俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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憂鬱な月曜日

 

柊side

 

 

とっても、とぉ〜っても過ぎて欲しくない日曜日が過ぎて、今日は月曜日。あ〜ぁ、今日は最悪な日だよ。また変な人達が教室に来るかもしれない上に、八幡君は部活で居ない。はぁ〜………こんなにも憂鬱な気分になったのはいつぶりだろう?下校の時に絡まれたりしないかが心配だよ。そのまま学校に残るのもアリかもしれないけど、そこでも声を掛けられちゃったりするかもしれないから嫌なんだよね。

 

 

涼風「お姉様、私も月曜日がこんなにも始まって欲しくないと思ったのは生まれて初めてかもしれません。周りの方達がうるさい上に帰りには八幡さんが居ないなんて………嫌になります。」

 

柊「ホント。八幡君が下校する時に居ないだけでも嫌なのに、それに加えて嫌がらせとも思える男子達からの猛アタックはやめて欲しいよ。私には八幡君っていう決まった人がいるのにさ。」

 

涼風「お姉様が羨ましいです………私も八幡さんのような殿方と結婚したいです。ですが、そのような方は世界中探しても見つからないでしょう。ですのでそれはもう諦めてます。結婚はしませんので、八幡さんと一緒にいたいです。」

 

 

割り切っちゃってるなぁ〜………私としては八幡君と2人で暮らすのを想像してたけど、涼風が居ても別に嫌じゃない。それにこれまで通りの暮らしが出来るから、OKしちゃうかもね。

 

 

柊「もうさ、八幡君が18歳になったら籍だけ入れちゃおっか?そしたら余計な邪魔者が来なくて済むじゃん?指輪とかもして男連中を寄り付かなくさせちゃえば良いんじゃない?」

 

涼風「そうなれば、今度は私に白羽の矢が飛んでくると思うのですが………」

 

柊「そこはアレだよ、八幡君が『お前みたいな奴が俺の義弟なんて認めん!!』って言えば大丈夫だよ。涼風も分かってると思うけど、お父さんもお母さんも八幡君以外の男の子見てもなんら信頼しないと思うよ?信頼してもらうには、それこそ八幡君みたいに周りの事を顧みずに私達を助けてくれる人なんじゃないかな?この学校でいう新堂先輩とかさ。」

 

涼風「そうかもしれませんね……お父様が八幡さんにお友達を連れておいでなんて一言も発した事、ありませんしね。暗にそういう事なのでしょうか?」

 

柊「私の仮説だけどね。前にお父さんとお母さんが八幡君にどっちを貰ってもいいって言ってたけど、あれ割と本気なのかもね。私はちょっと困るんだけどさ、恋人の妹にそんな事言うんだもん。」

 

涼風「そ、そうですね………(申し訳ございません、お姉様。私はその時、とても嬉しかったです。)」

 

 

ーーー比企谷家ーーー

 

 

宮間「到着しました、お嬢様方。」

 

涼風「ありがとうございます。」

 

柊「いつもありがとう♪」

 

八幡「よぉ。」

 

柊「あっ、八幡君おはよう♪今日は早いんだね?」

 

八幡「まぁ、気分でな。なんか今朝から落ち着かなくてよ。」

 

涼風「?何かあったのですか?」

 

八幡「いや、そういうわけじゃないんだ。ただ、なんか変な感じがすんだよな。何かは分からん。」

 

柊「八幡君にしては珍しく煮え切らない答えだね?じゃあ本当に何か分からないんだ?」

 

八幡「あぁ。普段通りに起きて顔洗って飯食っただけなんだが、どうにもなぁ………落ち着かなかった。また学校が始まるって思ってるからか?」

 

涼風「私達も先程から思っていました。」

 

柊「まぁたちょっかいかけてくる男達が居るんだろうなぁ〜とか、今日は八幡君の部活の日だから一緒に帰れないとか。」

 

八幡「うわっ、その事忘れてた。けど暫くは車で送迎って事になったからある程度は安心だ。変な奴等が割り込んできたりしなければ。」

 

柊「言わないでよ八幡君、本当にそうなったら?」

 

八幡「俺が飛び出してく。」

 

 

ーーー総武高校・下駄箱前ーーー

 

 

柊「ふぅ〜……何もない事を祈ります。」

 

涼風「切実にそう願うばかりです。」

 

八幡「俺の所にも何も入ってない事を無意識に願ってしまうのはおかしな事じゃないよな。」

 

 

俺達は掛け声を出してたわけではないが、同時に下駄箱の戸を開けた。中には………

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

何という事でしょう。

 

 

『今すぐ別れろ。』

『釣り合わねぇんだよ、カス!!』

『あの2人に近づくなっ!!』

 

 

こんなにも素敵な手紙が入っていました。うん、ホント………暇な奴がいるんだな。こんな事に時間費やすくらいならマシな事すれば良いのによ。

 

 

柊「やっぱりあった………はぁ、私は八幡君にしか興味ないのに。」

 

涼風「お姉さまの言う通りです。私も八幡さんにしか興味はありません。」

 

八幡「のようだな。そんで、それどうすんの?」

 

柊「読むけどそれだけ。屋上とか体育館裏とかに来てくださいって書いてるようなものならすぐ捨てちゃうかも。」

 

 

私八幡君に直接言ったもん!手紙で送るのが悪いとは言わないけど、私は直球の方が好きなの!ダイレクトが良いの!告白なら遠回りじゃなくてストレートがいいの!カーブとかフォークとかそういうまどろっこしいのは良いから!

 

 

八幡「……ちなみに涼風は?」

 

涼風「お姉様と一緒です。それに私には気になる異性なんて居ませんので。」

 

柊「え、八幡君は?」

 

涼風「………気になる、ではなく好きな異性です。当然、義兄としても/////」

 

 

あぁ〜可愛い!!けどちょっと複雑!!

 

 

 

 

 

 


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