俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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謝罪

 

 

八幡side

 

 

………教室に戻ってHRの最中だが、さっきの事もあるせいであちこちから視線を感じる。鬱陶しいったらねぇ。んだよ、さっきからジロジロ見てる奴誰だよ?HRに集中しろよ。かくいう俺もあんま内容が入ってこないくらい苛立ってるんだけどよ。なんか今だけは早く授業終わって部活に行きたいって無性に思えてしまう。

 

 

担任「じゃあこれでHRを終わる。今日も寝ないでしっかり授業を受けるように。誰がとは言わないが、自分だと思ってる奴は真面目に受けるように。」

 

 

俺は違う。既に数学は捨ててるから受ける必要がないと思っているだけだ。だから寝ても問題ない。さて、最初の授業は何だっ「ヒキタニ君!!」たっ………またコイツか。

 

 

八幡「何だよ、さっきの話ならお前の想像に任せるって言ったぞ。」

 

戸部「いや〜そういうんじゃなくてさ〜、さっきはマジでゴメンっしょ!正直に言ってくれたのにあんな事言って悪かったっしょ。ゴメンッ!」

 

八幡「………別にもういい、謝って欲しくてあんな事を言ったわけじゃねぇし。」

 

戸部「ホントゴメンっしょ。」

 

八幡「だからもういいって。何回も謝ると謝罪の価値が下がるぞ。」

 

三浦「はぁ?ちょっとアンタ何その態度?戸部が謝ってんだから素直に受け入れればいいし。」

 

八幡「………じゃあお前は彼氏がいる事を秘密にしていたとして、突然クラスメイトからその事を暴露されたら怒らずにいられるのか?」

 

三浦「っ!そ、それは………」

 

八幡「よく事情を知りもしねぇのにしゃしゃり出てくんじゃねぇよ………戸部、もういいから謝んなよ。謝罪は受け取るからよ。」

 

戸部「ありがとうっしょ、それとホント………いや、何でもねぇべ。」

 

 

はぁ〜朝から面倒くさい事が起きたが、これで終わりだな。チラホラと視線があるのがムカつくが、そのうち消えるだろう。

 

 

葉山「なぁヒキタニ君、優美子にも謝罪してはくれないか?」

 

 

………はぁ?何言ってんだコイツ?

 

 

八幡「何故?」

 

葉山「さっきの君の言葉でショックを受けてしまっていてね、事実だとは言え、流石に女子にあの言葉遣いはどうかと思うんだ。」

 

八幡「それだけの理由で俺はそいつに謝んないといけないのか?そいつが謝って欲しいって言ったんじゃねぇだろ?お前の自己満足なんじゃねぇの?」

 

葉山「………確かに優美子からは言ってない。けど「なら謝る必要もねぇよな?元々そいつがちょっかいかけてきたからこうなってんだ。口出ししなけりゃそうなってねぇんだよ。こうなるのが嫌ならちゃんと手綱握っとけよ。」………」

 

 

………はぁ、今日は朝から面倒尽くしだ。何で俺が変な気まで回さねぇといけねぇんだよ。

 

 

八幡「おい、お前はどうなんだよ。」

 

三浦「……いい、あーしが口を挟んだのが原因だからいいし。」

 

八幡「………ならいい。」

 

戸部「……な、なぁヒキタニ君、聞いても良いべか?嫌だったら答えなくてもいいんだけどさ〜。」

 

八幡「内容による、何だ?」

 

戸部「付き合ってどのくらいなんだべ?」

 

 

ふむ……内容じゃないのなら、別に教えても構わないか。過程なら教えるわけにはいかないが、数字くらいならいいだろう。

 

 

八幡「もうすぐ2年だ。」

 

戸部「マジッ!?ヒキタニ君っべ〜わ!!1番青春謳歌してるっしょ〜!!」

 

八幡「お前朝からよくそんなに元気でいられるな……俺は無理だ。」

 

戸部「朝から元気でないと、後が持たねぇべ!!」

 

 

嘘だろ、絶対無理だ。朝からそんなハイテンションだったら、俺絶対午後の授業保健室で寝てる自信あるぞ。数学なら可能性増し増しだな、確実に。

 

 

ーーー昼休み・ベストプレイスーーー

 

 

柊『ふぅ〜ん、そんな事があったんだ。流石に無神経な質問だって反省してたみたいだね。』

 

八幡「あぁ、謝ってくれたのはいいが、その後だ。あの金髪2人がめんどくさ過ぎた。」

 

柊『ホントだよね〜。白馬の王子様ごっこなら他所でやって欲しいよ。八幡の言葉にショックを受けたから謝って欲しい?答えは簡単♪口を挟んだ貴女の責任です、謝る必要性皆無!』

 

八幡「お前の方はどうなんだ?あの雑誌、今時の学生とかはよく読んでるんだろ?クラスメイトとかになんか言われなかったのか?」

 

柊『私の所は全然。もしかしたら気付いてる子もいるかもしれないけど、口にしないだけじゃない?誠教学園の子達って凄い噂好きだから、広まったら1日で凄い事になるしね。』

 

八幡「想像したくもねぇな………」

 

 

誠教学園の皆、頼むから柊に変な質問とかするなよ?マジで無視されるからな?いや、居ないよりも酷いか。なんせ幽霊扱いだもんな。

 

 

柊『まぁとにかく、今の所こっちは何もないから大丈夫だよ。八幡君も今日は頑張ってね?次のデートの時に膝枕してあげるから♪』

 

八幡「それは何処で?」

 

柊『私ん家でかなぁ?』

 

八幡「………それってデートなのか?」

 

柊『お家デートってよく言うでしょ?そんな感じのやつだと思うよ?寝ちゃったらそのまま泊まればいいだけだしね。』

 

八幡「それが出来るのって金曜日だけだからな?次の日学校だったらアウトだから。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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