俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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登山の旅はまだ続く……

 

 

八幡side

 

 

小屋があるのは助かったが、この道って本当に頂上まで行けるのか?なんか凄く怪しいんだが………正直に言うと、戻りたい気もしてきた。が、何故かは分からんが戻ったらダメな気がしてならない。本当によく分からないのだが、後退ダメ、前進のみって感じなんだよな。

 

途中にある給水所も無かったし、ホントどの辺りなんだ?登ってるのは確かなんだろうが………

 

 

八幡「まぁでも、こうして休憩が出来てるだけでも嬉しい事だ。お握りうんま〜。」

 

 

料理人の方達が作ってくれたお握り。これとは別にお弁当も作って貰っている。とてもありがたかった。山登り(?)ってかなり体力を使うらしく、途中に挟む休憩がとても大事らしい。因みにお握りは全部で6つあって、今はその内の2つを食べた。後にとっておかないと、スタミナ切れ起こしちまうかもしれないしな。

 

 

八幡「さて、じゃあ行くか。」

 

 

俺は休憩を終えて小屋を出てから再び崖沿いの道を進んだ。別れ道があったりもして、中には行き止まりもあった。そんな道を進むと、また洞窟の中へと導かれた。今度の道も分かれているのが多くあったが、さっきのと違うのがあるとすれば、まっすぐの道や上に続く道がある事だ。つまり1つ選ばないといけないって事になる。

 

 

八幡「まるで整備のされてない迷路だな……さて、真っ直ぐ行くか、上から行くか、引き返すか、どうするべきか………引き返すのはなしだけどよ。」

 

 

………いっちょ神頼みでもしとくか?

 

 

八幡「どーちーらーにーしーよーうーかーなーかーみーさーまーのーいーうとーおーりー………上の道か。」

 

 

俺は指の差した上の道へと足を進めた。すると進んだ先にはさっき通った広い場所が見えた。まさかこんな所でさっきの場所を一望出来るなんてな………

 

 

「キュキュキュ!」

 

八幡「っ!?」

 

 

後ろから突然蝙蝠が鳴いた。ビックリしたぁ〜……危ない危ない、ていうかコレって素通りしても大丈夫なのか?襲って来たりしないか?

 

 

八幡「………失礼しますよ〜。」ソソクサ

 

 

蝙蝠は襲って来なかったが、こんな近くで見たのは初めてだ。しかも野生だろ?大人しいものなんだな。少し進むと、また中へと戻る道があった。しかもその道は岩の一本橋のようにもなっていた。命綱の無い橋みたいなもんだ。しかも下を見てみると、床の無い場所まである。堕ちたら絶対死ぬだろコレ………早く通っちまおう。

 

 

八幡「………この道、高所恐怖症の奴が居たら1歩も進めないんだろうな。俺も怖いし……また分かれ道かよ。」

 

 

上に進む左方向と下に進む右方向だった。やっぱ左か?上に続いてるし。それとも引き返し覚悟で右でも行っとくか?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

八幡「右に行ってみるか。」

 

 

俺は下へと続く右の道に進む事にした。進んで行くとその道は1本道でかなり長い道が続いていた。そして何か見えたと思ったら………木材と縄で出来た梯子だった。ん?此処って………

 

 

八幡「もしかして最初に発見した板梯子か!これは良い所を発見したぞ!頂上ついたら一気に降りられる!これはツイてるぞ。」

 

 

これは左に行っておいて良かった、多分コレ上じゃなくてまっすぐの道選んでたら絶対見つけられなかったヤツだ!上の道と右の道選んで正解だった!

 

そして俺は士気が上がった状態で道を戻り、反対側の道へと進んだ。同じく1本道が続いたが、やがては外に出た。どうやら今度はさっきの反対側に出たようだ。だがさっきと違って、次は竹が生えていた。こんな所に竹なんて生えるんだな………

 

 

八幡「意外と此処が頂上だったりして?いや、画像で見た時こんな危なっかしい所じゃなかったから、もうちょっと登るんだろう。お?」

 

 

すると、また山小屋を発見した。しかも今度は立地的にはやや安全なのだろうが、今のこの地点では間違いなく1番高いであろう場所に建てられている。いや、ホントどうしてこんな所に建てた?さっきの山小屋もそうだったが、建てる場所おかしくね?

 

 

八幡「お邪魔します〜………うわっ、此処の方がさっきよりも汚いな。けど休憩するなら此処しかないよな。よし、じゃあ2回目の休憩は此処だ。さて、あんま腹は空いてないけど、1つくらいは………ん?なんだアレ?」

 

 

俺は部屋の隅っこにある箱のような物を見つけた。少し細長で平べったい箱だ。木材の箱だが、端には金属も使われている事から、宝箱?いや、千両箱って所か?これで玉手箱は違うしな。だが鍵はついていないようだ。

 

 

八幡「………」

 

 

気になる、中何入ってんだろう?いや、空の可能性だってあるし、曰く付きかもしれない。けど開けてみたい………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ええい、ままよ!!

 

 

俺は思い切って箱を開けてみた。すると中は………

 

 

八幡「瓢箪と……なんかの爪?牙?の御守り?」

 

 

赤い紐が巻かれていて、赤く染められていて、黒い線のような模様が描かれた瓢箪に、何か動物の牙のような、爪のようなのを細い紐で御守りにしたような物が入っていた。

 

 

八幡「………コレって持って行ってもいいのか?でも長年このままだったんだよな?何か取り憑いてたりしてたら………」

 

 

ヤッベ、開けて何かあったはいいけど、これどうすればいいんだ?

 

 

 

 


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