により、お部屋のご用意は出来ております。どうぞ中へ。」
紫苑「貴方達も用意してくれてありがとう。じゃあ行きましょうか。」
「「「お荷物をお持ち致します。」」」
此処が本邸じゃ無いんだよね?どっからどう見てもこっちの方がデカい………倍以上あるんじゃねぇの?
※別荘のイメージは【鬼滅の刃】の蝶屋敷です。
御影「うぅ〜ん、やっぱり和を感じられる良い雰囲気だね。落ち着くよ。」
涼風「はい、とても。ここ数年は来れる機会がありませんでしたので、とても嬉しいです。」
柊「此処ってホントに落ち着くよね〜。余計な音は聞こえないし、夜空の星は綺麗に見えるし、八幡君が一緒だし♪」
紫苑「最後のは貴女のでしょうけど、この屋敷の魅力は確かにそこよね。」
八幡「………」
成る程、確かに古風だ………ていうかこの屋敷っていつ作られたんだ?そこが気になってしまう。だって襖や障子の戸、畳に木材の床に柱に木材は使われてるが、金属類を使われている箇所が殆ど見当たらない。庭には池や石の通路、立派な木だって植えられてる。築100年とかあり得るんじゃね?
御影「皆、お腹が空いていないかい?此処に着く1時間前くらいに晩ご飯の用意をしておいてって頼んであるんだけど、お腹の空き具合はどうかな?」
柊「私ペコペコ〜!車の中ではずっと眠ってた上に少ししか食べてないしね〜。」
涼風「私もお姉様と同じです。」
御影「じゃあ晩ご飯にしようか。宮間にも休憩があったとはいえ、ずっと運転させっぱなしだったからね。君も思う存分食べるといいよ。」
宮間「ありがたきお言葉でございます、旦那様。」
ーーー食堂ーーー
「旦那様、お待ちしておりました。既にご用意はできております。」
御影「わざわざありがとう。ごめんよ、もっと早くに連絡を入れれば良かったのにね。」
「いえ、充分でごさいます。」
目の前には座布団と大御前に乗った料理だった。ていうかコレを1時間で作ったのか!?豪華過ぎる………和食メインで出てくるとは思ってたが、刺身と天ぷらを出してくるかよ。山の幸と海の幸、畑で採れる食材をふんだんに使った豪華和食御膳だ………
夜十神家が現代のフルコースだとしたら、この別荘は和風版のフルコースだな。
紫苑「本当に良い腕をしているわ、どれもこれも美味しそうね。」
「痛み入ります、奥様。お嬢様方に若様、お嫌いな食材はございましたか?」
柊「ううん、全然大丈夫!全部食べられるよ!」
涼風「お気遣いありがとうございます。私もお姉様と一緒で嫌いなものはありません。」
八幡「俺も大丈夫です。」
だって作り直しとか申し訳ないじゃん。食うよ、こんなすげぇの食うしか無いじゃん!
「左様でございますか。どうか存分にお楽しみ下さい。因みにお刺身や天ぷらその他料理のおかわりもご用意しておりますので、ご遠慮なく我々に申してください。」
御影「ありがとう。それじゃあ皆、頂こうか。天ぷらや他の料理が冷めない内にね。」
合唱をしていただきますの挨拶を済ませて、俺は味噌汁から手をつけた。だが中は味噌汁ではなく椀物だった。中には麩と白身魚、人参によく分からない緑の野菜だ。すげぇ、俺椀物なんて初めてだ。作法なんて分からんからまずは啜るだけにしよう。
柊「はぁ〜……染み渡るよね〜この優しい味。」
紫苑「そうね。焼いた鱈の香ばしさが感じられるし、焼いた魚の臭さもよく抜かれているわ。とても楽しめられるわね。」
御影「こっちの天ぷらも良い味付けだよ。」
涼風「こちらのお刺身もとても歯応えがありますし、とても新鮮です。」
………この流れ、俺も何か言った方がいいのか?けど料理の感想なんて俺にはサッパリだ。このまま黙って食事をしよう。黙食を貫こう。