俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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実行委員長

 

八幡side

 

 

ーーー会議室ーーー

 

 

姫菜「失礼しま〜す。」

 

八幡「……します。」

 

姫菜「2-F組の実行委員の海老名です。そして隣に居るのが………」

 

八幡「……比企谷です。」

 

???「あっ、待ってたよ〜!空いてる席に座ってね〜、皆が来るまで待機してるから!」

 

 

まだ全員じゃないのか。まぁ俺等も終わってすぐに会議室に向かったしな、居ないクラスの所が居ても不思議ではないか。

 

 

雪乃「………比企谷君?貴方も実行委員に?」

 

八幡「おう、まぁな。」

 

雪乃「こういうのには絶対に参加しないと思っていたのに、どういう風の吹き回しなのかしら?明日は槍が降るかもしれないわね。」

 

八幡「俺だって好きでなったわけじゃねぇよ。ウチのクラスがやりたがらなさ過ぎて、クジ引きした結果が俺ってわけだ。ったくついてねぇよ、絶対に平塚先生の念のせいだ。」

 

雪乃「平塚先生のせいにしてどうするのよ?」

 

八幡「あの先生、俺に彼女がいるからってクジ引きする時にバツ印付けたんだけどよ、その念を込めて書いてたみたいでな。俺に決まった時に小声で『リア充爆発しろって念を込めながら書いた甲斐があった!』って言いやがったんだよ。」

 

雪乃「………すごい執念ね。」

 

姫菜「へぇ〜平塚先生そんな事言ってたんだ。ていうかまだ彼氏居なかったんだね。」

 

 

おい、それを言ってやるなよ。幾らこの場に居ないとはいえ聞こえてるかもしれないだろ。

 

 

ーーー数十分後ーーー

 

 

???「は~い。それでは、第一回、文化祭実行委員会をはじめま~す。じゃあ私の自己紹介をするね!私は生徒会長の城廻めぐりです♪ これから約3週間、生徒会は文化祭実行委員会をサポートしながら、文化祭を盛り上げるべく頑張ります!それでね、最初は文化祭の実行委員長を選出しようと思ってるんだけど、誰か立候補したいっていう人は居るかなぁ〜?」

 

 

城廻会長が進行をして、委員長の所まで話を持ち込むも、誰も立候補しようとする者は現れない。寧ろ現れるものなのだろうか?この中には嫌々実行委員になった者(俺)もいる筈だ。楽しむ時間を削ってまでなりたいものだとは思えない。

 

 

めぐり「え、えぇ〜っと………誰も居ないのかなぁ?内申点もつくよ?どう?」

 

 

それが餌!?いやいややりたがらんって!!

 

 

めぐり「……っ!あの、雪ノ下さん、だよね?」

 

雪乃「………はい。」

 

めぐり「やっぱり!陽さんの妹さんだ!陽さんも実行委員長でね♪あの時の文化祭は総武高の歴史に残るくらいすごい文化祭だったんだ!で、どうかな?よければ「実行委員として善処します。」あ、そっか………」シュン

 

八幡「そりゃ嫌だろうな、姉の面影を背負いながら実行委員長なんてするのはよ。」ボソッ

 

姫菜「へぇ〜お姉さんがいるんだ。」ボソッ

 

八幡「あぁ、とびっきり怖い、な。」ボソッ

 

姫菜「雪ノ下さんに言っちゃおっ。」ボソッ

 

八幡「おいやめろ。」ボソッ

 

 

雪ノ下さんの耳に入ったらタダじゃ済まされねぇ。絶対に何かされんだろ。それも超絶面倒な何かが。

 

 

めぐり「うぅ〜平塚先生〜!」

 

平塚「はぁ、あまりこういう事はしたくはないのだが、長引くようであればクジ引きで決めるぞ?」

 

雪乃「……先生、生徒会長、または生徒会の人間が委員長をやるわけにはいかないのですか?」

 

平塚「あぁ。生徒会はサポートという名目で参加してもらうのが今までの習わしだからな。それにこの文化祭実行委員は2年生が主体となって動く事になっている。つまり委員長も2年生の誰かにやってもらいたいという事になる。」

 

雪乃「そうですか………」

 

 

俺達2年にとっては地獄のような話だな、クジ引きになるにしろ俺達2年のいずれかになるって事だろ?はぁ……マジでヤダ。

 

 

雪乃「………では城廻先輩、掌を返すようで申し訳ありませんが、私が立候補します。」

 

めぐり「ホントッ!?嬉しいよ〜ありがとう雪ノ下「ですが。」さ……え?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

雪乃「城廻先輩だけでなく、今この場にいる3年生の実行委員の先輩方には承知してもらいたいのですが、私が姉の妹だからといって過度な期待はしないで下さい。私は雪ノ下陽乃ではなく、雪ノ下雪乃です。なので同じような事例が出ると思わないで欲しいのです。」

 

 

………

 

 

平塚「まぁそうだな、3年生諸君は雪ノ下に対して少なからず期待を持っていた奴もいるだろう。だがそれは捉え方によっては彼女に対して毒を与えているものにもなるという事にもなる。重ねるのは個々の自由だが、今この場にいるのは雪ノ下陽乃ではない。その事をよく考えるように。」

 

 

………結構重たい雰囲気になったな。けどまぁ、当然っちゃあ当然なのか。あの城廻先輩もそうだが、雪ノ下が雪ノ下さんの妹だと知ると、明らかに目の色が変わった奴もいたしな。『あの人の妹なら!』『雪ノ下先輩の妹なら!』っていうのがな。過度な期待は毒になる、か………言い得て妙だな。

 

 

その後は副委員長、各役割を決める流れとなり、俺は記録雑務になった。俺にはこの方が性に合ってる。1人パソコンと睨めっこしながらデータを打ち込めば良いだけだからな。ボッチ向きの仕事だ。

 

 

 

 

 


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