八幡side
あの後、俺は2人による背中を流すという洗礼を受けて、逃げられないように腕を抱き締められながら湯船に浸かるという、男連中なら血涙を流す展開に見舞われていた。いや、嬉しくないわけじゃない。俺も男だ、されて嬉しいとは思ったが、刺激が強過ぎて………特に2人の豊かな部分が腕にダイレクトに当たってるもんだから、ホンット耐えるのに必死だった。
御影「おかえり〜どうだった?楽しめたかい?」
八幡「おじさん、ハメましたね?」
御影「なんの事だい?僕にはサッパリだけど?」
紫苑「2人はどうだったのかしら?」
柊「八幡君、意外と筋肉質/////」
涼風「………//////////」プシュ~
紫苑「あらあら、2人には刺激が強かったかしらね?まだ水着とかの方が良かったかしら?」
おばさんの会話で分かる、絶対仕組んでただろ……しかも2人だって知ってるような感じだ。まさか知らなかったのは俺だけか!?
八幡「はぁ……俺は耐えるのに必死でしたよ。」
紫苑「よく手を出さなかったわね?」
八幡「出すわけないでしょうに………」
柊「それって私に魅力が無いから?」ウルウル
八幡「んな訳ねぇだろ………手ぇ出したらその後どうなるか分かんねぇからだよ///」
柊「そ、そっかぁ〜/////」ニヤニヤデレデレ
御影「おぉ、八幡君は紳士だね〜。」ニコニコ
八幡「今だけはその笑顔が腹立たしいです。」
本当に良い笑顔だ………
御影「まぁ揶揄うのもこれくらいにして、はい八幡君に柊と涼風も。コーヒー牛乳。」
八幡「持って来てたんですね。」
紫苑「けれど今晩だけよ。明日からは街に行って買おうと思ってるのよ。違うのも味わってみたいと思ってるから。」
八幡「俺はなんでも良いですけどね、紙パックのヤツでも充分ですし。」
柊「けどお父さんがそれじゃダメだって言うんだよね、八幡君にはそれじゃダメだ〜って。」
涼風「そうですね。お父様の場合、何が何でも八幡さんに美味しい物を食べさせようとする傾向がございますので、八幡さんとなるとうるさくなるのでしょう。」
御影「え、そう思われてるの?」
柊/涼風「え、違うの(ですか)?」
御影「………まぁ、間違ってないけどさ。」
紫苑「何よ、その通りじゃない。」
いつもながら柊達娘には弱いんだな、おじさんは。
八幡「そういえば何で此処に別荘作ったんです、おじさん達の先祖は?」
御影「さぁね〜それは本当にご先祖の方たちに聞かないと分からないよ。それに霊峰の近くだし、霊的な何かを期待していたのかもね。」
八幡「だったら俺の出来事、マジで洒落にならないじゃないですか………本当に会ってるんですよ?明日は伊吹山の霊水取りに行くか、そして山頂まで行くとしよう。その方が良さそうだ。」
柊「じゃあ私も行く♪」
涼風「私もご一緒します!」
八幡「……お2人はお父さんお母さんのお手伝いをしなさい。」
柊「えぇ〜!?」
涼風「そ、そんなぁ〜………」
八幡「俺に隠し事をしていた罰だ。お前等、一緒に入る事を俺に黙ってただろ?いきなり突入して来やがって。なので明日はご両親のお手伝いをするように。それで許してあげよう。」
柊「むぅ……じゃあ無理矢理にでもついて行くって言ったら?」
八幡「そうだなぁ………今後抱き着き無しにするとか「明日お父さんとお母さんのお手伝い一生懸命するね!!」お、おう……分かった。」
紫苑「効果覿面ね、よろしくお願いするわ。」
八幡「まっ、そういう訳なんで俺は明日伊吹山に登山します。登山道具とかはあるって言ってましたけど、お借りしても良いですか?」
御影「構わないけど、気をつけるんだよ。道があるとはいえ、危険は付き物だからね?」
八幡「はい。」
柊「八幡君、明日お父さん達のお手伝い頑張れば明後日は一緒に居られるんだよね!?そうだよね!?」
八幡「俺に隠し事をしなければな、したらまた………だからな?」
涼風「はい、八幡さんには隠し事はもう一切致しません!八幡さんに誓います!」
八幡「その言葉、今は信じよう。」
よし、一応言質は取った。後は本当に裏切らないかどうかだな………まっ、2人にとってそんな事はあり得ないか。それに風呂の事だって別に怒ってる訳じゃないしな。少しやり過ぎじゃないかとは思ったが。いや、少しどころではないな。
御影「じゃあ今日はもうお開きにしようか。寝る場所は来た時に説明した通りだからね。」
八幡「さて、じゃあ「八幡君(さん)!!」………はぁ、一応聞くけど、どしたの?」
柊「一緒に寝たい!!」
涼風「わ、私もです!」
八幡「お前等なぁ………」
柊「いいじゃん別に!八幡君が約束したのは明日のお手伝いだもん!今日はノーカウントでも良いでしょ!!?」
涼風「お姉様の言う通りです!このままでは私達の八幡さん成分が枯渇して死んでしまいます!」
八幡「その成分設定、まだ続いてたのかよ………」
御影「?何だいその八幡さん成分って?」
八幡「知らなくていいです、知ってもきっと無駄知識に終わりますので。」
紫苑「ふふふっ、私はすぐに分かったけどね。」
まぁ、おじさんもきっと分かってるとは思う。こんなあからさまな成分名を聞いて分からないわけがないしな。