俺、実は彼女がいるんだ………   作:生焼け肉

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帰還と家

 

 

柊side

 

 

柊「………」ソワソワソワソワ

 

涼風「………」モジモジモジモジ

 

御影「………」テクテクテクテク

 

紫苑「……はぁ、貴方達?もう少し落ち着いていられないの?仮にもお客人、それも八幡君のご家族の前よ?もう少し構えていられないの?」

 

柊「だ、だってもう30分だよ!?30分も帰って来ないまんまなんだよ!?」

 

紫苑「行ってすぐに終わるわけないでしょう………30分くらい当然よ。」

 

涼風「で、ですが八幡さんにもしもの事があったらと思うと………とても落ち着いてなんていられません。な、何か八幡さんの為にご用意しておく物とかないでしょうか?」

 

紫苑「なら軽く摘めるものとか飲み物とか用意しておきなさい。」

 

御影「あわわわわ……ほ、本当に何かあったんじゃ?も、もしかしてまた怪我でも!?だから連絡が来ないのかもしれない!!こうなったら僕も現場に「止めなさい。」あうっ!?」

 

紫苑「貴方が1番錯乱してどうすんのよ?仮にもこの子達の親でしょう?1番どっしりしてないといけない貴方が何で1番狼狽えてるのよ?」

 

御影「だ、だって宮間からの連絡も無いんだよ?」

 

紫苑「その内戻ってくるわよ。だから私達は信じて待つのが仕事よ。ほら、紅茶でも飲んで落ち着きなさい。糖分が足りないからそうなるのよ。」

 

「あの、奥様。そちらは塩でございます………」

 

紫苑「………」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

紫苑「仕方ないじゃない!!心配なものは心配なのよ!!我が子も同然な八幡君が犯人の所に行ったのよ!?落ち着いていられるわけないでしょう!!!それにどうしてこんな所に塩があるのよ!?」

 

 

比企谷一家(((1番動揺してる………)))

 

 

「お気持ちは分かります。先程私も紅茶をお持ち致しましたが、準備段階で許可も無いのに砂糖を入れたりミルクを入れたり適量を間違えたり湯ではなく水を淹れたりと、ミスばかりでございます。お恥ずかしい………」

 

 

比企谷一家(((執事も負けてない!?)))

 

 

うぅ〜心配だよぉ〜……八幡君早く帰ってきてよぉ〜早く抱き締めたいよぉ〜抱き締められたいよぉ〜ナデナデされたいよぉ〜!!

 

 

ガチャッ!

 

 

夜十神一家「っ!!!」ビグッ!!

 

 

小町(この人達凄いなぁ……お兄ちゃんの事になると必死過ぎるでしょ。ていうよりもお兄ちゃんの事大好き過ぎない?)

 

凛(私達は流石にこんな風にはならないわね……心配はしているけど、こんな風にならない、というより出来ないわ。)

 

尚人(やはり普通の家族では無いな、愛情表現もこの家並みに派手だ………)

 

 

宮間「奥様、只今戻りました。」

 

御影「み、宮間?八幡君は?」

 

柊「八幡君は!?何処!?」

 

涼風「ま、まさか……お怪我を!?」

 

宮間「ご心配なさらずに、旦那様、お嬢様方。」

 

八幡「只今戻りました。」

 

柊「八幡くぅ〜んっ!!!」ナミダメ

 

涼風「八幡さんっ……!!」ナミダメ

 

八幡「うおっと………心配かけて悪かった。俺は怪我してないから安心しろ。」

 

御影「よく無事に帰ってきてくれたね、八幡君。それにしても宮間、心臓に悪いじゃないか?君だけ入ってくるなんて。」

 

宮間「旦那様とお嬢様方が間髪入れずに迫ってきたからではありませんか。」

 

御影「うっ………その通りです。」

 

宮間「さぁ八幡様、お寛ぎになってください。お疲れになられたでしょう?今、ココアを淹れます。紅茶では張り詰めた神経を落ち着かせる事は出来ませんからね。」

 

八幡「お願いします。」

 

紫苑「柊、涼風、八幡君が座るから今は離してあげなさい。座ったら抱き着いても良いから。」

 

柊/涼風「…………………………うん(はい)。」

 

 

八幡(離れたくないんだろうなぁ………すげぇ間だった。それよりもおばさん、座ってからは抱き着くのはアリなんですね………)

 

 

ーーー数分後ーーー

 

 

御影「さて、少し落ち着いた所で八幡君。経緯を教えてもらいたいんだけど、良いかい?」

 

八幡「はい、構いません。聞いていて気分の良い物ではないと思いますけど。」

 

紫苑「構わないわ。だってウチの娘と義息子に迷惑を掛けたんだもの。それなりの報いを……いいえ、相応の報いを受けてもらわなくちゃならないわ。」

 

八幡「手加減する気なしかぁ……まぁ俺もですけど。取り敢えず説明しますね。親父達も一応聞いておいてくれ。」

 

 

それから八幡君はあの変な人の家で何かあったのかを説明してくれた。八幡君の言う通り、気分の良い物ではなかった。けどそれ以上に………

 

 

一同「………バカ。」

 

八幡「まぁそれが当たり前の反応だと思いますよ。こっちから仕掛けずとも自分から言ってくれたんですからね。」

 

紫苑「まぁ一先ずはこれで安心ね。それで八幡君、それから皆さん。これからの事だけど、まずは家をどうする気なのかしら?」

 

凛「私はあの家を元に戻してくれればそれで構いません。新しい家も魅力的ではありますが、今の家の方が愛着がありますので。」

 

尚人「そうだな、お前の言う通りだ。小町はどうなんだ?」

 

小町「小町も今の家の方が良いかなぁ。」

 

御影「………八幡君はどう思ってるんだい?」

 

八幡「俺もあの家が良いですね。ずっとあの家で過ごして来ましたので。」

 

柊「そうだよね、私もこの家が1番好きだもん。大きな理由がない限りはこの家から離れたくないしね。」

 

涼風「はい、此処が私の家ですから。」

 

御影「……そっか。貴方達がそれで良いのなら、それで構いませんが、建て直すにしてもどうするおつもりで?」

 

八幡「それなら安心してください。うってつけの人達が知り合いにいますので。」

 

 


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