俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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お土産?

 

 

御影side

 

 

「それと若様、お荷物の中に若様が持って帰られた物であろう品があるのですが、如何致しますか?」

 

八幡「あっ、すみません忘れてました。今すぐ取りに行きますね。」

 

「畏まりました。トレイを持って参ります。」

 

八幡「あっ、ありがとうございます。」

 

 

持って帰ってきた?八幡君は伊吹山で一体何をしてきたんだろう?宝探しでもしてきたのかな?

 

 

涼風「何だか不思議です、私達の居ない場所で八幡さんの身に色々な事が起きているのが。」

 

柊「そうだよね〜それに八幡君自身は何ともないんだよね、おかしなくらいに。」

 

紫苑「最初は御影のお義祖父様から始まって、次は伊吹山の神様だものね。八幡君ったらどうしちゃったのかしらね?」

 

御影「八幡君本人には特に異常が無いようだからこのままでも大丈夫そうだけどねぇ………」

 

紫苑「そうね………けれどさっき、山から持ち帰ったって言ってたけれど、八幡君って伊吹山に登山しに行ったのよね?山荒らしとかしてないわよね?」

 

柊「いや、そんな事したら今もこの屋敷の辺りにだけ雹が降ってると思うよ?」

 

 

お、恐ろしい事を言うなぁ我が娘は……けどさっきの逸話の内容に沿うとしたら、そうなっててもおかしくはないよね。けれど伊吹大明神も凄い事をしたよね、まさか雹を降らせて山から追い払っちゃうんだからね。

 

 

ガチャッ

 

 

八幡「すいません、今戻りました。」

 

紫苑「えぇ、おかえ………八幡君、それは?」

 

八幡「山の中で発見したのと、さっき言ってた猪………いや、山の神から頂いた物です。」

 

 

八幡君がトレイに乗せて持って来たのは、とても綺麗な青色で出来たお椀のような物に、6種類の何かの宝石の原石のような物に加えて、八幡君が腕にぶら下げている大きな瓢箪があった。

 

 

涼風「あの、八幡さん?八幡さんは伊吹山へ登山をしに行ったのですよね?」

 

八幡「いや、疑うのも無理ないと思うが、トレイに乗ってるのは本当に貰った物だから。瓢箪は別な、瓢箪は小屋の中に千両箱があって、それを開けたら入ってたから持って来た。」

 

御影「しかし、これはまた見事な物だね。このお椀………いや、茶器かな?青というよりも瑠璃色に近いね。それにこの模様も品性を感じられるよ。不思議な茶器だね。」

 

柊「この原石も凄いよ〜全部一緒の種類なのかな?だとしたら凄いよね、ここまで色が違うものなんだって思っちゃうよ!」

 

涼風「はい、とても綺麗です!」

 

紫苑「そうね、どれも品質の良い物ばかりだわ。それで八幡君、その瓢箪は?」

 

 

そうなんだよね………なんか赤い上に黒い模様がついてる。トレイに乗ってる物とはまた違う迫力があるね。

 

 

八幡「おじさん、おばさん、コレの中の匂い嗅いでみて下さい。最初に言っておきますけど、ものすっごい酒臭いです。」

 

 

八幡君は瓢箪の栓を抜くと、僕達の方に注ぎ口を向けて来た。興味もあったから僕はその注ぎ口に手を近付けて鼻先に向かって仰ぐようにしてみた………んだけど。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

御影「っ!!?な、何だいコレ!?物凄く臭いじゃないか!!酒臭いなんてレベルじゃないよ八幡君………コレ一体何なんだい?」

 

八幡「いや、俺も分かんないんですよね。酒だっていうのは分かりますけど、俺飲めないし………というよりも飲みたくありませんし。」

 

 

うん、僕もこれは飲みたくないよ………1回仰いだだけでもこれだけ匂いが濃いなんて思わなかった。

 

 

御影「紫苑、やめておいた方がいいよ。大人の僕でさえもこの匂いはダメだから。八幡君、栓をしてくれないかい?」

 

八幡「分かりました。」

 

 

うぅ……まさかこんな目に遭うなんて思わなかったよ。けどこれで済んでよかったよ。もし直接嗅いでいたら、気持ち悪くなっていたかも………匂いだけで酒酔いしてたかもしれないし。

 

 

紫苑「それにしても色んな物を持って帰ってきたものね。コレ一体どうするの?」

 

八幡「猪の神様には申し訳ないですけど、コレがどんな物なのか気になるので鑑定したいんですよね。けど、この辺りに鑑定出来る所なんてないですもんね。もしくはその専門の職をしている人とか。」

 

御影「そうだね……この辺りには無いかもね。八幡君、その鑑定だけど、千葉に戻ったらやって貰おうかい?宝石や骨董品を専門とする人に知り合いが居てね、その人に見てもらった方が早いと思うんだ。」

 

八幡「じゃあそれでお願いします。」

 

柊「けど本当に綺麗………私原石って初めて見たかも〜。私はこの紫がお気に入りかなぁ〜♪」

 

涼風「私は白です。他のも良い色をしていますけど、白が1番目に映りました。八幡さんはどれがお気に入りですか?」

 

八幡「俺は………普通に透明だな。1番見慣れた色だし、落ち着く。」

 

御影「僕は青だね。さっきの茶器を見て思ったけど、気品のある色に見える。」

 

紫苑「私は黒ね。真っ黒ではない所がギャップに感じるわ。」

 

八幡「黄色も良い味出してますけどね。好みが分かれますよね、やっぱり。」

 

 

これは何だか帰ってからの鑑定がちょっと楽しみになってきちゃったよ………結果はどうなっても良いけど、こうして見るだけでも楽しいしね。どれも綺麗だし。

 

 

 

 


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