俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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飼い猫の行方

 

 

八幡side

 

 

八幡「っていう事がありました。火事が起きたのは家に着く前で、妹も家に居なかったので怪我人は居ませんでした。」

 

御影『そんな事が………八幡君、とても辛いだろう。目の前で住んでる家が焼かれたんだ、誰よりも君が1番辛い。慰めにもならないと思うけど、そんな辛い事をよく言ってくれたね。ありがとう。』

 

八幡「……いえ。」

 

紫苑『私達も仕事を大急ぎで終わらせてそっちに行くわ。それからさっき言ってた家族を泊める件だけど、断る理由なんて無いわ。私も御影もそんな状況下で断るような事なんてしないわ。』

 

八幡「ありがとうございます、おばさん。」

 

柊「それで、この後はどうするの?」

 

御影『その事は僕達と八幡君のご両親が帰って来てから話そうか。僕達だけで決めても仕方ないしね。八幡君、この際だ。前から冗談で言ってた家の件、本気で考えてもいいかい?』

 

八幡「っ!けど………」

 

御影『心配しなくていいよ。君達家族には一刻も早く住む場所が欲しいところだろう。その為の支援なら幾らでもさせて欲しい。普通の一軒家でも高級マンション、豪邸でも何でもだ。君は君で家族を安心させてあげられるように努力しなさい。いいね?候補だけは見つけておくから。』

 

八幡「………はい。」

 

御影『うん。じゃあ切るよ?今すぐにでも仕事に移りたいからね。』

 

紫苑『柊、八幡君達を頼むわね?涼風や宮間達にも伝えておいて頂戴。』

 

柊「うん、分かった。」

 

御影『それじゃあ、また後でね。』

 

 

そう言っておじさんとのテレビ電話は終了した。事情を説明した結果、おじさんが今所有している物件を貰うところにまで発展してしまったが、親父達と話し合ってだな。新しい家で暮らすもあの焼かれた場所に同じ家を建てるのも、親父達と相談してだ。

 

 

八幡「……よし、親父達には送信した。」

 

柊「八幡君、涼風の所に行かない?小町ちゃんもそろそろ落ち着いていると思うし。」

 

八幡「……あぁ、そうだな。」

 

 

ーーー客室ーーー

 

 

柊「涼風、入ってもいい?」

 

涼風『お姉様、どうぞ。』

 

 

部屋の中に入ると、ベッドで寝ている小町が居た。相当ショックを受けているに違いない。目元が腫れてるし泣いた跡もある。それに涼風の手を握って離してないしな。

 

 

八幡「涼風、ありがとな。」

 

涼風「いいえ、このくらい何でもありません。」

 

八幡「中学生にはキツい話だとは思うが、話しておかないと余計に不安を感じさせるだけだ。知れる内に知っておいた方が良いだろう。」

 

柊「それで八幡君、私達はどうする?」

 

八幡「一先ずはこの家で待機だな………今俺達に出来る事なんて何も無いしな。」

 

涼風「そうですね。あの家に誰も居なかったのは幸い………っ!!八幡さん、猫がっ!!カマクラさんはどうなったのでしょう!!?」

 

 

っ!!!マズい、あの火事の中にカマクラが居たらもうお終いだ!!それに今頃は消火も済んでる頃だと考えると………

 

 

八幡「柊、直ぐに行くぞ!!涼風は小町を見ててくれ、絶対に1人にはさせないでくれ。」

 

涼風「分かりました!」

 

 

俺と柊は宮間さんに頼んで再び、俺の自宅へと舞い戻った。

 

 

ーーー自宅ーーー

 

 

………出来れば今日はこの場所には来たくなかったが、カマクラが行方不明になってるからそんな事言ってられない!

 

 

消防士「君!この先はダメだ!下がりなさい!」

 

八幡「すいません、俺はこの家の住人です!この家の辺りに猫を見かけませんでしたか!?」

 

消防士「この家の!?そうだったのか………ご覧の通り家は全焼してしまっている。君の言う猫が無事だったとしても、我々は見掛けてもいないんだ。それに、中も見れるだけ見たんだが、猫の遺体らしき物も発見出来なかった。すまない。」

 

八幡「………そうですか。」

 

消防士「この先は今、立入禁止区域になってる。幾ら現住人の君でも入る事は出来ない。心苦しいとは思うが、分かってくれ。」

 

八幡「………はい。」

 

柊「八幡君………」

 

 

クソ………カマクラの事を忘れてたなんてな。小町になんて説明すりゃいい?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あぁ、八幡ちゃん!やっと見つけた!」

 

八幡「っ!おばさん………」

 

「良かったよ〜さっき見かけてから姿が見えなかったから。」

 

八幡「すいません……家族と連絡してたので。」

 

「そっかそっか……あっ!それでね、此処に来たのは八幡ちゃんの家で飼ってるあの縞猫の事だと思ってね。」

 

八幡「っ!!カマクラを知ってるんですか!?」

 

「まぁねぇ〜……あの猫なら無事だよ。何せ私の家に居るからね。」

 

八幡「え……おばさんの家に?」

 

「最初は何処の猫かと思ったんだけどね。首輪してるからどこかの猫かとは思ってたんだけど、八幡ちゃんの家から出て来るからそうだと思ってたんだよ。八幡ちゃん達が家を空けてる間、ずぅ〜っと私の家に来てたからね。だから火事が起きてた時も私の家に居たから毛先1本の火傷すらしてないよ。」

 

八幡「………そうだったんですか。」ヨロ

 

柊「あっ、八幡君。」

 

八幡「……悪い、安心したら力が抜けてな。」

 

「安心して良いよ。それと八幡ちゃんは今、そのお嬢さんの所に居るんでしょ?なら猫の事は私に任せて良いよ。猫は慣れた所の方が居心地が良いだろうからね。八幡ちゃんは今後の事をゆっくり考えなさいな。決まったら引き取りに来ればいいからね。」

 

八幡「………ありがとうございます、おばさん。」

 

 

 




おばさん………超絶ファインプレー!!!
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