俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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八幡「何でこうなるの?」

 

 

八幡side

 

 

カフェで葉山と雪ノ下さんにバッタリと会ってしまい、俺は冬休み前に起きた出来事の説明を聞いていた。葉山視点からというオマケ付きだが。だがそれを加えたとしても、コイツは一体どんな説明をしたんだ?まず第1に、アイツ等が柊達の弁当をぶち撒けた事に関して『悪気は無かったし、わざとでは無い。』と説明したらしいが、あのバカ(相模)の言った事を真に受け過ぎだろ。しかもだ、あの時罪のなすりつけあってた奴等がわざとじゃ無いって言うのなら、最初から謝るだろう。悪気が無いのに罪をなすりつけ合う意味が俺には分からん。

 

極め付けはアイツ等3人の行動に対して、葉山は『反省している様子だった。』と言っていた事だ。反省していた?何処の誰が?どんな様子で?俺にはアイツ等が反省しているようには到底見えなかったけどな。要領を得ないと雪ノ下さんは言ってたが、この事だけなら良いんだがな。後は俺も知らん。

 

 

陽乃「それで、どう?」

 

八幡「………まぁ大体合ってますよ、大体ね。」

 

陽乃「じゃあ君の視線では違う内容があるって事かな?聞かせてもらっても?」

 

八幡「それを知って雪ノ下さんにメリットがあるのかどうかは知りませんが、良いでしょう。あるのは2つです。1つ目は弁当をぶち撒けた事に対してです。おい葉山、お前に聞くがどんな主観でアイツ等に悪気は無いし、わざとでは無いと言えた?」

 

葉山「それはさg「因みに言っておくが、あの3人が言っていたからとかほざくなよ?何の理由にも説明にもなってねぇからな?」………」

 

 

ちょっと口調が雑になってしまってるが、そんな事はどうでも良い。しかしコイツ急に無口になりやがったな、無言は肯定、つまりはたったそれだけの事で決めつけていたらしい。

 

 

八幡「呆れたな、たったそれだけの事で決めつけていたのかよ……これは俺の主観だが、悪気が無くてわざとでも無いのなら、最初から謝んのが普通だろ。その両方が無いのにあの3人が互いになすりつけ合う意味が俺には理解出来ない。なすりつけ合うって事はそういう感情が少なからずあったって考えるのが自然なんじゃねぇのか?」

 

葉山「っ………」

 

八幡「まぁそういう事ですよ。俺の主観ですけど、アイツ等に悪気が無くて、わざとでも無いなんて俺からしてみればあり得ないって事ですよ。寧ろそんな考えに至るなんてバカバカしいし、人の事を何も見てない証拠ですよ。」

 

陽乃「成る程ね〜………」

 

八幡「2つ目に関してもお前に聞くぞ。お前、あの場所に居たのか?アイツ等の何処に反省してる様子があるって言えるんだ?謝りもしない、態度も改めない、これの何処が反省してるって?」

 

葉山「それは……あの貼り出されていた紙を見た後ならそうなるだろう。」

 

八幡「そうか?俺には『ヤバい、これからどうしよう。』っていう風にしか見えなかったけどな。」

 

葉山「それも君の主観だろう?」

 

八幡「あぁ、そうだ。けど少し考えれば分かるだろう、お前ならな。」

 

葉山「何だって?」

 

八幡「アイツ等があの貼り紙を見て最初に反省しようなんて思う性格してると思うか?俺には到底思えないけどな。お前ならどうだ?1ヶ月くらい一緒に居たんだし、俺よりもアイツ等の事は知ってんだろ。お前の主観で答えろよ。」

 

葉山「そ、それは………」

 

 

だろうな、コイツもそれなりにはアイツ等の事を知ってる。だからこそ言い淀む。何せアイツ等はそんな良い性格してないからだ。見ているだけでも分かる、あの中にそんな奴1人も居ねぇよ。

 

 

葉山「………」

 

八幡「そういう事だ。言うだけなら簡単だが、お前の場合はそれに対する理由がない。あったとしても取って付けたようなものだ。レゴブロックじゃねぇんだぞ?こんなバカみたいな理由付け、小学生の方がマシなのを作れるぞ。」

 

陽乃「……それで、君の言いたい事は?」

 

八幡「理由はどうであれ、俺からはあの3人が反省している様子なんて全く見られませんよ。まぁ見る機会なんてありませんから何とも言えませんけど、アイツ等の行動や言葉遣いを知ってたら、反省してるなんて口にしないですよ。」

 

陽乃「ふぅ〜ん、成る程、ねぇ………」

 

八幡「んで、雪ノ下さんは?」

 

陽乃「私?もういっかなぁ〜比企谷君が隼人を論破してる所を見たらスッキリしたし。」

 

葉山「っ………」

 

陽乃「やっぱり君は面白いよ、全く。」

 

 

俺は面白くないですよ、ホント。厄介事に巻き込まれる俺の身にでもなれば少しは分かるでしょう。

 

 

八幡「まぁそういうわけですので、俺はもう行きます。」

 

陽乃「あっ、なら伝票置いたままでいいから。お話聞かせてもらったお礼として。お駄賃として♪」

 

八幡「……ならお言葉に甘えます。言っときますけど、後になってから『あの時お支払いしたから、ね?』っていうのは無しですからね。」

 

陽乃「大丈夫大丈夫!私そんな事しないから。」

 

 

胡散くせぇ………まぁいいや、早くこの店から出たい上に早く自由になりたい。

 

 

八幡「じゃあしつれ「お待たせしました陽乃、隼人君もごめんなさいね。」……え?」

 

陽乃「全然。そんなに待ってないから大丈夫だよお母さん。」

 

秋乃「……それで、この方は?」

 

陽乃「この前話した比企谷君だよ。」

 

秋乃「比企谷………」

 

 

神様、ホントどうしてこういう時の運をくれなかったんですか?今すぐ欲しいです。どうしたら良いですか?今すぐここから逃げ出したいです。

 

 

 

 

 


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