俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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案内人?

 

 

涼風side

 

 

涼風「大丈夫でしょうか、八幡さん………」

 

御影「確かに心配だけど、ずっと気にしていたらキリがないよ。今は僕達の出来る事をするのと、楽しむ事だよ。」

 

柊「そうだよ涼風、八幡君が心配っていう気持ちは痛い程分かるけど、今は楽しまなくっちゃ!」

 

紫苑「えぇ。きっと八幡君も今頃は休める場所で山から見下ろせる位置でおにぎりでも食べているんじゃないかしら?」

 

 

だといいのですが………

 

 

御影「ほら涼風、折角の焼鯖の旨味が逃げちゃうよ?早く食べよう。」

 

涼風「……はい、お父様。」

 

 

屋敷から出て街へと駆り出した私達は今夜の食材とお土産を買い、今は昼食に名物の焼鯖そうめんを食べています。しかしやはり気になってしまいます、八幡さんが無事に山登りを出来ているかどうか………お姉様も気丈に振る舞っていますが、心の奥底では大変心配なさっていると思います。八幡さん、ご無事でいて下さいね?

 

 

涼風sideout

 

八幡side

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はい、2回目の休憩を終えて出発しました比企谷八幡です。入口とは反対側にも扉があったからそこから抜け出すと、階段があって、下に続いていた。ずっと降りて行くと、目の前には今にも崩れそうな1本橋があった。いやだって見ろよ、木なんてボロッボロだぞ?縄だって緑の苔生えてるし………マジで何年前のヤツ?だが此処以外に道なんてない。渡るしかないようだ………しかも下は見えない程に霧がかっている。絶対終わりだよな、落ちたら。

 

 

八幡「頼むからバキッって言うなよ……ギイィィとかも要らないからな?冗談抜きで。」

 

 

はぁーーー言ってる、言ってるよ!ギイィィって容赦の欠片もなく響いてるよ!お願いだからもうやめて!頼むからもうやめて!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんな思ってる内に渡り切ってしまった。かなり揺れていたが、止まらないで行くとあっという間だったな。多分止まらないで進んだのが正解だったんだな。

 

そして渡った先はまた広場みたいなところに出た。だが今度は洞窟の中じゃないから広々としているように見える。デッカい樹があったり苔のついた岩もあるし、草だって生えてる。こんな場所あるんだな………けどさ、登山ってこんなにスリルがあるものなのか?絶対俺が今まで想像してた登山とは根本的にかけ離れていると思う。

 

 

八幡「………えぇ、なんかすげぇ階段あるんだけど。あれ登んないといけないのか?うわぁ………気が滅入るけど、なんか1番上に建物らしき建造物があるし、行ってみるか………その前に、何かあるぞ?洞窟?」

 

中に入るとすぐに行き止まりなのだが、なんか石で出来た大仏がいくつかあって、真ん中には祠のような物まである。それと何故か石で積み立てられただけの何か(本当に石だけ。)があった。え、これ何かしなきゃダメか?けど供え物なんてねぇしな………握り飯3つくらいしかないぞ?後は弁当と非常食くらいしか無いしなぁ。でも折角だし、何かお供えしよう。

 

 

八幡「まぁ無難にお握りだよな、これをちょっとずつ分けて………あっ、コレって中身あるのか?」

 

 

俺はさっき千両箱から見つけた瓢箪と御守りを持っていく事にした。そして今、その瓢箪の中身がないかどうかを調べる。それとなく重いから中身はあるとは思うけどなぁ………おっ、栓抜けた。よし、かくに………!!?

 

 

八幡「酒くっさ!!?うっわ何だこれ!?こんなの絶対飲めないだろ………けどまぁお供えするんだったらスポドリよりも酒の方だよな。アレ、匂いの割には意外と綺麗な透明色なんだな。てっきり濁りが酷いのを想像してたんだが。」

 

 

よし、お供えとしては足りないだろうがこれで良いだろ。取り敢えず手を合わせてお礼しとこ。

 

 

八幡「よし、じゃあ登るとしますか。それじゃあ失礼します。」

 

 

そして俺は一応出る時にも一礼して洞窟から出た、のだが………初のアクシデントだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

白い猪「………」

 

 

目の前に白い猪が居たのだ。マジでヤバい、猪って敵を見つけたら突進して来るってヤツだろ?本当にマズくないか?猪の敵意を無くす方法って何だ?スマホ見たい!けど此処圏外だから見れない上に開いてる内に突進してきたら終わりだ!ヤベェよどうする!?

 

 

白い猪「………」トコトコ

 

八幡「………え?」

 

 

だが俺の予想に反して、白い猪は目の前の階段を駆け上がって行った。そして階段を登った先で俺の事を見下ろしていた………10秒経ってもずっと。

 

 

八幡「え、ついて来いって事?」

 

白い猪「………」ジィ~

 

 

俺はよく分からないまま階段を駆け上がった。正直体力の使う事はしたくないが、この白い猪が駆け上がったのに、俺だけのんびり歩くわけにもいかないから、駆け上がる事にしたのだ。

 

しかしその後の白い猪は歩きながら階段を上がって行った。今度は離されないように俺もその後をついて歩く事にした。階段を登り終えると、さっき下から見えていた建物へと辿り着いた。中には何も無く、ただ扉だけがあった。

 

 

白い猪「………」ジィ~

 

八幡「……っ!あぁ、はいはい。今開けますね。」

 

 

この猪、賢くね?人に飼われてるとかじゃないよな?人を使うの上手くない?

 

 

俺は扉を開けて白い猪を通れるようにした。すると猪はトコトコと歩き始め、また止まった。目の前にはまた扉があるからだ。だが今度のは願掛けが吊るされてある扉だった。内容が気になるが、今は待っている猪が居るから後回しだ。

 

 

俺は願掛けのついた扉を開けて再び猪を通れるようにした。そして俺もそれに続いて中へと入った。そこはまた広場になっていたのだが、今まで見てきた1回目と2回目の広場とは大きく違っていた。

 

 

 

 

 

 

 


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