柊side
八幡君がお土産として伊吹山から持ってきた物の品評会も終わった所で、私達は食堂に集まって晩御飯の用意をしている。何せ今日は今年最後の12月31日!だから最後は皆で用意しなくちゃね!それにお買い物してきたのは私達だし、用意もしなくちゃいけないし!
八幡「………おじさん、俺達は男だからどっしり構えて待ってろだそうですよ?」
御影「………うん、そう言われたね。」
八幡「料理人達は別なんですかね?」
御影「あぁ〜………そうなんじゃない?」
柊「♪〜♪〜はい涼風、こっちのお皿は完了だよ〜残りはどう?」
涼風「はい、滞りなく進んでいます。皆様のサポートのおかげです。」
「いえいえ、お嬢様方の調理技術もお見事なものです。感服致しました。勿論、奥様も。」
紫苑「ふふふっ、ありがとう。」
八幡「………おじさんっておばさんから怒られた事ってあります?」
御影「う〜んとね、凄いお買い物をした時かな。今思うと流石にアレはやり過ぎたと思ってるよ。」
八幡「何やったんです?」
御影「牛丸々1頭お肉に捌いたのを買ったんだ。色んな部位のがあって楽しめるかなぁって思ったんだけど、お値段が100万円だったんだ。」
八幡「いや買う前に気付いてくださいよ………食材に100万円って普通はかけないですからね?」
御影「うん、『私を太らせる気なの!?』って烈火の如く怒られちゃったよ………」
八幡「そりゃそうなりますよ、この前の本鮪もそうだったでしょ……おじさんもしかして食べ物の買い物する時って途端にポンコツになります?」
御影「うっ………言わないでよ。」
紫苑「はい、鴨肉盛り合わせの完成よ。これを野菜と一緒に鍋に入れればいいのよね、具材は大体の鍋料理と一緒だから混乱しなくて済むわ。」
涼風「画像でも見ましたが、見た目はすき焼きを薄くしたような感じですね。しゃぶしゃぶにも似ているような………」
柊「じゃあその中間って事にしようよ。」
紫苑「大雑把ね………まぁそういう事にしておきましょう。さて、鴨肉はまだ余ってるのがあるけど、どうしようかしら?」
御影「………ねぇ八幡君、今更ながら気付いた事を言ってもいいかい?」
八幡「………何です?」
御影「僕達って厄介払いされただけじゃ「それ以上は言ったらダメなヤツです。」………うん、そ、そうだね。」
八幡「俺はいいですよ、役に立てそうもないって自覚ありますから。俺の料理レベルなんて小学生止まりなんで。」
御影「………僕も最近は料理してないからなぁ。これを気にまた始めようかな?」
八幡「ていう事はそれなりに出来るんですか?」
御影「………八幡君とあまり変わらないかも。」
八幡「え、出来る風な言い方してそれですか?期待した俺がバカみたいじゃないですか………」
柊「八幡君〜お父さ〜ん、お待たせ〜♪」
涼風「お食事のご用意が出来ました!」
八幡「おぉ、準備ありがとな。俺も手伝えればよかったんだが、済まんな。」
紫苑「いいのよこれくらい。こういう時くらいは私も普段しない事をしなきゃって思うもの。それにこういうのは女の仕事だもの。男はどっしりと構えていれば良いわ。」
御影「八幡君も言ってたんだけど、料理人達はいいのかい?」
紫苑「だってそれが仕事じゃない。」
御影「……正論だね。」
八幡「柊、鍋ってまだあるのか?持ってくるぞ。」
柊「ううん、これで全部。八幡君は後片付けの時にお願いしても良いかな?」
八幡「おう、任せろ。」
私達はセットしてあったコンロの上に鍋を置いて火をつける。元々それなりに温めておいたから食べるのに時間はそんなにかからないと思う。
ーーー数十分後ーーー
柊「オ〜プンッ!おぉ〜良いね〜ちゃんとグツグツしてるっ♪どれどれ………ズズッ、んー……うん、美味しい!ちゃんと出来てる!」
紫苑「完成したみたいね、それじゃあ頂きましょうか。じゃあ御影、挨拶。」
御影「うん、じゃあ手短にね。今年もあと数時間で終わりを迎えるけど、それまで有意義な時間を過ごそう!今年最後の晩ご飯に乾杯っ!!」
『乾杯〜!!』
何だか早く感じるなぁ〜……今年ももう終わりなんだよね。八幡君と一緒に過ごした日が多いから短く感じたのかなぁ?けど、そんな事今はいいよね!今は美味しい料理を楽しまないとっ♪
柊「八幡君、鍋以外にも欲しいのがあったら言ってね?私が取るから!」
涼風「八幡さん、反対側の方は私にお任せ下さい!お取りいたしますので!」
八幡「じゃあその時は言うから任せたぞ。」
柊/涼風「うん♪(はい♪)」
さて、じゃあ私も初めての鴨鍋を頂きましょう♪
柊「あむっ………んんぅ〜あっ、美味しい♪臭みがあるのかと思ってたけど、そんな事ないんだ!」
紫苑「えぇ、美味しいわ。」
涼風「これならお刺身やロースも美味しく頂けそうですね。」
八幡「そうだな。俺も鴨肉は初めて食べるが、少し楽しみになってきた。」
御影「それじゃあ此処にある料理全部無くす勢いで食べちゃおうか!」
お父さんの宣言通り、私達はテーブルにある食材を残す事なく全て平らげた。うん、とても美味しかったです、ご馳走様でした♪