俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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実害は無いが………

 

八幡side

 

 

学校も始まって数日が過ぎた。特に何も起きる事なく普通に学校へ行って、授業受けて、手製弁当食べて、授業受けて、帰るというルーティーンを繰り返している。本当に何も無い平和な日が続いている。こういうのだよ………俺はこういうのを待ってたんだ。3ヶ月前や3週間前とかなんて騒動しかなかった。

 

今は本当に静かに暮らせている。特段目立つ事もなく、3人でそれなりの学校生活を送れている。月曜には部活もあるのだが、全く依頼なんて来ないに等しいからやる事もない。俺はただ読書をしてるだけだから退屈なのは否定しないが、あれが1番丁度良いんだよな。

 

 

このまま3年になるまで平和に………行けるかどうかは知らんが、こんな毎日だったら文句無いよなぁ………うるさいの好きじゃねぇし。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だが、嵐とは突然やってくるものである。

 

 

「ねぇねぇ、昨日の品目更新見た?」

 

「見たに決まってるじゃん!今週もかなり新しいの入荷してたよね!」

 

「うんうん、やっぱ良いよね〜【Nigh-Ten・Group】の品揃えって!お菓子も服も色んなの売ってるし目移りするよね〜見てて楽しいもん!」

 

 

 

 

 

「最近のシューズ見たか?めっちゃカッコ良くね?あれメッチャ欲しいんだよなぁ………」

 

「バカ言え、あんなモン買えるわけねぇだろ。だって5万円だぞ?バイトしねぇと買えねぇよ。」

 

「でもカッコ良いよなぁ〜………」

 

「でもよ、もっと良いのはこれを売ってる【Nigh-Ten・Group】だよな。マジ神だぜ!」

 

 

 

 

 

ここ最近、この学校でおじさん達の会社の評判がかなり良いのだ。生徒間で話題になるくらい。バレるのではないかと気が気でない。だって俺の隣と後ろにいる2人はその会社の日本総本店社長と副社長の娘でお嬢様だ。バレたら大変な事になる……それこそアホな奴だったら、クラスメイトや同じ学校のよしみなんて理由でコレコレ買ってほしいなんて言いかねない。いやそんな奴居ないって信じたいけどよ。

 

 

八幡「最近、おじさんの会社の話題が多いな。」

 

柊「そうだね。それだけ評価されてるって事だから、私は嬉しいけどね♪」

 

涼風「はい、これもお父様達の手腕あっての評価ですから。」

 

八幡「それもそうだが、2人は不安にならないのか?もしもバレたらって。」

 

柊「うぅ〜ん……あんまりかなぁ。だって私達が凄いってわけじゃないし。それにさ、バレた所で別に実害ってないでしょ?」

 

八幡「………実害、かぁ。まぁそうかもしれんが、同じ学校の生徒だからこれ買って欲しい的な事言われたりとかするかもしれないだろ?」

 

涼風「その可能性も捨てきれませんが、私達は受けません。受けるとしても八幡さんだけです。」

 

 

いや、それはもう諦めてるけどよ………

 

 

柊「まぁいいんじゃないのかなぁ?」

 

八幡「お前達がそう言うのなら別に良いけどよ。」

 

柊「それに、何かあったら八幡君が守ってくれるでしょ?違う?」

 

八幡「………違わない。」

 

柊「なら良いじゃん♪」

 

 

どうやら俺の彼女は掌握術が巧みなようです。これまで何度かこんな風に納得させられた事あったし。

 

 

涼風「まぁまぁ、私達も疑われないようにアプリを開いて見てみましょう。八幡さんはアプリ内でお買い物をした事は?」

 

八幡「見る事はあっても買い物する事は無いな。それに買い物したらおばさんに絶対バレるだろ?それ経由でおじさんに知られたら絶対にこう言うだろ。『八幡君、何で僕に頼ってくれなかったんだい!?君の為ならなんだって買ってあげるのにっ!!』って。」

 

柊「あはは……お父さんなら言いそう。でもこうやって見ると色々な物あるよね〜。」

 

八幡「あっ、コレこの前食べたヴェリーヌだよな。すげぇ評価じゃん………コメント欄もすげぇな。」

 

 

内容としては

 

『冷たい状態で送られて来るからすぐに食べられる!感謝♪』

 

『普通なら常温で宅配とかされるのに、この会社はそこの所よく分かってる!』

 

『その日お友達と集まってたんだけど、すぐに食べられました!冷たくて美味しかったです!』

 

 

かなりの高評価なのだが、商品というよりも会社が評価されているのはなんとも皮肉なものだ。

 

 

柊「ねぇねぇ、新しい商品見てみようよ!」

 

涼風「そうですね。」

 

 

今は食品の新商品を見ているのだが、流石は世界の大陸に1社ずつ(南極以外)支店を持っているだけあって、世界各地の商品が見られる。

 

 

柊「うぅ〜ん食べ物はあまり無いかもね。服とか見てみよっか、八幡君に似合いそうなのあるかもしれないしさっ!」

 

涼風「そうですね、そうしましょうっ!」クワッ!

 

八幡「なぜテンション高くなった?」

 

涼風「八幡さんに似合う服があるかもしれないからです!」

 

八幡「ド直球な返答だな。」

 

柊「だって本当の事だもん♪八幡君ならその辺の服から高級ブランドまで全部着こなせそうだもん!」

 

八幡「そんなわけねぇだろ………」アキレ

 

涼風「いいえ、八幡さんならどれを着ても素敵です。私が保証します!」

 

八幡「………今日どうした?」

 

 

なんか涼風の様子がおかしい……服のコーナーに移ってからやたらと俺を持ち上げる。お願いだからいつものお淑やかな涼風さんにもどって。

 

 

 

 

 




ネタを………下さい………(Valentineに入るべきかなぁ………)

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